腰痛治療に対しての期待値変化が回復や復職に及ぼす影響【論文から学ぶエビデンス】

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Pain by Kristy Themelis, MSc:

 

(訳:Takumi Kobayashi)

 

 

期待(Expectations)は復職の重要な予測因子である。低い期待は(就業不能な)障害に関連づけられることが多く、一方で高い期待はより良い成果に関連づけられることが多い。

 

この研究の目的は時間経過に伴う期待の構築について、またそれが他の心理的な変数と結果にどのように関連するかについて調査することである。

 

作業療法士のもとで、496人(うち男性57.9%)の仕事に関連する急性腰痛の治療を求める対象者が本研究に含まれた。

 

参加者は抑うつ、痛みへの恐怖、痛みの人生への影響度、深刻度、治癒への期待を、自己申告によるスケールにて二週間のうち二回測定した。

 

分析により“安定した高い期待群”、“安定した中等度の期待群”、“安定した低い期待群”、“減少する期待群”の4つの患者群が明らかとなった。

 

二週間の間、期待のレベルはおおむね安定しており、回復の度合いと一致した。

 

ただし、苦痛が増加し、期待が減少するという正反対の曲線を示した「期待が減少した群」のみが例外となった。

 

た、この群は3か月のフォローアップにて、回復・復職に関し予後不良となる可能性を示した。

 

腰痛の急性期において、何が厳密には期待をコントロールするのかに関して更なる研究が求められる。

 

結語として、この研究は(急性腰痛患者の)回復への期待はおおむね安定しているが、期待の変化は復職に関して予後不良な結果の予測因子となるため、臨床家はそれに注意を払わなくてはいけないということを示している。

 

From: Carstens et al., Eur J Pain (2013). All rights reserved to the European Federation of International Association for the Study of Pain Chapters.
(訳:Yoko Ohtsu)

 

アナࢺ࣑ー理学療法

 

腰痛治療に対しての期待値変化が回復や復職に及ぼす影響【論文から学ぶエビデンス】

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