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【赤羽根良和先生 | 理学療法士】触診の重要なポイントは?

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触診のポイント

赤羽根先生
 

―― 触診のトレーニングでここだけはというポイントを教えてください。

 

赤羽根先生触診する中で大事にしていることは、圧のかけ方です。適度な圧力が存在しますが、患者さんの病態や病期によって使い分ける必要があります。これが出来るかどうかが大事なポイントですね。

 

これらを大切にしていけば治療成績は必然的に上がってきます。しかし、すべてのケースがセラピストの手によって治せるというわけではないんです。骨関節障害を私は専門にしていますが、患者さんは骨・関節・筋肉の問題だけでなく、心理的・社会的に多くの問題を同時に抱えていたりすることが常です。

 

それらすべてを統合したうえで、患者さんに携わっていく必要があります。臨床では、そういった難しさはありますね。

 

もちろん機能障害を改善させることが一番重要ですが、患者さんのバックグラウンドを考えることができるのが、一流のセラピストではないかと思います。

 

上達するためには

―― 教育に興味があるのですか?

赤羽根先生学校で教えるということに興味はあまりないですね(笑)。

 

むしろ、「臨床家を教育する」という方がすごく興味があります。臨床での技術を学ぶために一番手っ取り早いのが、上手い先生の治療を真似てみるということではないかと思います。

私自身、林先生が近くみえたので、モデルとしてよく真似させて頂いていました。これに関しては賛否両論ありますが、最初の段階としては上手い人のコピーをするというのが大事だと思っています。

 

第二段階として自分の理論を織り交ぜていく。第3段階としてすべてを壊して新しいものを作り上げていく。その作業が大事だと思います。一人職場などでは誰かを真似るということはできないと思いますので、他の施設へ見学に行くことをお勧めします。

 

1回や2回でなく、何度も見学に行くといいですね。当院では、いつでも見学を受けていますので、興味がある方はよろしくお願いします。つまり、上達するにはまずは真似ること。それが短期間で技術を伸ばすコツだと思います。

 

海外と予防医学

―― リハビリテーション業界では不安を抱えている若手のセラピストが多いですが、先生はどのように考えていますか?

赤羽根先生今後PT、OT、STの業務はさらに細分化すると思っています。大きく分ければ、臨床家と教育、研究の場が活躍するところだと思います。

さらに、今では「日本」という限られた中での活躍ですが、今後は海外も可能性があると思います。先進国ではリハビリテーション医療はかなり確立してきています。

しかし、発展途上国の中には、リハビリテーション医療が確立されていない国もあると思います。そのような国に関して、日本のセラピストが拡げていく必要があると思います。

一人でも多くの方を治療していくことが大切なことかと思っていまし、日本はリーダーシップをとっても良いかと考えています。現段階ではそのルートがまだまだなので、徐々に確立されていけるといいですね。

また、セラピストの職域を広げるためにも、障害予防の分野を発展させないといけません。障害者を作らないようにする方が、医療費も抑止できますし、病態を食いとどめることもできます。

つまり、今私が注目していることは、海外派遣と予防医学です。

あとは、臨床家の教育が今後さらに重要になっていくと思います。後世を育てないと、その業種は衰退します。自分だけ良ければ良いではダメ。どれだけ後輩を育てられるか。自分の職場も、セラピスト全体に関しても言えることです。

 

先輩PT、OT、STがどれだけやれるか。これが崩壊してしまうとこの先は難しくなってくるかもしれませんね。

赤羽根先生

 

触診セミナーに参加してほしい

―― でも業界内では触診の勉強っていうと疎かになっているイメージがありますがその辺はどうお考えでしょうか??

赤羽根先生まさしくその通りだと思います。セミナー講師をする中で触診のセミナーをすることもありますが、受講生の参加者人数が変わります。

 

脳卒中でも触診が一番大事です。やっぱりそれが出来ないと治療にならないですよね。基本的に運動器疾患もその他の疾患も考え方のベースは同じなので、運動器疾患の治療が上手な先生は中枢疾患の治療も上手なように、触診や考え方のベースさえできていれば治療はできますね。

 

触診セミナーほどセラピストにとって大事なことはないのに、明日から使える治療技術をテーマにしたセミナーの方が人気です(笑)。

 

セミナーで教える側の立場としては、現実的ではありませんが、正常な組織と異常な組織を触り分けて欲しいので、実際に障害をもった方がいるとよいかと思います。

 

口では「こんな感じ」と伝えますが、実際伝わっているか疑問が残ります。そういった意味でも、私の職場や実際の現場に来てもらって、見学してもらって、その時に患者さんを触りながら教えるのが一番だと思います。

 

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【特集】伝えておきたい触診の感覚 -触診の正しい練習方法から臨床応用まで

 

赤羽根 良和先生経歴

【資格】
理学療法士

【経歴】
平成11年:吉田整形外科病院 入職
平成21年:さとう整形外科 入職

【書籍】

肩関節拘縮の評価と運動療法 (運動と医学の出版社の臨床家シリーズ)
Posted with Amakuri
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