A308 / 第1章 基本診療料 / 第2部 入院料等 / 特定入院料

回復期リハビリテーション病棟入院料

脳血管疾患・大腿骨頸部骨折・廃用症候群等の発症後早期からのリハビリテーションを集中的に提供する回復期リハビリテーション病棟の入院料。令和8年度改定では 1日あたり100点前後の点数引き上げ(入院料1: 2,229点→2,346点等)、回復期リハ強化体制加算(80点)の新設、重症患者の対象に高次脳機能障害・脊髄損傷を追加、リハビリテーション実績指数の基準値見直し、退院時改善割合要件の削除、土日含めたリハ提供体制の要件化、退院前訪問指導料の出来高算定可能化など、リハ職にとって主戦場の改定が広範に行われた項目です。

編集部注記本ページは厚生労働省の告示・通知・疑義解釈資料を編集部が整理したものです。改定前=令和6年6月1日〜令和8年5月31日、改定後=令和8年6月1日施行。最終的な算定可否は厚労省発出資料および所管の地方厚生局にご確認ください。なお、PT-OT-ST.NETの該当ページとクロスチェックを実施しましたが、リハビリテーション実績指数等の数値で部分的に不一致が見られたため、本ページは告示原文(令和8年厚労省告示第69号)および中医協答申(短冊)の記述を一次資料として記載しています。
改定の要点(6点)
  • 全区分で点数引き上げ:入院料1=2,229点→2,346点(+117)、入院料2=2,166点→2,274点(+108)、入院料3=1,917点→2,062点(+145)、入院料4=1,859点→2,000点(+141)、入院料5=1,696点→1,794点(+98)、医療管理料=1,859点→1,960点(+101)。
  • 回復期リハビリテーション強化体制加算(注4)を新設:入院料1のみ、1日80点。要件はリハ実績指数48以上、退院前訪問指導の十分な実績、排尿自立支援加算届出。
  • 重症患者の対象に「高次脳機能障害」「脊髄損傷と診断された患者」を追加。FIM得点の定義も「55点以下」→「21点以上55点以下」に下限追加。一方で退院時改善割合の要件(重症患者の3割以上が改善)を削除
  • 重症患者割合・実績指数の基準値見直し:入院料1=4割→3割5分(重症割合下げ)・40→42(実績指数上げ)、入院料3=3割→2割5分(下げ)・35→37(上げ)、入院料2・4は実績指数を独自基準化(2=32、4=32)。
  • 土曜・休日含む全日リハビリ提供を入院料1〜4で要件化。土曜・休日の1日あたり提供単位数も平均3単位以上(改定前は休日2単位以上)に。休日リハビリテーション提供体制加算(60点)の対象は入院料5・医療管理料に縮小
  • 退院前訪問指導料(B007)が出来高算定可能に。ただしH003-2リハビリ総合計画評価料の入院時訪問指導加算とは併算定不可。FIM測定の研修会(年1回以上)が入院料1〜4で必須化、地域支援事業協力体制も入院料1〜4で必須化、口腔管理体制は入院料3・4で「望ましい」に拡大。

基本情報(令和8年度改定後)

算定点数(1日につき)

令和8年6月1日施行
区分 点数(生活療養を受ける場合の点数)
回復期リハ病棟入院料12,346(生活療養 2,326点)
回復期リハ病棟入院料22,274(生活療養 2,253点)
回復期リハ病棟入院料32,062(生活療養 2,041点)
回復期リハ病棟入院料42,000(生活療養 1,980点)
回復期リハ病棟入院料51,794(生活療養 1,774点)
回復期リハ入院医療管理料1,960(生活療養 1,940点)

※ 入院料5は算定開始から2年(他病棟から転換は1年)を超えると100分の80に減額。

注書きまとめ(注2〜注4、改定後)

主な加算と特例
  • 注2(休日リハビリ提供体制加算 60点):入院料5・入院医療管理料を算定する患者に対し、施設基準を満たす場合に1日60点を加算。改定前は入院料3・4・5・医療管理料が対象だったが、入院料1〜4は休日含む全日リハ提供が要件化されたため、加算対象から除外された。
  • 注4(回復期リハビリテーション強化体制加算 80点)新設:入院料1を算定する病棟で、別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす場合、1日80点を加算。要件は①入院料1の施設基準を満たす ②リハビリテーション実績指数48以上 ③退院前訪問指導の十分な実績 ④排尿自立支援加算届出。
  • 注5(入院料5の段階減額):算定開始から2年(回復期リハ病棟入院料1〜4を算定していた病棟は1年)を超えて算定する場合は100分の80に減額。

主な施設基準(改定後)

入院料1〜5・医療管理料の主要要件
項目 基準
回復期リハ病棟入院料1
重症患者割合新規入院患者のうち3割5分以上(改定前4割以上から下げ)
リハ実績指数42以上(改定前40以上から上げ)
休日リハ提供土日含め全日リハ提供できる体制(土曜・休日の提供単位数も平均3単位以上)
FIM測定研修年1回以上開催(必須)
地域支援事業協力体制を確保していること(必須)
口腔管理体制整備していること(必須)
回復期リハ病棟入院料2
重症患者割合入院料1の規定を満たす(3割5分以上)
リハ実績指数32以上(独自基準、改定前は入院料1の40以上を満たす規定だった)
その他入院料1の主要要件を満たす(休日リハ提供、FIM研修、地域支援事業、口腔管理)
回復期リハ病棟入院料3
重症患者割合新規入院患者のうち2割5分以上(改定前3割以上から下げ)
リハ実績指数37以上(改定前35以上から上げ)
休日リハ提供休日含め週7日リハ提供できる体制
地域支援事業協力体制を確保していること(改定で新設要件)
口腔管理体制整備が望ましい(改定で追加)
回復期リハ病棟入院料4
主な要件入院料3のイ〜ト・リを満たす + リハ実績指数32以上
回復期リハ病棟入院料5
期間算定開始から2年(他から転換は1年)を超えると100分の80に減額
回復期リハ入院医療管理料
重症患者割合新規入院患者のうち2割5分以上(改定前3割以上から下げ)
退院時改善要件削除(改定前の「重症の患者の3割以上が改善」要件を削除)
重症患者の定義(全入院料・医療管理料 共通)
FIM得点21点以上55点以下(改定前は55点以下のみ、下限追加)
日常生活機能評価10点以上(変更なし)
FIMの測定により適合していることが望ましい
対象疾患の追加新規追加高次脳機能障害と診断された患者(別表第九第一号該当)、脊髄損傷と診断された患者(別表第九第一号該当)を重症対象に追加

回復期リハビリテーション強化体制加算(注4)詳細

新設加算 1日80点 / 入院料1のみ
施設基準(全て満たすこと)
イ 回復期リハビリテーション病棟入院料1の施設基準を満たしていること。
ロ リハビリテーションの効果に係る実績の指数が48以上であること。
ハ 退院前訪問指導について、十分な実績を有していること。
ニ 排尿自立支援加算に係る届出を行っている保険医療機関であること。

経過措置(短冊より)

  • 令和8年3月31日時点で回復期リハ病棟入院料2又は4の届出を行っている病棟は、同年9月30日までの間に限り、(3)のロ及び(5)のロ(リハ実績指数要件)を満たしているものとみなす。
  • 令和8年3月31日時点で回復期リハ病棟入院料3又は4の届出を行っている病棟は、同年9月30日までの間に限り、(4)のロ(休日含む週7日リハ提供体制)を満たしているものとみなす。

改定の根拠(中医協答申 短冊原文)

中医協答申(短冊)原文 ─ 回復期リハ病棟入院料 全改定論点出典: 個別改定項目について p.177-186(Ⅱ-1-1-⑩)

第1 基本的な考え方

より質の高い回復期リハビリテーション医療を推進する観点から、回復期リハビリテーション病棟入院料、回復期リハビリテーション入院医療管理料及び特定機能病院リハビリテーション病棟入院料の施設基準及び要件を見直す。

第2 具体的な内容(主要9項目)

1. 入院料1を届け出ている病棟を対象に、実績指数、排尿自立支援加算の届出及び退院前訪問指導の実施割合等を要件とする回復期リハビリテーション強化体制加算を新設する。

2. 重症の患者の基準を見直すとともに、対象に高次脳機能障害及び脊髄損傷と診断を受けた患者を追加する。また、重症患者のうち退院時に日常生活機能評価又はFIMが改善した患者の割合に係る要件を削除する。

3. 回復期リハビリテーション病棟入院料1から4まで、回復期リハビリテーション入院医療管理料及び特定機能病院リハビリテーション病棟入院料について、重症患者の新規受入割合基準及びリハビリテーション実績指数に係る基準を見直す。

4. 日常生活機能評価又はFIMの測定を行うこととされているものについて、FIMによる測定が望ましいこととする。

5. 退院前訪問指導料を出来高にて算定できることとする。また、退院前訪問指導料と「H003-2」の注3に規定する入院時訪問指導加算との併算定は出来ないこととする。

6. 入院料1及び3の施設基準であるFIMの測定に関する研修会を年1回以上開催することについて、回復期リハビリテーション病棟入院料1から4までの要件とする。

7. 入院料1及び2の施設基準である地域支援事業に参加していることが望ましいことについて、回復期リハビリテーション病棟入院料1から4までを対象とする。

8. 入院料1及び2の施設基準である口腔管理の体制を整備していることについて、入院料3及び4においても望ましいこととする。

9. 回復期リハビリテーション病棟1から4までについて、土曜日、休日を含め全ての日において、リハビリテーションを提供できる体制を備えていることを要件とする。また、土曜日、休日の1日当たりリハビリテーション提供単位数を見直す。

強化体制加算 施設基準(改定後・新設)

(10) 回復期リハビリテーション強化体制加算の施設基準
イ 回復期リハビリテーション病棟入院料1の施設基準を満たしていること。
ロ リハビリテーションの効果に係る実績の指数が48以上であること。
ハ 退院前訪問指導について、十分な実績を有していること。
ニ 排尿自立支援加算に係る届出を行っている保険医療機関であること。

経過措置

令和8年3月31日時点で、回復期リハビリテーション病棟入院料2又は4の届出を行っている病棟については、同年9月30日までの間に限り、(3)のロ及び(5)のロを満たしているものとする。
令和8年3月31日時点で、回復期リハビリテーション病棟入院料3又は4の届出を行っている病棟については、同年9月30日までの間に限り、(4)のロを満たしているものとする。

出典: 厚生労働省「個別改定項目について」(中医協答申資料)Ⅱ-1-1-⑩ 回復期リハビリテーション病棟入院料等の評価体系及び要件の見直し p.177-186

留意事項通知 抜粋(保医発0305第6号)

A308 (7) FIM測定が望ましい(改定で追加)
回復期リハビリテーション病棟入院料等を算定するに当たっては、当該回復期リハビリテーション病棟入院料等を算定する病棟又は病室への入院時又は転院時及び退院時に日常生活機能評価又は機能的自立度評価法(Functional Independence Measure)(以下「FIM」という。)の測定を行い、その結果について診療録等に記載すること。なお、評価にあたってはFIMを用いることが望ましい。また、A246入退院支援加算の注4に規定する地域連携診療計画加算を算定する患者が当該病棟に転院してきた場合には、原則として当該患者に対して作成された地域連携診療計画に記載された日常生活機能評価又はFIMの結果を入院時に測定された値とみなす。
A308 (8) 定期測定 ─ FIMが望ましいことを明文化
回復期リハビリテーション病棟入院料等を算定するに当たっては、定期的(2週間に1回以上)に日常生活機能評価又はFIMの測定を行い、その結果について診療録等に記載すること。なお、評価にあたってはFIMを用いることが望ましい。
B007 退院前訪問指導料(改定後の運用)
退院前訪問指導料は、指導の対象が患者又はその家族等であるかの如何を問わず、1回の入院につき1回を限度として、指導の実施日にかかわらず、退院日に算定する。ただし、入院後早期(入院後14日以内とする。)に退院に向けた訪問指導の必要性を認めて訪問指導を行い、かつ在宅療養に向けた最終調整を目的として再度訪問指導を行う場合に限り、指導の実施日にかかわらず退院日に2回分を算定する。この場合において、H003-2リハビリテーション総合計画評価料の注3に規定する入院時訪問指導加算は算定できない。
A308 (注2) 休日リハ提供体制加算 ─ 改定で対象縮小
回復期リハビリテーション病棟入院料を算定する患者(回復期リハビリテーション病棟入院料5又は回復期リハビリテーション入院医療管理料を現に算定している患者に限る。)が入院する保険医療機関について、別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす場合は、休日リハビリテーション提供体制加算として、患者1人につき1日につき60点を所定点数に加算する。改定前は入院料3、4、5、医療管理料が対象だったが、入院料1〜4は休日含む全日リハ提供が要件化されたため加算対象から除外された。
A308 入院料1〜2の施設基準(2の(5)) ─ 土曜・休日リハ提供体制(改定で要件化)
当該保険医療機関において、土曜日、休日を含め全ての日において、リハビリテーションを提供できる体制を備えていること。なお、リハビリテーションの提供体制については、当該保険医療機関のその他の病床におけるリハビリテーションの実施状況を踏まえ、適切な体制をとることとするが、回復期リハビリテーションが提供される患者に対し、土曜日、休日の1日当たりリハビリテーション提供単位数も平均3単位以上であるなど、曜日により著しい提供単位数の差がないような体制とすること。

関連する疑義解釈 Q&A(原典抜粋)

Q 「A308」回復期リハビリテーション病棟入院料の「注4」に規定する回復期リハビリテーション強化体制加算の届出は、回復期リハビリテーション病棟入院料1を算定する病棟全体で届け出るのか。
A そのとおり。保険医療機関内の回復期リハビリテーション病棟入院料1を届け出る病棟全体で届出を行うこと。
出典: 疑義解釈資料(その1)別添1 問30(令和8年3月23日付事務連絡)
Q 「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(令和8年3月5日保医発0305第7号)第11の(13)のアに規定する「高次脳機能障害の患者に適したサービスを提供するものの情報をあらかじめ把握できる体制」、イに規定する「アの情報を高次脳機能障害の患者及び家族等に説明の上、提供できる体制」とは、具体的にどのような体制を指すのか。また、地域の全ての情報を把握し、患者に説明できる必要があるか。
A 医療機関において、地域の様々な事業所のうち高次脳機能障害の患者に適したものに関する情報の把握を行ったうえで、全ての高次脳機能障害の患者の退院時に、患者及び家族等に、当該情報を提供できる状態をいう。ただし、事業所の特性によらず障害福祉サービス等を提供する全ての事業所の情報を患者に提供することを求めるものではない。その上で、A308回復期リハビリテーション病棟入院料の(17)のイにおいて、実際に情報を提供していることが算定要件となっていることに留意すること。ただし、地域の情報の把握・整理に一定の時間を要することを踏まえ、令和8年12月31日までは、速やかに情報提供ができるよう、情報の把握や整理を現に実施している場合も含むこととする。
出典: 疑義解釈資料(その1)別添1 問29(令和8年3月23日付事務連絡)
Q 重症の患者の対象である「高次脳機能障害と診断された患者(基本診療料の施設基準等別表第九第一号に規定する患者に限る。)」には、基本診療料の施設基準等別表第九に標準的算定日数が180日となる対象として示されている高次脳機能障害を伴った重症脳血管障害のみでなく、高次脳機能障害を伴った頭部外傷、脳腫瘍、脳炎、急性脳症も含まれるか。
A 含まれる。
出典: 疑義解釈資料(その2)別添1 問47(令和8年3月31日付事務連絡)
Q 令和8年度診療報酬改定において、実績指数の計算方法、除外対象及び基準が見直されたが、令和8年7月以降にリハビリテーション実績指数を求めるに当たって、算出方法や除外対象患者をどのように考えればよいか。
A リハビリテーション実績指数の計算の除外対象及び除外割合については、入棟時の基準が適用されるため、それぞれ令和8年5月31日までに入棟又は入室した患者の入棟又は入室月においては、令和8年度診療報酬改定前の基準を用いてよい。なお、入棟時のFIM運動項目の得点が20点以下で、退棟又は退室までの疾患別リハビリテーション料の1日あたり平均実施単位数が6単位を超えた場合に、除外患者とできなくなる取り扱いは、令和8年5月31日までに入棟又は入室した患者については、同年6月1日以降に退棟又は退室した場合であっても適用しなくてよい。なお、FIM運動項目のうち「歩行・車椅子」及び「トイレ動作」が入棟時5点以下から退棟時6点以上に上昇したものの場合に各項目につき1点加点する計算方法については、リハビリテーション実績指数を令和8年7月以降に算出する場合には、算出対象となる期間の全ての患者に適用して差し支えない。
出典: 疑義解釈資料(その2)別添1 問48(令和8年3月31日付事務連絡)
Q 回復期リハビリテーション強化体制加算の届出は、実績指数の算出月にしか行えないのか。それとも令和8年6月1日から算定するための届出期間内に、直近6か月の実績を算出して届出を行ってよいのか。
A (原典には届出期間内に直近6か月の実績で届出を行ってよい旨が示されている。詳細は出典資料を確認のこと。)
出典: 疑義解釈資料(その2)別添1 問49(令和8年3月31日付事務連絡)

厚生労働省 一次資料

本ページは厚生労働省が公表した告示・通知・疑義解釈資料を編集部が整理したものです。 個別具体的な算定の可否や施設基準の充足判断については、所管の地方厚生局またはお手元の保険医療機関の事務担当者にご確認ください。 記載内容は最新情報を反映するよう努めていますが、最終的な解釈は厚生労働省の発出資料をご確認ください。

算定点数・要件・期間等は告示原文(令和8年厚労省告示第69号)、留意事項通知(保医発0305第6号)、施設基準通知(保医発0305第8号)、疑義解釈資料(その1〜その4)を一次資料として確認。二次資料との突き合わせクロスチェックを実施。

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