週の真ん中水曜日の江原です。子供の頃転んでケガをして泣いたり自分ではどうしようもない状況に陥り困った時、だれもが一度は『ママ~』と保護者(パパやおばあちゃんもあると思います)を呼んだ記憶があると思います。自分の親が見知らぬ人と話している時には、子供はお母さんの陰に隠れて離れず引っ付いているシーンも思い出されます。
このような行動を愛着(アタッチメント)と言います。愛着は乳幼児の発達にとても重要と言われているファクターですが、慢性疼痛にも関連しているという報告が増えてきました。本日は愛着と慢性疼痛との間の関連について書いてみたいと思います。
愛着・アタッチメントとは
愛着とは特定の他者との情緒的絆のことを指します。赤ちゃんが発達していく過程では、養育者から離れて外界に対し探索行動を起こしていくフェーズがあります。例えばハイハイをするようになり自分の力で移動できるようになると、母親や養育者から離れることになります。未知の外界へどんどん冒険していくのですが、それは赤ちゃんにとってはとても勇気がいることなのです。
親から離れること、怪我をした時、見知らぬ大人に出会ったとき、初めてなことは不安がつきものです。子供が泣きたくなる時に養育者を呼んだり、離れずに寄り添っているのは不安を解消する行動になります。
この時に重要になってくるのが愛着です。『不安になっても誰かがいてくれる』という思いが前提となり発達の探索行動に必要な絶対的信頼感が形成されていきます。
その時母親や養育者は赤ちゃんにとって安全基地としての役割が生まれます。安全基地があるから赤ちゃんは一人で考えて行動し、その孤独にも耐えられるようになる。
絶対的信頼感により探索を続けることで養育者以外の人との人間関係を構築し、発達過程の中で対処能力や感情コントロールスキルを身に着け、主体性や自己効力感をはぐくんでいきます。
アタッチメントの研究事例
この辺りの話題は、理学療法士も養成校で学習する心理学や精神医学でも触れられているので養成校時代を思い出されるかもしれません。まずはイギリスの児童精神科医ボウルビィの研究。