キャリアコンサルタントが徹底サポート

PT協会、2040年を見据えた「中長期計画」を策定―3年間の検討を経て4つの柱を提示

914 posts

日本理学療法士協会(PT協会)は2040年を見据えた「中長期計画」を公表しました。この計画は、2022年に始まった「中長期的な戦略目標の検討」を起点とし、理事会や理事懇談会での議論を経て、2024年7月の理事会で報告されたものです。

PT協会は、内部・外部環境の整理やクロスSWOT分析、財務的な見通しの検討を重ね、段階的に骨子案・修正案を作成してきました。策定にあたっては「2030年の国民の生きがいを支える理学療法士のビジョン」を軸に、以下の4つの柱を設定しています。

  1. 1.疾病や障がいとともに安心して暮らせる社会の実現

  2. 2.心身ともに健やかに暮らせる社会の実現

  3. 3.国民が相互に支え合って、住みたい地域で人生を過ごせる社会の実現

  4. 4.安定した組織基盤の構築

これらの柱に基づき、2027年の中期ゴール、2030年・2040年の長期ゴールへと段階的に進めていく計画です。

中長期計画 骨子

具体的な注力領域を設定

中長期計画では、各柱ごとに注力領域が示されています。

  • 疾病や障がいとともに安心して暮らせる社会の実現
    アクセスしやすい理学療法の提供、質向上、人材確保、医療・介護・福祉の連携強化、科学的根拠の収集、適正な報酬改定と処遇改善。

  • 心身ともに健やかに暮らせる社会の実現
    健康増進・予防、スポーツ領域での寄与、公衆衛生での活躍、予防理学療法の発展、アスリート支援、タスクシフト・タスクシェアの推進。

  • 国民が相互に支え合って暮らせる社会の実現
    地域に寄り添った組織の強化、多職種連携、地方行政との関係深化、国際活動への参加。

  • 安定した組織基盤の構築
    会員サービスの強化、組織運営体制の強化、卒前・卒後学習制度や資格制度の拡充、会費改定など持続可能な運営。

また、具体的な事業・指標ごとに目標達成年や数値目標を設定し、定期的な評価・改善を行うPDCAサイクルの確立も盛り込まれています。

3年間の歩み―2022年度からの変遷

この「中長期計画 骨子」に至るまでには、3年間にわたる議論と検討が積み重ねられました。協会の「事業総括報告」をたどると、その変遷が見えてきます。

  • 2022年度(起点)
    「中長期的な戦略目標の検討」を開始し、「2030年の国民の生きがいを支える理学療法ビジョン」をリーフレットとして公開。組織基盤強化、質保証、人材育成、地域包括ケアや国際活動などが重点課題とされました。

  • 2023年度(素案整理)
    2022年度の方向性を受け、戦略目標素案を取りまとめ。重点領域を「医療・介護連携」「質保証」「人材育成」「組織安定」「国際・地域共生」に整理しました。

  • 2024年度(骨子確定)
    理事会で「中長期計画 骨子」を報告。4つの柱と注力分野を提示し、2027年・2030年・2040年に向けたロードマップを示しました。

今後の展望

協会は「今後も会員の皆さまと共有しながら、理学療法の価値を高め、社会のニーズに応える活動を展開してまいります」とコメントしています。

▶︎中長期計画

▶︎2024年度事業総括報告

▶︎2023年度事業総括報告

▶︎2022年度事業総括報告

PT協会、2040年を見据えた「中長期計画」を策定―3年間の検討を経て4つの柱を提示

最近読まれている記事

企業おすすめ特集

編集部オススメ記事