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傾聴で築く“その人らしさ”を支える看護

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訪問看護ステーションspito-スピット-は熊本県熊本市東区に拠点を構え、Spin tommorrow「明日につむぐ」という言葉に由来を持つ地域に根差した訪問看護ステーションです。従来の看護ケアに加え、PT /OT/STとの連携やアロマケアなどの特色のあるサービス提供を行なっている事業所です。今回は看護師として、また、チームを率いるマネージャーとして活躍されている田上さんにスピットで働くことの魅力や大事にしていることについてお話を伺いました。

インタビュアー
本日はインタビューの機会をいただき、ありがとうございます。まずは田上さんがこれまでどのようなキャリアを歩んできたのかを教えていただけますか?

 

田上さん
私は病棟で3年間勤務した後、小児科クリニックで20年働いていました。その後、クリニックが移転することをきっかけに、勤務場所の都合で転職を決意し、8年前にEMIASに入職しました。転職理由は、まず「土日休み」だったところですね。笑

 

田上さん
また、仕事内容としても、これまでの職場では、患者様とも毎日忙しくばたばたしており、患者に十分に向き合うことができていませんでしたが、訪問看護では1人1人に寄り添う時間がしっかり取れる点は魅力に感じ、やってみようと思って入職しました。

インタビュアー
ありがとうございます。さまざまなご経験を経てEMIASに入職されていると思いますが、田上さんがご利用者さんと向き合う際に大切にされていることや、心がけているスタンスについて教えていただけますか?

 

田上さん
一番大切にしているのは“傾聴”です。利用者さんが何を思っているのか、どんなことを求めているのかをじっくり聞くことが基本だと思っています。それに加えて、指導が一方的にならないようにも心がけています。その上で、利用者さん一人ひとりに合ったアプローチを考えることが重要だと感じています。

 

インタビュアー
傾聴と一方的な指導をしない、というのは素敵なスタンスですね。具体的にどのような経験からそのように考えるようになったのでしょうか?

 

田上さん
病院勤務時代の経験が大きいです。以前勤めていた病院では、教育入院という形で患者さんに厳しく指導することが多かったんです。もちろんそれは必要なことでしたが、「なんでできなかったの?」とか「前に教えましたよね?」と強い言葉を使ってしまうこともありました。当時はそれが正しいと思っていましたが、訪問看護の現場に移ってから、その方法では信頼関係が築けないと実感しました。

 

インタビュアー
訪問看護では利用者さんの生活空間に入る立場になりますから、アプローチも変わってきますね。

 

田上さん
そうなんです。病院では患者さんが「治療を受けるために来る」立場ですが、訪問看護では私たちが「利用者さんの生活にお邪魔する」立場になります。

 

田上さん
その違いを意識しないと、利用者さんが「もう来なくていい」と感じてしまうこともあります。実際に他のスタッフが「もう来なくていい」と言われたケースもありました。

 

田上さん
その理由を聞いてみると、傾聴が足りなかったり、指導が一方的すぎたりすることが原因だったりするんです。

 

インタビュアー
そのような経験を通じて、田上さん自身も傾聴をさらに意識されるようになったのですね。訪問看護に移られて、特に印象に残っているエピソードはありますか?

 

田上さん
いくつかありますが、特に印象深いのは、末期の病気を患った方のケースです。その方は「最期は家で迎えたい」とおっしゃったんですが、ご家族は「家では無理だろう」と半ば諦めていました。

 

田上さん
そこで私たちが環境調整や家族への指導を行い、結果的にその方は家で過ごされることができました。

 

田上さん
ご家族も「こんなことができるなんて思っていなかった」とおっしゃっていました。この経験は、私自身にとっても大きな自信となっています。

 

インタビュアー
それは感動的なエピソードですね。家で最期を迎えたいという思いを実現することは、利用者さんにとってもご家族にとっても大きな意味がありますよね。

 

田上さん
本当にそう思います。病院勤務時代は「帰りたい」と言われても、「今の状態では無理です」とお断りするしかないケースが多かったんです。その時のもどかしさがあったからこそ、訪問看護ではできる限り利用者さんの希望を叶えたいという気持ちが強いのかもしれません。

 

インタビュアー
過去の経験が現在の田上さんの姿勢に大きく影響を与えているんですね。では、田上さんが看護師を目指されたきっかけについても教えていただけますか?

 

田上さん
祖父が心不全で入退院を繰り返していた時に、看護師さんが祖父に優しく接してくれる姿を見て、「自分もこういう仕事がしたい」と思ったのがきっかけです。当時は看護師と保育士で悩んでいたんですが、最終的には看護師として患者さんを元気にする姿に憧れて進路を決めました。

 

インタビュアー
原体験として、祖父とのエピソードがあったんですね。その思いが今の田上さんの支えになっているように感じます。

 

田上さん
そうですね。原点に立ち返ると、やはり「誰かの力になりたい」という思いが一番の原動力になっていると思います。

 

インタビュアー
素敵なお話です。田上さんは現在、職場でのスタッフとの関係性についてはどのようにお考えですか?

 

田上さん
以前はスタッフ同士で昼休みに一緒にご飯を食べたり、飲みに行ったりして、ざっくばらんに話せる関係性がありました。でもコロナ禍以降、みんなが忙しくなってしまい、そうした時間が減ってしまいました。今は仕事の話ばかりになってしまっているので、そこは変えていきたいですね。

 

インタビュアー
職場の雰囲気をもっと和やかにしたいという思いが伝わってきます。

 

田上さん
そうですね。他愛のない話をする時間があれば、仕事のコミュニケーションもスムーズになると思います。関係性が良いと、有給の相談もしやすくなると思いますし、そうした空気を作っていけたらと考えています。

 

インタビュアー
では最後に、田上さんが考えるEMIASの未来について教えてください。

 

田上さん
EMIASはどんどん成長していますが、規模が大きくなったとしても、これまでのアットホームな雰囲気が失われないようにしたいです。会社が大きくなることで、より多くの利用者さんの支援ができるようになりますし、それはとても素晴らしいことだと思います。その一方で、スタッフ同士のつながりを深め、働きやすい環境を維持することも重要だと感じています。

 

インタビュアー
田上さんのような方がいらっしゃることで、利用者さんもスタッフも安心して過ごせる環境が作られているのだと思います。本日は貴重なお話をありがとうございました!

 

田上さん
こちらこそ、ありがとうございました。
傾聴で築く“その人らしさ”を支える看護

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