内転筋の起始・停止からグローインペインまで解説

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1.内転筋の起始・停止、支配神経を確認

2.内転筋を構成する筋:

3.鼠径部痛症候群:グローインペイン症候群の疫学

4,鼠径部痛症候群:グローインペイン症候群の分類

5.鼠径部痛症候群:グローインペイン症候群の理学療法管理

6,鼠径部痛症候群:グローインペイン症候群に対するプロトコル

7.文献

内転筋の起始・停止、支配神経を確認

太ももの内側コンパートメントには6つの筋肉があります。それぞれが、内転の役割を担いますが個々にも機能があります。例えば、内転筋最大の筋肉である大内転筋は、股関節の屈曲・伸展に関わる特殊な筋肉です。

 

また、長内転筋も股関節の角度によって全く逆の作用を担ったり、二重神経支配の筋肉として恥骨筋も特殊な筋肉の一つです。内転筋の中で唯一、二関節筋となる薄筋もこの中に含まれます。まずはそれぞれの筋肉の場所から確認していきましょう。

内転筋を構成する筋:

・大内転筋

・長内転筋

・短内転筋

・薄筋

・小内転筋

・恥骨筋

 

一部の解剖学参考書では、大内転筋と他の内転筋の動作が股関節内旋として記載されていますが、他の解剖学参考書には股関節外旋作用が記載されていることがあります。歩行中の内転筋と運動学のEMG活動の分析は外旋サポートする機能を報告しています1)

 

・荷重反応時に内転筋は、これまで報告されてきた内旋筋としての役割ではなく、股関節における大腿骨の内旋を偏心的に制御している可能性がある。


・Terminal StanceとPreswingの段階では、これらの筋肉は股関節の外旋を行うこともある。

 

大内転筋

大内転筋の股関節伸展モーメントアームの長さは股関節の角度によって変化し、股関節を曲げたときにハムストリングスや大殿筋よりも効果的な股関節伸筋です。

起始

筋部:恥骨下枝

腱部:坐骨結節、坐骨枝

停止

筋部:大腿骨粗線内側唇

腱部:内転筋結節

支配神経

筋部:閉鎖神経

腱部:脛骨神経

髄節

筋部:L2ー4

腱部:L4ー5

作用

股関節内転・内旋

筋部:股関節屈曲

腱部:股関節伸展

英語

Adductor magnus muscle(略:AM)

長内転筋

この大きな扇形の筋は、内転筋軍の最も前方に位置し、大内転筋の中央部分と短内転筋の前部を覆っています。

起始

腸骨上枝

停止

大腿骨粗線内側唇中部1/3

支配神経 閉鎖神経
髄節

L2ー4

作用

股関節内転・屈曲

(股関節屈曲60°以上で伸展作用)

英語

Adductor longus muscle(略:AL)

短内転筋

起始

恥骨下枝下部

停止

大腿骨粗線内側唇上部1/3

支配神経

閉鎖神経

髄節

L2ー4

作用

股関節内転・屈曲

股関節外転での内旋

英語

Adductor brevis muscle(略:AB)

薄筋

大腿内側のもっとも表層に位置する、内転筋唯一の二関節筋です。縫工筋、半腱様筋と共に鵞足を形成しています。内転筋でもっとも大きな問題は、後に解説するグローインペインですが、鵞足炎も注意すべき疾患です。

起始

坐骨恥骨枝

停止

脛骨内側面

支配神経

閉鎖神経

髄節

L2ー4

作用

股関節内転・屈曲

膝関節屈曲

下腿内旋

英語

Gracilis muscle(略:GR)

恥骨筋

内転筋の中で最も上部に位置する筋肉です。

起始

恥骨櫛(ちこつしつ)

停止

恥骨筋線と粗線の近位部

支配神経

大腿神経、閉鎖神経(二重神経支配)

髄節

L2ー4

作用

股関節内転・屈曲・内旋

英語

Pectineus muscle(略:PE)

小内転筋

著者によっては内転筋に書かれていない場合があります1)33%の人で、短内転筋と小殿筋の間に過剰な筋肉が見られると報告されています。3)

起始

恥骨下枝から大内転筋の最前部

停止

大腿骨粗線内側唇(大内転筋の上部の線維と交叉

支配神経

閉鎖神経、脛骨神経(二重神経支配)

髄節

L2ーS3

作用

股関節内転、屈曲、外旋

英語

Adductor minimus muscle

鼠径部痛症候群:グローインペイン症候群4)

グローインペインは多くのアスリートを悩ませてきた、原因がはっきりしない障害という認識があるかと思います。2014年11月にカタールのドーハで第1回世界アスリートの鼠径部痛に関する会議が開催され14カ国から24人の国際専門家が参加し、用語と定義を決定しました。今回は、この分類を中心に解説したいと思います。

 

疫学

男性のクラブサッカーの鼠径部の怪我は、すべての怪我の4〜19%、女性の2〜14%を占めました。29件の研究の集計データ分析では、男性(12.8%)の鼠径部損傷の割合が女性(6.9%)よりも高いことがわかりました。

 

男性は女性よりも鼠径部損傷の発生率が高かった。鼠径部の負傷率が高いスポーツは、アイスホッケーとフィールドキックが一般的でした。サッカーでは、より多くのキックを伴うプレーヤーのポジションの発生率が高いことがわかりました。

 

分類

内転筋関連:内転筋の圧痛と抵抗性内転テストの痛み。

腸腰筋関連:腸腰筋の圧痛+抵抗性股関節屈曲の痛みおよび/または股関節屈筋伸展の痛みの場合に発生する。

鼠径部関連:鼠径管領域の痛みと鼠径管の圧痛。触知可能な鼠径ヘルニアは存在しません。腹部抵抗またはバルサルバ/咳/くしゃみで悪化した場合に発生する。

恥骨関連:恥骨結合とすぐ隣の骨の局所的な圧痛。特に陰部関連の鼠径部の痛みをテストするための特定の耐性テストはありません

股関節関連:股関節周囲の疼痛、クリック、可動域制限など。屈曲-外転-外旋(FABER)および屈曲-外転-内旋(FADIR)テスト)を含む身体検査を実施することを推奨。

 

理学療法管理

筋腱性鼠径部損傷の治療は一般的に保存にて行われます。5)筋腱損傷の治療では、筋萎縮や機能低下などの影響を回避するために、固定期間を可能な限り短い期間に制限する必要があります。

 

治療プログラムの第一目標は、固定の影響を最小限に抑え、可動域を完全に回復させ、筋力、持久力、協調性を完全に取り戻すことです。そのため、初期段階では松葉杖の使用、局所的な寒冷剤の使用、抗炎症剤の投与などが推奨されます。

・筋力トレーニングは通常、早期に始めることができますが、トレーニングは痛みの範囲内で、抵抗に対して慎重に等尺性収縮を行う必要があります。

・初期段階の後、特に筋力トレーニングを開始する際には、通常、温熱が有効です。一般的に、運動は痛みのない範囲でROM-exを行い、活動後に痛みの増加が起こらないように注意すべきです。

・リハビリテーションが進むにつれて、運動中に軽度の痛みが認められるようになりますが、トレーニングを中止した直後には痛みが収まります。

・完全な可動域が得られるようになると、損傷した筋肉や腱はより高い負荷に耐えられるようになり、リハビリテーションの目標は、筋力の回復、持久力の向上、完全な可動域を得ることを目的とした特定の筋力トレーニングを行うことに移行します。

・最終的には、スポーツ活動に徐々に復帰していきますが、場合によっては3~6ヶ月かかることもあります。6)

 

プロトコル(修正版ヘルミッチプロトコル)7)

グーグル翻訳にて引用:https://www.hindawi.com/journals/rerp/2018/8146819/

参考文献

1)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17118893/

2)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21052670/

3)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/1436954/

4)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4484366/

5)https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1060187297800330

6)https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1016/j.carj.2010.11.001

7)https://www.hindawi.com/journals/rerp/2018/8146819/

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK534775/

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内転筋の起始・停止からグローインペインまで解説
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