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四病院団体協議会が医師働き方改革の影響調査結果を提出|宿日直許可取得は74.2%に増加

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四病院団体協議会は9月18日、2025年度医師の働き方改革に関する状況調査の結果を厚生日比谷クラブ合同庁舎19階に提出した。調査は四病院団体協議会(4団体)が実施、医師の働き方改革制度開始から1年が経過した現在の地域医療への影響を把握することを目的としている。

調査概要と回答状況

調査は一般社団法人日本病院会、公益社団法人全日本病院協会、公益社団法人日本精神科病院協会、一般社団法人日本医療法人協会の4団体が合同で実施した。対象は各団体の会員病院5,149病院で、調査期間は2025年6月18日から7月31日まで。Eメールおよびファックスによる調査票の配布・回収により、818病院から回答を得た。回答率は15.9%だった。

宿日直許可の取得状況が改善

調査結果によると、病院全体で宿日直許可を取得している病院は74.2%となり、前回調査(令和6年)の70.1%から4.1ポイント増加した。一方、宿日直許可を取得していない病院は3.4%で、前回の10.6%から7.2ポイント減少した。

医師の診療への関与に変化

宿日直中の医師の診療への関与について、医師の働き方改革施行前と比較した変化を尋ねた結果、入院中の患者の急変への対応は78.5%が「変化なし」と回答した。しかし、外来患者の時間外受診への対応では、かかりつけ患者で8.7%、かかりつけ患者以外で10.7%が「減少した」と回答した。

関与が減少した理由として、宿日直中の業務が軽度なものに限定されて時間外手当の対象業務が明確になったことや、夜間の電話対応のファーストコールを看護師が行うようになり医師の対応が減少したことなどが挙げられた。

医師の労働時間水準はA水準が大多数

医師の時間外・休日労働時間の水準については、92.7%の病院が「A水準」を選択していると回答した。

医師派遣への影響が拡大

医師派遣に関しては、主に医師派遣を行う病院の64.9%が「医師派遣の中止・削減を行う可能性はない」と回答した一方、「場合により中止・削減を検討する」が12.3%、「すでに中止・削減を行っている」が7.0%と一定数存在した。

主に医師を受け入れている病院では、69.5%が「特に影響はない」と回答したが、前回調査と比較して派遣中止・削減の連絡を受けた病院は9.3%から21.3%へと12ポイント増加した。「派遣を中止すると連絡があった」病院は3.6%から7.6%に、「派遣数・回数を削減すると連絡があった」病院は5.7%から13.7%に増加している。

診療体制への影響が顕在化

医師の働き方改革推進に伴う診療体制への影響について、50.1%が「影響は生じていない」と回答したものの、「自院で影響が生じている」が11.6%、「今後自院で影響が生じる可能性がある」が23.3%となった。また、「自院では生じていないが、地域で影響が生じている」が4.6%、「今後地域で影響が生じる可能性がある」が10.3%と回答した。

自院への影響として最も多く挙げられたのは「宿日直体制の維持が困難」で71.0%に達した。次いで「外来診療体制の縮小・撤退」が37.4%、「救急医療の縮小・撤退」が35.3%となっている。

地域医療への影響では「救急医療体制の縮小・撤退」が67.2%で最多となり、「外来診療体制の縮小・撤退」が35.2%、「小児医療体制の縮小・撤退」が26.2%と続いた。

調査結果は医師の働き方改革制度の運用から1年が経過し、宿日直許可の取得は進んでいるものの、医師派遣や診療体制に一定の影響が生じていることを示している。

引用資料:「2025年度 医師の働き方改革に関する状況調査」(日本病院会他4団体、2025年9月18日提出)

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