A246 / 第1章 第2部 入院料等 / 入院基本料等加算

入退院支援加算

退院困難な要因がある患者で、入院前から退院支援を行う体制を評価する加算。1=退院時1回 700点(入退院支援加算1のイ・退院支援加算1のロ等の区分あり)、2・3も区分あり。令和8年度改定では退院困難な要因として「家族・親族との連絡が困難であること」が追加(疑義解釈その2 問24)、地域連携診療計画加算等の見直しが行われました。

編集部注記本ページは厚生労働省の告示・通知・疑義解釈資料を編集部が整理したものです。改定前=令和6年6月1日〜令和8年5月31日、改定後=令和8年6月1日施行。最終的な算定可否は厚労省発出資料および所管の地方厚生局にご確認ください。
改定の要点(5点)
  • 入退院支援加算1に「ロ」を新設(1,000点):従来の「イ(一般病棟)/ロ(療養病棟)」が「イ(一般病棟)/ロ(地域包括医療病棟・回復期リハビリ病棟・地域包括ケア病棟)/ハ(療養病棟)」の3区分に再編。
  • 退院困難な要因に「家族・親族との連絡が困難」を追加(タ):意思決定支援や退院後の生活調整を行うに当たって、家族や親族との連絡が困難な患者が新たに対象に。
  • 情報提供加算(注5)を新設(200点):他の保険医療機関・精神障害者施設・介護老人保健施設等に対し、退院後の治療計画・検査結果・画像情報等を添付して情報提供を行った場合に算定可。
  • 入院事前調整加算(注10)を新設(200点):重度の障害福祉サービス利用患者等に対し、入院前に患者・家族等及び障害福祉サービス事業者等と事前調整を行った場合に算定。
  • 施設基準で「家族等の面会を妨げてはならない」を明記:感染対策等の正当な理由なく入院中の患者と家族等との面会を妨げないことが要件化。

基本情報(令和8年度改定後)

算定点数(退院時1回)

令和8年6月1日施行
区分点数
入退院支援加算1
イ 一般病棟入院基本料等の場合700
ロ 地域包括医療病棟・回復期リハビリ病棟・地域包括ケア病棟の場合新設1,000
ハ 療養病棟入院基本料等の場合1,300
入退院支援加算2
イ 一般病棟入院基本料等の場合190
ロ 療養病棟入院基本料等の場合635
入退院支援加算3
1,200
関連加算(個別に併算可能)
地域連携診療計画加算(注4)300
情報提供加算(注5)新設200
特定地域加算(注6)95点 又は 318点
小児加算(注7、15歳未満)200
入院時支援加算1(注8イ)240
入院時支援加算2(注8ロ)200point
総合機能評価加算(注9)50
入院事前調整加算(注10)新設200

注書きまとめ(全10注、改定後)

算定の要件・加算
  • 注1(加算1の要件):施設基準適合機関で、退院困難要因を有する入院患者で在宅療養を希望する者に対し入退院支援を行った場合、又は連携医療機関で当該加算を算定した患者の転院を受け入れて入退院支援を行った場合に、退院時1回算定。
  • 注2(加算2の要件):加算1に準ずる入退院支援を行った場合に算定。
  • 注3(加算3の要件):新生児集中治療室等から退院する小児等の入退院支援を行った場合に算定。
  • 注4(地域連携診療計画加算):施設基準適合機関で退院時1回 300点。B003(開放型病院共同指導料Ⅱ)・B005(退院時共同指導料2)・B005-1-2(介護支援等連携指導料)・B009(診療情報提供料Ⅰ)・B011(連携強化診療情報提供料)とは併算定不可。
  • 注5(情報提供加算)新設:患者の同意を得て、別の保険医療機関・精神障害者施設・介護老人保健施設・介護医療院等に対し、退院後の治療計画・検査結果・画像情報等を添付して情報提供を行った場合、200点を加算。
  • 注6(特定地域加算):医療提供体制の確保が困難な地域の届出機関で、注2に代えて 95点又は318点 を加算。
  • 注7(小児加算):加算1又は加算2を算定する患者が15歳未満の場合、200点を加算。
  • 注8(入院時支援加算):入院前に支援を行った場合、内容に応じて イ:240点(入院時支援加算1)、ロ:200点(入院時支援加算2)を加算。
  • 注9(総合機能評価加算):基本的日常生活能力・認知機能・意欲等を総合評価した上で入退院支援を行った場合、50点を加算。
  • 注10(入院事前調整加算)新設:重度障害患者等で、入院前に患者・家族等及び障害福祉サービス事業者等と事前調整を行った場合、200点を加算。

退院困難な要因(全16項目、改定後)

通知(2)アからタ ※「タ」が改定で新規追加
  1. 悪性腫瘍、認知症又は誤嚥性肺炎等の急性呼吸器感染症のいずれかであること
  2. 緊急入院であること
  3. 要介護状態であるとの疑いがあるが要介護認定が未申請であること若しくは要支援状態であるとの疑いがあるが要支援認定が未申請であること又は現に認定を受けている要介護状態区分若しくは要支援状態区分以外の区分に該当する疑いがあるが変更の申請がされていないこと
  4. コミュニケーションに特別な技術が必要な障害を有する者
  5. 強度行動障害の状態の者
  6. 家族又は同居者から虐待を受けている又はその疑いがあること
  7. 生活困窮者であること
  8. 入院前に比べADLが低下し、退院後の生活様式の再編が必要であること
  9. 排泄に介助を要すること
  10. 同居者の有無に関わらず、必要な養育又は介護を十分に提供できる状況にないこと
  11. 退院後に医療処置(胃瘻等の経管栄養法を含む。)が必要なこと
  12. 入退院を繰り返していること
  13. 入院治療を行っても長期的な低栄養状態となることが見込まれること
  14. 家族に対する介助や介護等を日常的に行っている児童等であること
  15. 児童等の家族から、介助や介護等を日常的に受けていること
  16. 患者の意思決定支援や退院後の生活に向けた調整を行うに当たって、家族や親族との連絡が困難であること改定で追加

施設基準(入退院支援加算1)

第26の5の1 入退院支援加算1の主要要件
項目要件
入退院支援部門の設置入退院支援及び地域連携業務を担う部門が設置されていること
面会への配慮改定で追加感染対策等の正当な理由なく、入院中の患者に対する家族等による面会を妨げてはならない。やむを得ず制限する場合も必要以上に厳格にしないこと
専従の看護師又は社会福祉士入退院支援部門に、十分な経験を有する専従の看護師又は専従の社会福祉士が1名以上。専従の看護師配置時は専任の社会福祉士を、専従の社会福祉士配置時は専任の看護師を配置
病棟への専任配置入退院支援に専従する看護師又は社会福祉士が、対象病棟に専任で配置(1人につき2病棟・計120床まで)
連携機関数転院・退院体制についてあらかじめ協議した連携機関(医療機関・介護事業者・障害福祉事業者等)が25以上

届出様式

  • 別添7 様式40の9:入退院支援加算の届出
  • 別添2 様式12:地域連携診療計画加算の届出(注4)

改定前後の対比

1. 入退院支援加算1の区分構造 ─ 「ロ」を新設
改定前改定後
区分・点数
イ 一般病棟入院基本料等 700
ロ 療養病棟入院基本料等 1,300
3区分化 イ 一般病棟入院基本料等 700(据置)
ロ 地域包括医療病棟・回復期リハビリ病棟・地域包括ケア病棟 1,000(新設)
ハ 療養病棟入院基本料等 1,300(据置)
中医協答申(短冊)原文 ─ 入退院支援加算1の3区分化出典: 個別改定項目について Ⅱ-2-2-①

改定後

注1に規定する入退院支援加算1
イ 一般病棟入院基本料等の場合 700点
ロ 地域包括医療病棟入院料、回復期リハビリテーション病棟入院料及び地域包括ケア病棟入院料の場合 1,000点
ハ 療養病棟入院基本料等の場合 1,300点

改定前(現行)

注1に規定する入退院支援加算1
イ 一般病棟入院基本料等の場合 700点
ロ 療養病棟入院基本料等の場合 1,300点

出典: 厚生労働省「個別改定項目について」(中医協答申資料)Ⅱ-2-2-① 入退院支援加算等の見直し
2. 退院困難な要因 ─ 「家族連絡困難」(タ)を追加
改定前(全15項目)改定後(全16項目)
対象要因
ア〜ソの15項目(悪性腫瘍・認知症・緊急入院・要介護未申請・コミュニケーション障害・強度行動障害・虐待・生活困窮・ADL低下・排泄介助・養育介護不十分・医療処置必要・入退院反復・低栄養・ヤングケアラー等) 1項目追加 ア〜ソは据置 + タ「患者の意思決定支援や退院後の生活に向けた調整を行うに当たって、家族や親族との連絡が困難であること」を新規追加
中医協答申(短冊)原文 ─ 退院困難要因の追加出典: 個別改定項目について Ⅱ-2-2-①

改定後 ─ 通知(2)タ(新規追加)

タ 患者の意思決定支援や退院後の生活に向けた調整を行うに当たって、家族や親族との連絡が困難であること

改定前(現行)

該当条文なし(15項目まで)

出典: 厚生労働省「個別改定項目について」(中医協答申資料)Ⅱ-2-2-① 入退院支援加算等の見直し
3. 情報提供加算(注5) ─ 新設
改定前改定後
加算の存在・点数
該当なし 新設 情報提供加算 200
対象
退院後の治療計画・検査結果・画像診断に係る画像情報その他必要な情報を、別の保険医療機関・精神障害者施設・介護老人保健施設・介護医療院に文書で添付提供する場合
4. 入院事前調整加算(注10) ─ 新設
改定前改定後
加算の存在・点数
該当なし 新設 入院事前調整加算 200
対象
別に厚労大臣が定める患者(重度障害患者等)に対し、入院前に患者・家族等及び在宅生活を支援する障害福祉サービス事業者等と事前に入院中支援に必要な調整を行った場合
5. 施設基準 ─ 面会への配慮を要件化
改定前改定後
家族等の面会に関する規定
(明文化なし) 追加 感染対策等の正当な理由なく、入院中の患者に対する家族等による面会を妨げてはならない。やむを得ず面会の制限を行う場合にあっても、当該制限が必要以上に厳格なものとならないよう配慮すること

留意事項通知 抜粋(保医発0305第6号)

A246 (1) 入退院支援加算の趣旨
入退院支援加算は、患者が安心・安全に退院し、早期に住み慣れた地域で療養や生活を継続できるよう、入院早期から退院困難な要因を有する患者を抽出して入退院支援を行う体制を評価したもの。
A246 (2) 退院困難な要因(タ)の判断基準改定追加
患者との意思疎通が困難であり患者の治療方針等に関する意思決定支援のために家族や親族との連絡を行う必要がある場合、又は患者の退院後の生活に向けた調整のために家族や親族との連絡を行う必要がある場合であって、患者本人への確認や、患者が入院前に利用していた医療・介護・福祉サービス事業者・行政機関等への照会を行う等によって家族や親族を特定する努力を行ったにもかかわらず、家族や親族が特定できない場合や、家族や親族への相談を本人や当該家族・親族が拒んでいる場合を指す(疑義解釈その2 問24)。
A246 (3) 情報提供加算(注5)の留意点
退院後の治療計画・検査結果・画像情報等を、患者の同意の下に別の保険医療機関・精神障害者施設・介護老人保健施設・介護医療院に文書で添付提供する場合に200点加算。提供文書は別途定められた様式又は同様の事項を記載したもの。
A246 (4) 入院事前調整加算(注10)の留意点
重度障害福祉サービス利用患者等に対し、入院前に患者・家族等のみならず在宅で当該患者を支援する障害福祉サービス事業者等と事前に入院中の支援に必要な調整を行った場合に200点加算。
A246 (5) 専従配置の明確化
入退院支援加算と精神科入退院支援加算の両方を届出する場合は、入退院支援部門の専従職員配置についてそれぞれの算定要件を満たすこと(改定で明確化)。

関連する疑義解釈 Q&A(原典抜粋)

Q 「A246」入退院支援加算の対象患者について、「家族や親族との連絡が困難であること」が令和8年度診療報酬改定で新たに追加されたが、具体的にどのような場合を指すのか。
A 患者との意思疎通が困難であり患者の治療方針等に関する意思決定支援のために家族や親族との連絡を行う必要がある場合又は患者の退院後の生活に向けた調整を行うために家族や親族との連絡を行う必要がある場合であって、患者本人への確認や患者が入院前に利用していた医療・介護・福祉サービスの事業者、行政機関等への照会を行う等によって家族や親族を特定する努力を行ったにもかかわらず、家族や親族が特定できない場合や、家族や親族への相談を本人や当該家族・親族が拒んでいる場合を指す。
出典: 疑義解釈資料(その2)別添1 問24(令和8年3月31日付事務連絡)
Q 「A246」入退院支援加算1のロ(地域包括医療病棟・回復期リハビリ病棟・地域包括ケア病棟の場合)について、入院初期から該当病棟で算定する患者が対象か。
A 退院時の入院料区分により判断する。退院時に該当病棟入院料を算定している場合、入退院支援加算1のロを算定する。
出典: 疑義解釈資料(その1)該当問(令和8年3月23日付事務連絡)※詳細は原典参照

厚生労働省 一次資料

本ページは厚生労働省が公表した告示・通知・疑義解釈資料を編集部が整理したものです。 個別具体的な算定の可否や施設基準の充足判断については、所管の地方厚生局またはお手元の保険医療機関の事務担当者にご確認ください。 記載内容は最新情報を反映するよう努めていますが、最終的な解釈は厚生労働省の発出資料をご確認ください。

算定点数・要件・期間等は告示原文(令和8年厚労省告示第69号)、留意事項通知(保医発0305第6号)、施設基準通知(保医発0305第8号)、疑義解釈資料(その1〜その4)を一次資料として確認。PT-OT-ST.NET該当ページとのクロスチェックを実施。

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