モンゴルの住環境について

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移動式住居はもう時代遅れ?

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モンゴルの住環境と言うと移動式の住居を思い浮かべる方が多いかもしれません。これはゲルと呼ばれるもので。もともとモンゴルは遊牧民、いわゆるノマドという生活スタイルの方が多く、この移動式住居が普及していました。しかし現在はモンゴルも都市化が進み、人口のおよそ半分が首都のウランバートルに住み、また地方都市もアパートが普及し定住する方が多くなっています。本当の遊牧民として生活する方は減少しているようです。この定住化についてはモンゴルが先進国に倣って近代化していることが大きく関係しています。モンゴルの定住化や近代化についてはここでは詳しいことは他の参考書を参考にして下さい。

4つの住居パターン

1 富裕層が住むマンション

2 中間所得層の住むマンション

4 ゲルの中

  さてモンゴルの住環境について話を戻しますが、いくつかのパターンが挙げられます。収入別に簡易的に以下の4つに分けて話していきます。      
① 富裕層:エレベーター付きのマンション(写真上)
富裕層はウランバートルの中心街にエレベーター付きのマンションに住んでいることが多いです。ここの設備はばっちりです。ただバリアフリーかどうかというのは別問題。段差がたくさんあることも多々あります。
② 中間層:エレベーターなしのマンション(写真中)
5階建て、6階建てでもエレベーターがついていません。旧ロシア式の建物が多いです。脊髄損傷の友達で毎日車椅子と自分を2人がかりで運んでもらい外出しているという人がいました。ちなみにトイレや風呂はあります。
③ 貧困層:都市部から離れたゲル地区
ゲル地区と言うのは貧困層の方が住む地域をさします。都市部から離れたところに住居が並んでいます。一戸建てと言えば一戸建てなのですが、日本の一戸建ての概念とはかけ離れています。乱立しているようには見えますが、一応番地はあるようで、ただ道は整備されていないことがほとんどです。住居はゲルや、木やレンガで作られた平屋といった感じです。マンションにはパールと言う集中暖房施設が整っているのですが、ゲル地区にはありません。水道もトイレもありません。トイレは外に穴をほっていることが多いです。
④ 遊牧民:ゲル(写真下)
説明不要でしょうか。写真の通りです。草原を季節に応じて移動し住居を構えます。

障害者にとって生活しにくい国

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さてここからはリハビリテーション的な視点の住居です。まず考えるのがトイレやお風呂などに手すりがつけられるのか?ということでしょうか。モンゴルには福祉住環境に関する制度もないですし、業者もありません。
次に家から出られるのかということですが、まず、車椅子で家から自力で出て市街地まで移動できる可能性のある住居は①位なものです。それでも段差や、傾斜の強いスロープなど厳しい状況です。障害を持つ方にとって何て住みづらいのだろう…と驚愕するばかりです。これではいくら機能回復しても(歩容が少し改善する程度)、外へ出られないなどというケースは多々あります。重度な方、いや車椅子で移動する方は自力で外出することがほとんどできません。実際に車椅子で外を移動している方など街中でほとんど見かけません(見かけたとしても大抵は知り合いの活動性の高い方)。
 
私の友達にウンドゥラハ・バヤラーという障害者当事者の男性がいます。彼はモンゴルで自立生活センターを立ち上げた、モンゴルの障害当事者運動の第一人者です。彼に言われた言葉を思い出します。
 
“僕らが社会に受け入れられるように障害を理解してくれる人を増やしたい”
 
こういう住居環境も、障害を理解されないことが前提にあるように思います。日本でも医学モデルから社会モデルへと言われていますが、モンゴルのこういった事情を知ると、その流れも当たり前のものとして受け入れることができます。

小泉裕一先生経歴

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経歴

専門学校卒業後、埼玉県内の大学病院で勤務。3年間勤務し、青年海外協力隊員としてモンゴル国立第三病院へ派遣された。派遣中から開発途上国リハビリレポーターというweb企画を立ち上げ運営している。(30ヵ国からのリハビリレポートを日替わりで配信するもの)帰国後は訪問看護ステーションで勤務している。

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