人がアップデートするということ|療法士が変わる時に手にする本(書評)

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前に付き合っていた彼女に「人って結局変わらないよね」と言われて、討論になったことがある。



人は変われるのか、変われないのか。ただ「変わりたい。自分を変えたい」と思うタイミングは人それぞれ場面は違うものの、ふとした日常の中にあるに違いない。それは同期がリハ科の要職に昇進した時かもしれないし、研修会の講師の先生の話を聞いたときかもしれない。反対に失敗してしまって「こんな自分は嫌だ」と卑下してしまっているときの場合もあるだろう。理想と現実が一致しているケースはほとんどなく、青写真を描くタイミングはふとした拍子にやってくるものだ。

 

ただ、なぜ変われない人があるのだろうか。今このリハビリテーション業界に、どんよりと漂っている漠然とした不安は、どこからきているのだろうか。今回、POSTでも連載いただいている鯨岡先生の新著「療法士が変わるときに手にする本」を手に取って読んで見ると、その理由がなんとなく分かったような気がした。

 

本著では「変わる自分が見えてくる!15の流儀とスキル」を5つのStepに分けて解説している。

Step1では「セルフイメージを高めること」、Step2では「コミュニケーションの捉え方」、Step3では、「コミュニケーションの実践」、Step4では「輝くチームづくり」、Step5では「療法士の人間像」についてである。

 

これらのステップのピラミッドを、1つづつ上がっていくことで人は変わっていくことができるのである。

 

「自分を変えたい。変わりたい。」と思ったときに人はメジャーアップデートを望んでいて、そこまでのマイナーアップデートを描くことができていないのかもしれない。結果、そのハードルが高いから、足踏みをしてしまうケースが多いのではないかと思った。

 

最近、「〇〇2.0」という言葉がバズワードとしてよく聞かれるが、たいていのアップデートは「1.2.1」「1.2.2」「1.3.1」「1.3.2」…と、段階を踏んで「2.0」に辿りつくものである。「1.0」からいきなり「2.0」になるケースは殆どない。

 

人が変わるには、確かな一歩の積み重ねが必要である。その一歩の足の踏み出し方、そして歩み続けるためのヒントが、本著には鏤められている。

 

療法士が変わるときに手にする本
Posted with Amakuri at 2018.8.10
鯨岡栄一郎
運動と医学の出版社
人がアップデートするということ|療法士が変わる時に手にする本(書評)

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