キャリアコンサルタントが徹底サポート

医療・福祉業界で深刻な人手不足ー主要12産業の中で4番目の高水準

426 posts

 —— 労働経済動向調査、働き方改革の取り組みも進む ——

厚生労働省は24日、労働経済動向調査(令和7年8月)の概況を発表した。調査結果によると、「医療,福祉」分野では労働者不足が深刻で、正社員等労働者過不足判断D.I.(不足超過を示す指標)が54ポイントと全産業で4番目に高い水準となった。

医療・福祉、全産業平均を大幅に上回る人手不足

正社員等労働者の過不足状況をみると、調査産業計では46ポイントの不足超過となる中、「医療,福祉」は54ポイントと8ポイント上回った。他の産業と比較すると、「建設業」59ポイント、「情報通信業」57ポイント、「運輸業,郵便業」56ポイントに次ぐ高い水準となっている。

パートタイム労働者については、「医療,福祉」の過不足判断D.I.が33ポイントと、調査産業計の27ポイントを6ポイント上回った。特に人手不足感が高い業種は「サービス業(他に分類されないもの)」の48ポイント、「宿泊業,飲食サービス業」の42ポイントとなっている。

雇用はプラス圏を維持、働き方改革も進展

雇用動向では、正社員等雇用判断D.I.(令和7年7~9月期実績見込)において「医療,福祉」は1ポイントとなった。調査産業計の5ポイントは下回るものの、小幅ながらプラス圏を維持している。

働き方改革の取り組みでは、「医療,福祉」で長時間労働の是正や多様で柔軟な働き方の実現に「取り組んでいる」事業所の割合が73%となった。調査産業計の78%をやや下回るが、7割を超える事業所で取り組みが進んでいる。

取り組み内容では「業務の効率化を進める」が65%で最も多く、次いで「時間外労働の事前申告制」60%、「ノー残業デーの徹底」19%となっている。調査産業計と比較すると、業務効率化の取り組み割合がやや低い一方、時間外労働の管理に重点を置く傾向がみられる。

人手不足への対応策

労働者不足への対応状況をみると、「医療,福祉」では対応した事業所の割合が72%となった。具体的な対応内容では「中途採用の開始・拡大・強化」66%、「新規学卒者の採用の開始・拡大・強化」50%、「在職者の労働条件の改善(賃金)」35%が上位となっている。

同一労働同一賃金などの公正な待遇確保に向けた取り組みでは、「医療,福祉」で「取り組んでいる又は取り組んだ」事業所が63%となった。取り組み内容では「基本給」47%、「諸手当」58%、「福利厚生」46%の順となっている。

今回の調査は令和7年8月1日現在の状況について、全国の民営事業所5,786事業所を対象に実施し、3,253事業所から有効回答を得た(回答率56.2%)。

▶︎労働経済動向調査(令和7年8月)の概況

医療・福祉業界で深刻な人手不足ー主要12産業の中で4番目の高水準

最近読まれている記事

企業おすすめ特集

編集部オススメ記事