【5/5:眞田先生講演】競技における外傷後から競技復帰までのリハビリとその後のサポート」はこちら
>> https://1post.jp/4201 <<
そのネタまだ続けるの?と、言われていようがお構いなく、大事な話題ですので、またまだ取材は続けております。毎度おなじみ、Mr.お節介こと編集長のイマイ(@shunta0701)でございます。
一度終結したかに見える、東京五輪ボランティア問題。終結していたとしても、おかまい無しに取材を続けております。今回は、「ボランティアが悪いというなら、お金をもらって帯同した理学療法士の話を聞いてみよ」ということで、ロンドンパラリンピック車椅子バスケ日本代表元トレーナー、理学療法士の眞田崇先生にお話を聞いてきました。
眞田先生はロンドンパラリンピックの際に、車椅子バスケの日本代表トレーナーとして帯同されたと伺いました。その時の状況を、教えていただけますか?
今も東京五輪のボランティアに関して、色々と意見が別れているようですね。私の場合は、日本選手団の一員として行っていたので、ボランティアとは少し異なります。
そもそも眞田先生が車椅子バスケ日本代表トレーナーになれたきっかけはなんですか?
千葉の車椅子バスケのチームにすでに入っていて、たまたまそのチームに日本代表選手が多く在籍していました。それから、日本代表のトレーナーに空きが出たタイミングで呼んでいただいて、国際大会に参加するようになりました。
とりあえずこのジャージ欲しいですね。
ボランティアと日本選手団では、“お金”という点で、大きな違いがあると思いますが、実際いくらもらってパラリンピックには帯同していたのですか?
そうですね。だいたい、1日3,000~5,000円ほどだと思います。これは競技関係なく、日本選手団の一員は一律同じです。もしかしたら、オリンピックの方がお金は少し高いと思いますが、日給10,000円を超えることはないと思います。ボランティアの募集要項に1日9時間と書かれていましたが、帯同していると9時間どころではないですからね。
え!?それだけですか?時給換算したら、ボランティアとそう変わらないですね。
そうですね。ですからボランティアに関して、あんなに過剰反応しなくてもいいのではないかなと思いましいた。
ちなみに、東京オリンピックのボランティアには応募されましたか?
いや、してないですけど。まだ間に合いますかね?やれるのであればぜひやりたいですね。
ちょっと話が逸れますが、選手村でコンドーム配ってるって本当ですか?
ここで沢山の“国際交流”が生まれたのですね。
配っているというか、おいてある場所が決まっていて、そこに取りに行く感じですね。みんな記念に持って帰る人もいて、お土産にはよかったですね。
コンドームを配るほど、選手村では“国際交流”が頻繁に行われていたのですか?
どうですかね。公園とかで、違う国のジャージを着た選手同士がデートしていたりとかはよく見ましたけど。まぁ。期間中は“溜まって”しまいますよね。
眞田先生は選手村の中に寝泊まりしていたようですが、現地ボランティアとの交流はありましたか?
そうですね。選手村だけじゃなくて、各会場にも理学療法士がいたので、「何かあったら声かけてね」と丁寧に対応してもらったのを覚えています。
実際に車椅子バスケの日本代表選手は、眞田先生が近くにいるので必要ないかもしれませんが、それでも会場内にいるボランティア理学療法士を利用する選手もいましたか?
結構いたと思いますよ。マッサージ受けるだけでもポリクリニックを利用していた人もいたようですし。私も試しに行ってみたのですが「予約がいっぱい」ということで利用はしませんでした。
帯同するトレーナーがいても、現地のボランティアスタッフにお願いすることもあるんですね。
そうですね。帯同トレーナーも私一人だったので、リラックスがてら選手は利用していたみたいですね。私自身も結構、現地のボランティアと仲良くなって、選手のケアの後に一緒にコーヒー飲んだり、その後の交流にもつながっているので、すごく楽しかった思い出ですね。
意見として、募集要項のハードルが高いのでは?という声も多いのですが、眞田先生からみてハードルは高いと感じましたか?
そうですね。結構ハードは高いなと。経験年数5年以上で線引きされると、「本当は参加したいのに」という5年目以下の理学療法士は残念ですよね。経験年数で比べられるのは酷です。ベテランと若い人をチームにして経験させたら非常にいいと思うんですけどね。
そうですね。代表トレーナーをやっているときに、時間を気にしたことがないですね。選手に求められれば何時でも対応しますから、常に準備しています。その点9時間と区切られているのはいいですね。
実際に、日本選手団で帯同した理学療法士って全部で何人いたんですか?
理学療法士だけで言えば、6人ですかね。他の職種を混ぜれば、もう少しトレーナーは多いと思います。
なかなか狭き門ですね。6/160,000人ですから帯同できる確率は0.003%ですか。東京五輪のボランティアは500人ですから500/160,000人で確率は0.3%。それでも、全体の0.3%しか体験できないのは貴重ですね。
貴重な経験だと思いますよ。国際大会の中でも、オリンピック・パラリンピックって選手にとってもプレッシャーがまるで違うんですよ。私も、国際大会の帯同は何度か経験していますけど、ロンドンパラリンピックは、普段しない緊張がありました。
やはり、オリンピック・パラリンピックは国際大会の中でも、ちょっと違うんですね。
そうですね。これを目標にやっている選手も多いので、他の国際大会よりも本気度が違ったりします。そんな本気の選手たちをみられるのは、オリンピック・パラリンピックの醍醐味だと思います。これは実際に体験しないとわからないことなのですが、会場の雰囲気等がまるで違います。
眞田先生はその大舞台を経験されて、何か一皮向けたなと感じることはありますか?
そうですね。選手も一流ですし、理学療法士や監督も一流です。そんな人たちを間近で感じられるのも、醍醐味でしたね。それを受けて、自分自身の過ごし方が一皮向けたと思います。
なかなか言葉にするのは難しいですが、妥協しなくなった思います。普段であれば、ある程度のボーダーを超えると、自分に妥協してしまうのですが、世界のトップ選手は、妥協しない人たちだと思うので、そういう選手の姿勢が変わるきっかけになったと思います。
具体的のどの選手をご覧になって、考え方が変わりましたか?
車椅子テニスで、ロンドンパラリンピックでも金メダルを獲得された国枝選手ですね。選手村の食堂で、国枝選手を見かけたことがあったのですが、食事中もずっと試合の動画を見ているんですよね。周りにはそんな選手一人もいないのに、ずーっとみているんです。常に準備しているというか。リラックスしているとことは一度も見なかったですね。
眞田先生から頂いた写真、やたら食堂の写真が多い。
理学療法士としての経験もそうですが、世界のトップ選手から人間として学ぶことも多かったということですね。
そうですね。自分はそのあたりの成長が一番大きく関わったと思います。ただ、「自分の技術を提供しに行ってやるぜ」だと、おそらく選手の身体を触って終わりでしょう。私としては、身体を触る以前の問題の方が自分は勉強になると思います。もう一度、選手村の中に入りたいなと思いますね。
あともう一つ。正直な話、パラリンピックよりもオリンピックに関わりたかったという思いはありますか?
もちろんそうですね。注目度がまるで違います。選手もそういった見方をされていることはわかっています。ですから、「結果を残さないと注目してもらえない」という危機感は特にあると思います。
選手には勝ち負け以外の、変なプレッシャーもあるんですね。
そうですね。スポンサーとの兼ね合いもあるので。負けちゃうと、メディア露出が全くないですからね。スポンサーからしたら露出しなければ意味がないわけです。スポンサーがついても、すぐに離れてしまうこともあります。
オリンピックの商業化が問題になったりしていますが、我々の知らないところで選手は戦っているのですね。
これは車椅子バスケではありませんが、選手によっては個人にスポンサーがつくところもあります。そういった選手の場合、1回戦2回戦で負けてしまうと、罰金の支払いがあるようです。
厳しいですが、スポンサーってそういうものですよね。露出しなければ意味がありませんからね。眞田先生はもう一度、ナショナルチームのトレーナーとしてではなく、ボランティアだったとしても、チャンスがあれば選手村に入りたいですか?
もちろんですね。あの雰囲気はもう一度感じたいです。ぜひ、興味のある人はチャンスをもらえたら行って感じて欲しいですね。
自分もチャンスがあるかどうかわかりませんが、いけたら全力で楽しみたいと思います。眞田先生、本日は急な取材にご対応いただき、ありがとうございました。次は、東京五輪の選手村でお会いしましょう。
いえいえ、こちらこそありがとうございました。とりあえず私も応募してみます。
【炎上記事】
・東京五輪選手村 理学療法士スタッフ募集
いかがでしたでしょうか?個人的には、選手村で行われる“国際交流”がもっとも気になりました。また、コンドームのサイズ展開はどうなっていたのか気になるところですね。
「もうこの話題いいよ」と思われてもまだ続けます。一度発言して、適当に批判して終わり。そんな議論に意味はありません。いろんな人の話を聞いた上で、自分個人が何を考えるか、そういう機会を皆さんにも持って欲しいと思うのです。
だから、飽きたとは言わず、また皆さんの感想をつぶやいてください。最初の批判と変わんなくてもいいんです。もっと、自分自身の感情と向き合っていきましょう!
眞田先生執筆雑誌