第一回:作業療法士から医療コンサルの道に進んだワケ【船井総合研究所|北垣佑一先生】

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学生時代から一般企業を視野に就活していた

 

ー なぜ作業療法士から医療コンサルティングの道に進んだのですか?

 

北垣 学生時代、仲の良かった友人がセラピストでありながら広い視座を持ち、一般企業の就職を希望している姿を見て、私も触発されたことからソフトバンクやユニクロのような大手企業の就職説明会に参加しました。

 

しかし、説明を聞くと学生時代に学んだリハビリの知識がほとんどいかせそうにありませんでした。そんな中、経営コンサルティングという仕事を見つけ、今後成長産業であるヘルスケア市場のことを理解しているということは強みになると思いました。

 

そこで、大学の先生に相談したところ、「一般企業で働くのも良いけど、まずは3年現場を知ってから転職した方が知識や経験が役に立つのではないか」と言われ、納得し、急性期病院に新卒で勤めることに決めました。

 

ー 友人影響が強かったんですね。

 

北垣 そうですね。彼がいなかったら今の道へは進んでなかったと思います。そして、その頃は就職して3年で民間企業へ転職しようと思っていたのですが、作業療法にのめりこんでしまって、実際に船井総合研究所(以下、船井総研)に入社したのは、大学卒業してから5年目になります。

 

ー 何があったんですか?

 

北垣 最初の2年くらいは、まず理学療法士と作業療法士の違いが曖昧であまり作業療法自体を面白いと感じていなかったのですが、その頃に学生時代に学んだ「※人間作業モデル」を学び直し、実践していったところ、作業療法士として今までになかったような成果がでるようになりました。

 

具体例を挙げると、ある脳梗塞の失語症の方で、リハビリの拒否があり、意思疎通もできず、ADLも全介助という患者さんがいました。このままでは廃用が進んでしまうという状態だった方が、作業に焦点を当てて介入するとうまくいったケースがありました。

 

その方の奥さんにご本人がどんな1日を送っていたのかをヒアリングしたところ、朝起きてコーヒーを飲むことを日課にしていたことが分かりました。そこで、早く出勤して、インスタントコーヒーを一緒に飲もうと、言語聴覚士と朝持って行くと反応がよく、活動性もみるみる上がっていきました。

 

それからは、病院の食堂まで自分で車椅子を漕いで行ったり、コーヒーを飲む前にトイレに行ったり、花の水やりをするなど、生活の幅が広がっていく中で、ADLが大幅に改善されました。

 

そういった経験から作業療法士という仕事にのめりこむようになりました。

 

幸せになれるような医院づくり

 

ー なぜ、セラピストとしての成功体験が出た矢先に、船井総研に転職を決意したのですか?

 

北垣 私が勤めていた国立病院機構では異動が数年ごとにあるので、5年目頃から転職を意識し始めました。

 

また、実際に現場で働いてみて、医療機関における課題はたくさん見てきましたが、いちセラピストで解決するのは厳しいと思っていました。医療を専門とするコンサルタントになることで、経営者と同じ立場で話ができるという点で転職を決めました。

 

ー 今はどのようなお仕事をされているのでしょうか?

 

北垣 多岐にわたる業界のコンサルティングをおこなう船井総研の中で、私は「医療支援部」という、病院やクリニックの経営を支援する部署に所属しており、今は整形外科クリニックのコンサルティングをメインで担当させていただいています。

 

医療機関に対するコンサルティングというと、税理士さんなどがおこなう財務の基盤づくりを担当する仕事もありますが、私たちが行うコンサルティングは、より多くの患者さんに選ばれる医院になるためのマーケティング、人材採用、組織マネジメントなど医院の成長促進につながることを目的としています。

 

例えば、最近ニーズとして多いのが、整形外科クリニックにおけるリハビリテーションに対するコンサルティングです。というのも、整形外科クリニックでは、「リハビリ」としていまだに物理療法のみを提供しているところも少なくありません。

 

物理療法も、適切な評価のもとに提供されていればもちろん効果がありますが、多くの医院では、評価を適切に行わず、無資格者が患者さんの要望に合わせて物理療法を提供していることが多く、リハビリテーションの効果を疑問視している患者さんが増えています。

 

そこで、私がお付き合いする整形外科のクリニックでは、「セラピストによる個別リハビリテーション」を受けられるようにします。さらには、医院の成長に合わせて、理学療法士・作業療法士を増員し、より多くの方に質の高いリハビリテーションが提供できる体制を構築するといったご提案をして、取り組んでいただいています。

 

しかし、ただ増員するだけでは、医院の成長につながりません。スタッフさんが働きやすい環境作りや、院長先生とスタッフ間の意識統一や、法人理念を組織に浸透させるという組織マネジメントも行います。

 

リハビリテーション以外でも、さまざまな切り口からお手伝いさせていただきますが、最終的には、我々がお手伝いさせていただくことで、患者さんだけでなく、院長とスタッフもとも幸せになれるような医院づくりを目指しています。

 

きれいごとのように聞こえますが、そのために本気で考え、日々仕事をさせていただいています。

 

※人間作業モデル(model of human occupation:MOHO):Kielhofnerによって1980年代に提唱された、「クライエントにとって意味ある作業を見いだし、意志を働かせて作業に参加すること」に着目した概念的実践モデル。

 

【目次】

#1 OTから医療コンサルの道に進んだワケ

#2 OTの経験は医療コンサルタントにいきるのか

 

◆ 船井総合研究所では、現在セラピストの求人を募集しています。

詳細はこちらからご確認ください。

(応募の際は必ず「POSTを見て」とお声がけください。)

 

北垣佑一先生プロフィール

首都大学東京作業療法学科卒業後、作業療法士として急性期総合病院に勤務。 病院勤務時代は、地域包括ケア病棟・回復期リハビリテーション病棟立ち上げ、病棟患者のADL改善に向けた研究と多職種連携への取り組みに注力。

また、作業に基づいた実践に強い興味を持ち、「島根で作業を学ぶ会を立ち上げ・運営」。 現在は、船井総合研究所へ入社し、病院・整形外科クリニック・介護事業所の幅広いコンサルティングを行っている。

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