お買物ツアー@二子玉川が無事終了しました!
こんにちは!
先月、お買物ツアー@二子玉川が無事終了しました!
今回は、PT・OTのサポートスタッフさんがたっくさん!!
あるOTの女性から、
『病院という枠の中でセラピストとして働いていると、実際の生活を知ることはできない。分かっているつもりだったけど、自分のイメージ力のなさに衝撃でした』
と感想をいただきました。
お買い物って、単にお店を回るだけではないですよね。
いいなっと思ったら、値段を見て、
“確か下の階で、同じようなデザインでもっと安い服があった気がする…。”
“あ、でもサイズはこっちの方が良いのかな、とりあえず試着だけして…。”
なんて、行ったり来たりしながら回ります。
この行き来の面倒さ、空いているか・空けてくれるか分からないエレベーターを何本も待つ時間、これらはなかなかイメージしにくく、
実際に経験しないとその時の疲労や憤り、買えた時の喜びも、分からないものです。
車いすユーザーさんの悩み『上着』
今日は、この時期ならではの、車いすユーザーさんの悩みを、一緒にシュミレーションしていきましょう!
テーマは『上着』です。
この時期に上着?と思われるかもしれませんが、外気温の日内変動が大きく、また冷房の使用が始まった今だからこそ、体温調整が難しいという声が聞かれます。
さて早速、頭の中で、車いすに乗ってみましょう。
病院の備品にあれば、ぜひ実際に試してみてください。
薄手のブルゾンを着て家を出発し、映画館へ出かけてみましょう!
出発して5分も自操していると暑くなってきました。
駅まではあと3分…。
脱ぎますか??
脱いでみましょうか^^
道端でごそごそ…。車も通るし、歩道は路肩へ向かって下り坂になってますね。
一生懸命、車いすを固定しながら脱ぎます。
袖から腕を抜こうと上肢を伸ばした瞬間、ロードバイクがすれっすれをシュン!!
…さて、脱いだらどうしますか?
膝の上?落ちそう。
カバンの中?シワになる。
綺麗に畳んで車いすの後ろにかけた大きな手提げのなかへーー…届かない!
落ちそうなブルゾンを何度も膝の上で整え直しながら、なんとか駅へ着きました。
電車の中—…寒い、寒いです。
体温調整がしにくかったり、麻痺で四肢の末端が冷えやすい貴方は、着ますか?
満員電車の中で、もう1度、ブルゾンを。
あと5駅…多分、キンキンに冷えながらも我慢します。
また駅から映画館、ランチ場所、その後のショッピング…1日に何回も何回も、脱ぐか着るかの葛藤が必要です。
シュミレーションしただけでもグッタリしてしまう方も多いのではないでしょうか?
普段、私たちは何気なく行っている動作のため、あえて気にかけないことが多い場面です。
このようなことが、担当している患者さんの生活の中には沢山埋もれています。
動作1つを見ると自立していてOKでも、実際はそうでないことがとても多い。
臨床ではなかなかここまでは見れない現実があるかもしれませんが、このようなイメージをし続けると、普段の臨床に新しい視点が加わるのではないかと思います。
【P.S.】
結局ブルゾンに困ったけれど、じゃあどうすれば良いんだ!?!?という声が聞こえてきそうです。
1つの解決策としてこちら↓↓
アームウォーマーですね。
一昔前は“おばちゃんが使うモノ”でしたが、今はオシャレなデザインが沢山出ています。
Tシャツ1枚が、簡単に何通りにも表情を変えられるアイテムでもあるので、ファッションの幅も拡がりますね。
【目次】
岡野菜摘先生経歴
『大好きな服を着て 大好きな人と 大好きな場所へ』をモットーに、 理学療法士の知識と技術をファッションに混ぜ込みながら、ブログで発信。
また、デザイナーの鈴木綾と共に、イベント『車いすでお買い物ツアー』を実施中。 外出のきっかけ作りや、仲間作りを、ファッションを通して創造している。
選択肢を増やし、自ら選択することの楽しさを伝えることで、車いすユーザーが、 自分らしく生きることのできる社会を目指す。
ブログ:「あのモデルさんと同じ服が着られた!車椅子女子の表参道ファッション」
HP:「車いすファッションプロデュース」