さぁまだやっております一人相撲。なんとかこの話題で“寄り切りたい”と思っております、“序ノ口”理学療法士こと編集長のイマイ(@shunta0701)でございます。先日、ふとTwitterを眺めていたときです。以前からお世話になっております、アメリカで理学療法士をされている一色先生のTweetに目が止まりました。それがこちら↓
んっ!? 国際オリンピック協会(*正しくは国際オリンピック委員会)のスポーツ理学療法プログラムってなんだ!?しかも続けてこのTweetが。
「IOCに席を置いている」…どういうこと!?知らぬ間に、IOCの人になっていたのか?そもそも、IOCが行うスポーツ理学療法プログラムってなんだ?という疑問が。。。
疑問は直接、本人にぶつけよう!の精神で、実際に一色先生に取材を行いました!ビックリするぐらい「仕事中に邪魔だな…」という顔をされていましたが、そこはイマイ持ち前のガッツで、直撃です!ではその一部始終をご覧ください。
急な取材すいません。そちらは何時ですか?何かお仕事中でしたか?片手間でもいいので、取材お願いします。早速ですが、今オリンピックボランティア関連の話題で、日本は良くも悪くも盛り上がっております。一色先生は、現在国際オリンピック委員会(以下IOC)のスポーツ理学療法コースを受講中と伺いましたが、そもそもそのコースって何ですか?
いえ、こちらは21時くらいです。今は、翻訳の仕事してました。片手間で答えます。笑 IOCのコースは、イギリスを中心として、オンライン上で勉強するプログラムです。色々な国のスポーツ理学療法の権威が教えてくれるので、面白いですよ。
(…やっぱ声が低くてダンディだな…)それって何年くらい勉強するものなのですか?
一色史章先生:徒手療法と運動療法を専門とするスポーツ理学療法士。インターンでは日本プロ野球3球団、アメリカンフットボールピッツバーグスティーラーズ、シアトルマリナーズを経験。日本国内整形外科勤務を経て、米国へ渡米しピッツバーグ大学大学院修了。Kaiser 病院でPNFレジデントの勤務を終えて、Loma Linda University にてPost Professional Doctor of Physical Therapy Program卒業(博士課程)現在は、Seal Beach PHYSICAL THERAPYにて外来整形外科勤務されている。
ちょっと待ってくださいね。調べます…。色々あったのですが、最初は、「オリンピックとは何か?」から始まり、「IOCにおける理学療法士の役割」、あとは統計解析の話もあります。
統計解析の話って、基本的なデータの読み方を習うんですか?
それもありますし、各地で開催されたオリンピックのデータ(選手のケガなど)を集める機関がいくつかあって、残念ながら日本にはないのですが(アジアだと韓国)、そこに集められたデータを講義で使ったりします。
(…意外にも韓国!?そういえば、実家のお母ちゃん、まだ韓流ブームかな…)データを集めているとは聞きましたが、そういった講義の中で使用されるんですね。
そうですね。あとは、倫理規程や法律の話までがモジュール1の内容です。
いやこれが1ヵ月間の内容です。それが終わると、「スポーツ理学療法の基礎1,2」があって、その中に臨床意思決定の方法であったり、急性・慢性痛みの原因と対応、オーバーユースの対応、フィットネスとトレーニングの生理学、徒手療法、軟部組織における理学療法、スポーツ理学療法にける物理療法、アスリートとチームに帯同するには、栄養と水分補給、スポーツ心理学とメンタルケア、薬剤に関する各種講義、様々なスポーツ現場に対する医療サービス、スポーツ障害の予防について、障害者や子供への対応など、これを1年で学びます。
この内容は、アメリカの大学院教育のスポーツ理学療法で学ぶ内容と違うんですか?
今回のこれは、IOCのスポーツ理学療法教育だと思うのですが、アメリカの理学療法士協会が開催するスポーツ理学療法の研修と内容は違うんですか?
一色先生がこれを受講したのは、やはり“2020東京オリンピック”に向けてということですか?
何かあったときに対応できるよう、一応受講しておこうかなという感じですね。
いやないですよ。アメリカ側からの方が可能性あります。笑
それだけはやりたくないなとは、思っています。笑 とりあえず、ボランティアには応募しようと思っています。
一色先生がいてくれないと、日本の若い子たちは、世界のトップレベルの理学療法に触れることができないので、お願いしますよ。
このIOC Diploma in Sports Physical Therapies は2年間でいくらくらいかかるんですか?
*IOC Diploma in Sports Physical Therapies: 年間2500ポンド(=約36万円)×2年
そこまでべらぼうに高くはないですね(残高44円の自分が言うのもなんですが…)。やはり、オリンピック関連の仕事をしようと思う人が、この講座を受けているのでしょうか?
そうだと思いますよ。おそらく将来的には、オリンピックに関わる理学療法士はこれを受講していることを必須としたいのではないでしょうか。おそらくですが。
やたらかっこいい一色先生の職場。
そうでなければ、質の担保は難しいですよね確かに。実際に、日本の募集要項を見られた率直の感想を教えてください。
そうですね。あの要項を満たす人を500人集めるのは苦労しそうだなということですね。5年くらいの経験であれば、日本では中堅クラスになって、仕事を抜けるのも大変でしょうから。もっといえば、あの要件をクリアしている人は、どこかしらの競技ですでに帯同が決まっている可能性も高いですよね。
経験年数で区切るのも、果たして本当に外国人に対して、適切なケアができるのかというのも心配ですね。もっと、システムをしっかり構築して、研修なりなんなりを用意するべきではないかなと思います。すでに研修会をやっているとは思いますが、まだまだ足りないですよね。
例えば、会場別に管理理学療法士をある程度配置して、上に報告するシステムを構築するとか。この辺りの話し合いがしっかりと行われているのかが、あの募集要項からは感じられなかったという感じですね。
ところで、今からIOCの研修会には参加できるんですか?
いや、すでに募集が終わっているので、次回を待たないとですね。そうすると、2020年には間に合いませんが。あと、ほとんどの人は英語の部分で、受講すらできないと思います。
募集要項: 認定された大学の理学療法またはアスレチックトレーニングの学位または同等の資格を取得していること。母国語が英語でない受講生は、TOEFL 500点以上、ILET6 6点以上、GCSEまたは同等の英語での能力の証拠を提供する必要があります。
https://www.sportsoracle.com/Sports+Physical+Therapies/Home/
そこには日本人の理学療法士も参加しているんですか?
いますよ。FBのグループで日本人受講生のグループを作りました。十数人はいると思います。
(とかいって、急にグループへ招待してくれたりして…)結構、有名な先生方もいらっしゃるのですか?
そうですね。いらっしゃいます。顔見知りの人もいますし。結構若手もいますよ。
誰がいるのか気になるなぁ。でも、そこに参加されている先生方に「ボランティアには参加する?」「どっかの競技で帯同する」というのは聞いておいて欲しいですね。
医師もいますが、ボランティアが決まっているようですよ。
アメリカのボランティア意識も日本とはやはり異なるんですか?
全然違います。そもそも、アメリカでは大学受験をする上でボランティアは必須です。内申書に響きます。
へぇ〜。日本もそうなのかな?NYのボランティアとかいってみたいな。まぁ何はともあれ、本当にオリンピックを目指しているのであれば、IOCの研修を受けていますよね。
その通りですね。自分で調べればこのくらいの情報はすぐに手に入りますからね。
そうですよね。そうでした。「お前も、IOCの研修くらい調べてから取材しろよ。ググれカス」と言うお気持ちが届きました。急な取材ありがとうございました。張り切って、翻訳のお仕事の続きをなさってくださいm(_ _)m
なんですかその、よくあるセリフは!なんでしょうか?オリンピックに関するリーク情報ですか?もしかして、何か“裏”情報握ってるんですか?
宣伝かよ!”イマイなら1回の炎上で12週間くらいそのネタ引っ張ります”一色先生、本日はありがとうございました!
いかがでしたでしょうか?アメリカと日本を跨いだ漫才…。いや、取材。そもそも、IOCがそんな講習会やっていたのって知ってましたか?今回、どちらかと言うと、個人的な興味で取材をしましたが、是非みなさんもチェックすることをお勧めいたします。
騒いでないで、やる事をやろう。明日やろうはバカヤロウ精神で、2020年東京オリンピックを迎えましょう!イマイの取材は、まだまだ続くと思います!
最後に、一色先生。このツイートの件ですが↓
僕にはそんな力、1mmもありません。こちらからは以上です!