神奈川県警が、高齢者の運転支援目的で、全国で初めて作業療法士を非常勤として採用する。
県警は専門能力に着目し、県内のリハビリ病院に勤務する30代の女性作業療法士1人を非常勤で採用することにした。センターでは、75歳以上の運転免許証更新時に実施される「認知機能検査」の相談に乗り、脳卒中の病後に運転能力が回復しているかなどを検査する。
昨今、脳卒中後の方や認知症の高齢者が起こす運転事故が多発しており、75歳以上の方は免許更新の際に、更新手続前に認知機能検査の受検と高齢者講習等の両方を受講する必要がある。
認知機能検査は、「時間の見当識(検査時の年月日、曜日、時間)」、「手がかり再生(16種類の絵を記憶し、何が描かれていたか)」、「時計描画(時計の文字盤を描き、指定された時刻を表す針を描く)」の3つだ。高齢者講習は、座学・運転適性検査を1時間、実車を1時間受ける必要がある。
認知機能は机上の検査の点数だけでは判断できず、また運転に関しては認知機能以外の機能も必要である。作業療法士のスペシャリティが十分に発揮される仕事だと言えるだろう。