今月18日、iPS細胞から神経のもとになる細胞を作り、重度の脊髄損傷患者に移植する慶應大の岡野栄之教授らの臨床研究について計画を了承した。近く厚労相から正式に通知され、年内にも移植を開始する見通しだ。
iPS細胞を使った脊髄損傷治療は世界初。2014年に理化学研究所で認められた加齢黄斑変性でiPS細胞を使った臨床応用研究が開始され、昨年には京都大にてパーキンソン病に関して始まった。
専門部会はiPS細胞から角膜を作り、角膜疾患に移植する大阪大の計画も審議したが、結論は持ち越しになった。19年中には、他に再生不良性貧血(京都大)、心臓病(大阪大)も開始される予定である。
昨年12月には、iPS細胞と異なる幹細胞を使った治療法を札幌医科大などが開発し、承認されたが、対象は損傷から2週間以内の急性期の患者だった。慶應大は、今回の臨床研究で効果を確認できれば、将来的に慢性患者の治療法確立にもつながるとしている。