研究スキルが高い人材はビジネスでも通用するかも?
ー 先生のインスタから、研究にも興味を持つ子が増えると学術的な発展にまで繋がっていいなと思います。
竹林さん そうですね。今は、まだ余裕がなくてできていませんが、最終的にはオンラインサロンのようなセミクローズのような環境で研究などの「実体験の支援」ができたらいいと思っています。
今って「臨床力を上げたい」「科学的思考を身に付けたい」「勉強がしたい」という理由で、とりあえず大学院に進む人も多いですよね。ただ、大学院の修士課程に進むとなると私立で100万円くらいかかりますし、その理由で進学するのは、僕はお金の無駄だと思っています。勿論、教員になりたい、研究者になりたい、等、学位が必要キャリアを目指す場合、話は別です。
それよりもオンラインサロンであれば月3,000~5,000円程度払っても2年間で10万円程度。それで研究的な思考や特別な体験をすることができれば、現状であれば臨床の質の向上に大幅な良影響を与えてくれると思いますし、もしかすると、その後、ビジネスの業界でも通用する人材になる可能性も出てきますよね。
ビジネスサイドで活躍する友人も特にマーケティングなどに関わる思考に関しては、「論理思考」「バイアス評価」「アウトカムの存在意義」という研究の必須スキルをしっかりと持っていることが非常に有利に働いているなという印象を感じていたりします。
特にビジネスという混沌とした中でも、データサイエンティストとしての研究思考には必ずニーズがあると思います。まぁ、もちろん、研究者やデータを見れる人間が全てビジネスで成功するなど現実的な話ではないですし、甘い世界ではないということもわかっています。結局、バックグラウンドの旬を見分けるバランス感覚があってこその成功、ですが、その上で研究に関わるスキルは、大きな武器になることは間違いないですよね。
科学的な思考を持った人を量産していけることができれば、結果的に療法士の価値自体が上がるんじゃないかと思っています。また、こういう試みの中で、僕が今までしてきた論理的思考のやり方や、体験を提供できる場を通して、僕が10年かかった進歩を5年で到達できるような援助ができるといいですよね。それは、今の若い療法士や学生にも言えることで、僕らよりもより早い速度である一定水準まで到達してくれれば、業界自体の地力の底上げにも繋がると思います。
次のページ▶︎ 保険外で作業療法士が働くのに、今のうちからやっておくべきこととは?