歩行動作を改善するには:

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こんにちは。

Sportipのサイエンスチームの河村です。

本日は歩行動作を改善することの重要性とSportip Proを使った改善の方法について紹介したいと思います。歩行動作を改善して、身体の不調を未然に防ぎ健康な毎日を過ごす様にしましょう!

※Sportipはケガ・事故等に対して一切の責任は負いません。あくまでも自己管理の下、実施してください。

なぜ歩行動作を良くしなければならないのか?

「歩く姿勢を良くしましょう!」、「キビキビ歩きましょう!」これは、歩く姿勢が悪いとよく言われる言葉だと思います。

なぜ、この様に言われるのでしょうか?

これは、歩く姿勢が悪いと「だらしがない」、「自信がない」、「疲れていそう」とまわりに与える印象がマイナスになってしまうからです。さらに、見た目の印象だけではなく、身体にもさまざまな悪影響を及ぼすことがわかっています。ここで言う悪影響とは、特定の筋肉や関節に過度の負担をかけることで起こる問題のことです。

具体的には、歩く姿勢が悪いと①膝や足などの関節の痛み、②首や肩、腰などの筋肉の凝り、③呼吸筋活動に影響を与え息が浅くなる呼吸の問題、④転倒のリスクを高めるなどにつながります。そんな歩く姿勢の悪さが癖づいてしまっていると、それを改善することは困難になります。

つまり、歩く姿勢を改善することは、見た目の印象だけではなく、身体の不調を改善し、健康な毎日を過ごすためにとても重要です。このことから、現代社会において歩行動作の改善は、高齢者のみならず、若年層にとっても無視できない重要な課題になっているのです。

なぜ歩行動作が悪くなるのか?

人間が自立し、質の高い日常生活を送るには、疾病の予防だけでなく日常生活動作(activities of daily living: ADL)を低下させないことが重要です。大規模疫学研究から健康寿命の延長には運動機能のなかでも歩行の影響が大きいことがわかっており、歩行動作を維持することの重要性が強調されています(Sauvaget et al., 1999)。

では、なぜ歩行動作が悪くなるのでしょうか?

その原因には、加齢、運動不足、疾患(例:脳卒中後片麻痺患者のぶん回し歩行、パーキンソン患者の小刻み歩行)、怪我(例:膝などの怪我による中殿筋の筋力低下から起こるトレンデレンブルグ歩行、デュシャンヌ歩行)などがあります。

これらは、筋力の低下、関節の可動域制限、疼痛、バランス能力の低下に関係しており、歩行動作に悪影響を及ぼします。

歩行動作の不良による身体への影響

「なぜ歩行動作を良くしなければならないのか?」でも説明しましたが、歩く姿勢が悪いと①膝や足などの関節の痛み、②首や肩、腰などの筋肉の凝り、③呼吸筋活動に影響を与え息が浅くなる呼吸の問題、④転倒のリスクを高めるなどの問題につながります。それぞれ詳しく説明すると、

①膝や足などの関節の痛み

膝関節の痛み: 歩行時に膝外反アライメントが大きくなる様な歩行動作は、膝に不均一な負荷をかけることで、膝関節の痛みや関節炎のリスクを高めます(Hart et al., 2015)。

足の痛みと障害: 土踏まずの不適切な使用や足の内外への過度の傾きは、足の痛みや構造的な問題を引き起こす可能性があります。例えば、足底筋膜炎や外反母趾などが挙げられます。

②首や肩、腰などの筋肉の凝り

肩凝りや首の痛み: 歩行時に頭が前に突き出るなど、不自然な姿勢をとると、首や肩の筋肉に過剰な緊張が生じ、肩凝りや首の痛みにつながります。

腰や背中の凝りや張り: 歩く際にまっすぐ適切な姿勢を保てないと、腰から背中に不自然な力がかかり、腰から背中の凝りや張り、痛みの原因となります。特に、前かがみや反り腰の姿勢は腰椎に負担をかけます。

③呼吸筋活動に影響を与え息が浅くなる呼吸の問題

呼吸の問題: 頭部前傾姿勢のような首が前に出て背中が丸くなると呼吸筋活動に影響を及ぼし、呼吸が浅くなります(Han et al., 2016)。これにより、十分な酸素を体内に取り込むことができなくなり、歩行時に疲労感が増したり、日常生活において息切れが生じやすくなると推測されます。。

④転倒のリスクを高める歩行の問題

身体のバランスを崩し、転倒のリスクを高めます。特に高齢者においては、この問題は重大な問題です。なぜなら、転倒の47.3%は歩行中に発生します(Li et al., 2006)。さらに、転倒経験がある高齢者は転倒経験がない高齢者に比べて歩幅は短く、歩行速度は遅いという特徴を示します。そして、歩行速度の低下のみならず不安定な歩き方が転倒につながる可能性が示唆されています(Guimaraes et al ., 1980)。

以上のように、歩く姿勢が悪いと様々な身体の問題に影響するため、未然に防ぐことや既に歩く姿勢が悪ければ改善することが必要になります。

Sportip Proによる歩行解析の概要

歩く姿勢の悪さを改善するには、まず、適切に歩行解析をする必要があります。

歩行解析につながる評価の重要なポイントとして、「再現性がある適切な評価をすること」が挙げられます。さらに、この適切な評価のためには、歩行に関する知識やたくさんの動作解析をした経験が必要になります。日々の業務の中で膨大な時間をかけ続けなければなりません。

しかしながら、弊社プロダクトSportip Proを活用することで、この「評価」が一瞬で適切にできます!加えて、客観的な評価からデータの記録もし、後日振り返ることも可能です。Sportip Proを活用することで指導の価値向上や満足度・理解度の向上を実現できると考えています。

以下に弊社プロダクトである、Sportip Proによる歩行解析を紹介したいと思います。

正面

側面 

Sportip Proでは正面と側面の動画を最低でも「4歩」撮影するだけで、適切な評価をすることができます。

歩行解析では姿勢をいくつかに分類しています。以下の説明をもとに自分自身のタイプを確認し、特徴を知ることで、普段の生活で何に気をつけなければならないかを把握することができます。

※ Sportip Proにおける分類であり、参考にして頂ければ幸いです。

【分類】

正面

・ロースピード歩行:歩行速度が遅い

・骨盤右下がり歩行:骨盤が右に傾いている

・骨盤左下がり歩行:骨盤が左に傾いている

・ノーマル:上記に当てはまらない

側面

・ロースピード歩行:推進力(歩行速度、歩幅、歩行率から算出)が低い

・すり足歩行:歩行姿勢(最小つま先クリアランス、膝関節最大屈曲角度から算出)が悪い

・小股歩行:歩行姿勢(股関節最大伸展角度、足関節最大底屈角度から算出)が悪い

・不安定歩行:安定性(歩幅の変動から算出)が悪い

・左右アンバランス歩行:左右差(歩幅の左右差から算出)が悪い

・ノーマル:上記に当てはまらない

また、上記の分類だけではなく、より細かく指標を算出し、歩行解析することが可能です。

例えば、正面では「推進力」「安定性」「左右差」を評価することができ、側面では、正面の評価項目に加え、「歩容」を評価することができます。さらに、通常ではわかりにくい上下動の軌跡を図にして表示することもできます。

上記の指標には、全て基準値と点数が紐づいています。そうすることで、自分の歩く姿勢を知るだけでなく、点数で過去の歩行と現在の状態を比較することが可能です。

このように多くの指標を評価することができるため、身体の問題を細かく評価することができます。これにより、個人に最適化された施術やトレーニング内容を考えることが可能になります。

以下、評価項目の構成要素になります。

【評価項目の構成要素】

推進力

・歩幅

・歩行速度

・歩行率

安定性

・頭の上下動

・体幹の上下動

・右足の上下動

・左足の上下動

・歩幅の変動(側面のみ)

左右差

・頭の傾き

・体幹の傾き医

・骨盤の傾き

・歩幅の左右差(側面のみ)

歩容(側面のみ)

・股関節

 最大屈曲角度

 最大伸展角度

・膝関節

 最大屈曲角度

 最大伸展角度

・足関節

 最大底屈角度

 最大背屈角度

・最小つま先 クリアランス

実際のフィードバックの内容とトレーニングメニュー

次に、私を被写体にして歩行解析を実施した際の「フィードバック」と「トレーニング」の内容を見ていきましょう!

【正面の歩行動作解析結果とフィードバック】 

疲れが溜まっている日に歩行動作を撮影したら、以上の様になりました。

この状態に対して、以下のトレーニングプランを提案してくれました。

【歩行動作を改善するトレーニングのプラン】 

このおすすめされたトレーニングを2週間行った結果、課題点は改善し、59点から81点と点数の向上がありました!

以上のように、「Sportip Pro」を活用することで適切な評価が一瞬でできます。この歩行解析から細かく評価して課題点を見つけ、それに対してアプローチすることで指導の価値向上や満足度・理解度の向上を実現できると考えています。加えて、客観的な評価からデータの記録もし、後日振り返ることも可能です。

ぜひ、このブログを見ている皆さんも「Sportip Pro」を活用し、歩行解析から課題点を把握し、身体の不調を改善して、健康な毎日を過ごす様にしましょう!

採用について

Sportipはヘルスケア・フィットネス・スポーツの運動指導を変革するため、研究開発から複数のサービスを展開していきます。そのためにも、理学療法士を始め、医療現場で活躍している方々の経験やスキルが必要です。自身の臨床経験を生かして、現場で感じた課題意識をもとにプロダクト開発に携わってみたい、動作解析を現場でもっと手軽に使えるようにしたい、という思いのある方を募集しています。

最後になりますが、Sportipに少しでもご興味のある方は下記のリンクからご応募ください。

https://herp.careers/v1/sportip

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