相反神経抑制は内・外転筋にも生じるのか

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教科書には載ってない、脊髄反射のホント。

1.Ia抑制(拮抗抑制)について考えてみましょう

 前回、脊髄反射について触れましたが、今回はそれに付随して生じるIa抑制反射について述べます。

 

 

前回述べた伸張反射は急激に筋が伸ばされた際に筋の長さを元に戻そうとする反射でしたが、伸張反射が生じている間、拮抗筋が弛緩していなければ合目的な関節運動の邪魔をしてしまいます。

 

 

これを防いでいると考えられるのが拮抗筋の運動ニューロンを抑制するIa抑制です(図1)。

 


図1. Ia抑制の模式図

 

つまり、Ia群求心生線維は動作筋の運動ニューロンを興奮(伸張反射)させるのと同時に拮抗筋の運動ニューロンを抑制(Ia抑制)するという反射プログラムを作っているのです。

 

 

このような神経支配の様式は「相反神経支配」と呼ばれ、伸張反射弓だけでなく様々な脊髄反射や上位中枢からの下行路に観察されることが知られています。また、筋をリラックスさせる目的でIa抑制を用いようとする治療手技も少なくありません。

相反神経抑制は内・外転筋にも生じるのか

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