【順天堂大学】正常体重でも代謝異常となる原因に脂肪の「質」が関連ー太っていなくても生活習慣病になる原因?ー

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順天堂大学大学院医学研究科 代謝内分泌内科学・スポートロジーセンターの田村好史 先任准教授、河盛隆造 特任教授、綿田裕孝 教授らの研究グループは、正常体重の日本人男性約100名を対象に、全身の代謝状態や脂肪分布に関する網羅的な検査を実施した結果、脂肪組織の「質」の指標となる「脂肪貯蔵機能」や「アディポネクチン濃度 *1」の低さが、インスリン抵抗性 *2、高中性脂肪血症、肝脂肪蓄積などの代謝異常の本質的な原因であることを明らかにしたー。

 

 ポイント

  • ・正常体重の日本人男性約100名に対し脂肪組織の「質」の指標となる「脂肪貯蔵機能」「アディポネクチン濃度」に関する大掛かりな検査を行った。
  • ・正常体重の日本人男性において「脂肪貯蔵機能」が低く、かつ「アディポネクチン濃度」が低い場合は、インスリン抵抗性、高中性脂肪血症、肝脂肪蓄積といった代謝異常の程度は顕著であった。
  • ・太っていなくても代謝異常を発症しやすい日本人にとって、脂肪の「量」ではなく、脂肪の「質」に着目した予防対策の必要性が示唆された。

 

▶︎https://www.juntendo.ac.jp/news/20210222-01.html

 

原著論文

本研究成果は米国内分泌学会雑誌「Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism」のオンライン版(2021年1月23日付 )で公開されました。

英文タイトル:

Adipose insulin resistance and decreased adiponectin are correlated with metabolic abnormalities in non-obese men

タイトル(日本語訳):

非肥満日本人男性において脂肪組織インスリン抵抗性と血中アディポネクチン値の低下は代謝異常と関連する

著者:

Mai Kiya, Yoshifumi Tamura, Kageumi Takeno, Yuki Someya, Saori Kakehi, Motonori Sato, Nozomu Yamasaki, Satoshi Kadowaki, Ruriko Suzuki, Yasuhiko Furukawa, Daisuke Sugimoto, Hideyoshi Kaga, Takashi Funayama, Miho Nishitani-Yokoyama, Kazunori Shimada, Hiroyuki Daida, Shigeki Aoki, Hiroaki Satoh, Ryuzo Kawamori, and Hirotaka Watada

著者(日本語表記):

木屋舞、田村好史、竹野景海、染谷由希、筧佐織、佐藤元律、山崎望、門脇聡、鈴木瑠璃子、古川康彦、杉本大介、加賀英義、船山崇、西谷(横山)美帆、島田和典、代田浩之、青木茂樹、佐藤博亮、河盛隆造、綿田裕孝      

著者所属:

順天堂大学

DOI:

10.1210/clinem/dgab037

【順天堂大学】正常体重でも代謝異常となる原因に脂肪の「質」が関連ー太っていなくても生活習慣病になる原因?ー

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