ー 岩田先生の現在の活動を教えてください。
岩田先生 タイに進出を考えている日本の病院と契約し、市場調査をするため、病院や施設を巡ってヒアリングをしたりしています。
最近では、「タイ国内における福祉産業の市場規模及び、法制度に関する調査」ということで、どうしたら日本の福祉用具がタイで普及するか、市場規模はどれくらいなのかという委員会の委員もしています。
あとは、学生さんを中心になるべく早いうちに途上国のリハや文化に触れて、外から日本を見てみると言う機会を与えてあげたいという思いから現地でスタディーツアを企画しています。
去年から先進国であるオーストラリアのスタディーツアーも開催しており、12月にも第二回が予定されています。
みんながやっていることや、他の人ができることにはあまり興味がなくて自分自身にしかできない好きで得意なことを形にしていきたい思いが強くあります。
今後は、国際関係と、もう一つは排泄ケアの二本柱で活動していきたいと思っています。
ー 先ほど、「脳血管疾患の方の排泄動作」に関して研究をされていたという話をされていましたね。
岩田先生 排泄関係の悩みって日本ではタブーで話題にしにくいテーマですよね。
しかし、60歳以上の2人に1人に尿失禁があると報告されていますし、私たちが担当する患者・利用者は、何かしらの排泄トラブルを抱えていると思ったほうが良いと思います。
では、誰が相談役になっていけるかですが、患者さんと近い距離感で接する時間が長いリハ職がキーパーソンになってくるのではないかと思っています。
リハ職が正しい知識を持って、排泄に関する問題点をカンファレンスなどで共有し、多職種と連携しながら、排泄ケアに関して取り組んでいくいうことがすごく大切だなと思います。
これは、御願いなのですが、オムツの中で排尿する「排尿体験」を療法士は絶対に一度は経験した方がいいと思います。
パッドが濡れた状態で、座位をとったときどんな感触なのか、その状態で歩くと、どんな歩き方になるのか、排尿体験をして”あの感覚”を経験してしまうと、患者・利用者にその状態で運動療法させることが、どれだけ罪か分かると思います。
ー 尿失禁で悩んでいる方には、時間を決めてのトイレ誘導を行ったりすることが多いとは思いますが、それでもうまくいかないケースもあります。
岩田先生 まずは、排尿日誌をつけてみて、何時にどれくらいの尿が出たか、その時に尿意があったかなどを記載して、一回あたりの排尿量、回数、失禁の有無などを把握することが大切です。
そのほか、骨盤底筋体操などは腹圧性尿失禁に対して効果的ですので、合わせて訓練してもらってもよいかもしれません。
ー 岩田先生にとってのプロフェッショナルとは?
岩田先生 使命感を持って、自分にしかできないことを続けている人。
【目次】
第一回:タイで受けた洗礼
第二回:Made with Japan
第四回:排泄関係の悩み。日本ではタブー
第2回オーストラリアスタディーツアーのお知らせ
日時:12月10〜16日(ホテル6泊)
参加費:35〜40万円
募集人数:6名
オーストラリアでは、疼痛や機能障害を抱えた患者さんのファーストチョイスは、病院ではなく理学療法士が開業しているクリニックの場合が多いです。
そんなクリニックで理学療法士がどんなことをしているのか気になりませんか?
今回は、オーストラリアのパースで理学療法士として働く江戸先生中心にご案内していただきます。
観光も充実していますので、ぜひご応募ください。
定員に達し次第、締め切らせていただきます。
お問い合わせ先:http://kenji7.main.jp/(担当:岩田)
旅行会社名:名鉄観光サービス株式会社 名古屋伏見支店 担当:嶋田
岩田先生オススメの本
岩田研二先生プロフィール
学歴
2010年4月 - 2012年3月 藤田保健衛生大学大学院 保健学研究科
2008年4月 - 2010年3月 日本福祉大学 通信教育部 福祉経営学部
2004年4月 - 2007年3月 藤田保健衛生大学リハビリテーション専門学校 理学療法科
職歴
2015年10月 - 現在 医療福祉科学研究所
2013年7月 - 2015年9月 Phrapradaeng Home for Disabled People(青年海外協力隊)
2007年4月 - 2013年6月 医療法人松徳会花の丘病院
受賞歴
2013年4月 第24回理学療法ジャーナル賞 奨励賞
委員
課題解決型福祉用具実用化開発支援事業「タイ国内における福祉産業の市場規模及び法制度等に関する調査」検討委員会委員