口腔内の衛生状態は、誤嚥性肺炎を予防するために重要な評価指標の一つであり、筆者が以前勤めていた病院では歯科衛生士や言語聴覚士が行うことが多かった。
しかし、全国的に見るとそれらの職種が所属していない病院や施設の方がまだまだ多い状況にあり、また患者さんと多く接することの多い理学療法士や作業療法士も口腔内のアセスメントができる必要がある。
以下の記事によると、入院患者のほとんどに、口腔内の問題が認められたそうで、今後ますます高齢者が増えていく日本にとって事態は深刻だ。
歯科医師による口腔アセスメントが行われた2013年から2年間の当院の外科入院患者301人(男性174人,女性127人,平均年齢72.5歳)の結果によると,悪性疾患,良性疾患にかかわらず口腔内衛生状態は約3割が不良で,男性のほうが顕著であった。歯については25%の患者は歯が全くない状況であり,これは女性のほうが多かった。義歯の保有率は女性が86%と男性の65%に比べ高率であった。また義歯があっても適合に問題ありとされた方が約3割存在した。
詳細を読む(引用元):週刊医学界新聞
「高齢になると歯がなくなるのは当たり前」ではない。
高齢者でも自分の歯で美味しくご飯を召し上がっている人も少なからずいるということに目を向ける必要があると思う。
口腔内の評価を行い、状況によって歯磨きなど口腔ケアの正しい方法を教えることも大事なリハビリテーションである。