キャリアコンサルタントが徹底サポート

医師偏在対策の運用ルールを整理──外来医師過多区域で「指定3年」へ

224 posts

2月12日に開催された第210回社会保障審議会医療保険部会で、医療法等改正を踏まえた具体的な運用整理が示されました。保険医療機関の管理者要件の明確化と、外来医師過多区域における期限付き指定の運用が議題となり、制度は施行に向けた準備段階に入ります。

管理者に3年以上の従事経験 責務も明確化

事務局は、昨年12月に公布された医療法等改正のうち、医師偏在是正に関連する事項について説明しました。

保険医療機関の管理者については、健康保険法上の管理者と医療法上の管理者を同一とすることを前提とし、療養担当規則の改正により責務を明文化します。主な内容は次の通りです。

  • 診療報酬請求を含む療養の給付に関する適正な手続の確保

  • 診療録の記載・整備、帳簿書類の保存状況の管理

  • 地域の保健医療・福祉サービス提供者との連携の確保

管理者要件については、法律上「現に保険医であること」に加え、厚生労働省令で次の経験年数を求めます。

  • 医師:臨床研修修了後、病院において3年以上の保険医としての従事経験

  • 歯科医師:臨床研修修了後、保険医療機関において3年以上の保険医としての従事経験

経過措置も設けられています。令和8年4月1日の施行日時点で現に管理者である者は、同一機関の管理者である間に限り、3年間は要件を満たさない場合でも引き続き管理者を務めることが可能とされます。

外来医師過多区域で期限付き指定 再々指定は2年

外来医師過多区域における新規開業診療所への対応も整理されました。

都道府県知事からの要請に応じない場合や、勧告に従わない場合には、保険医療機関の指定期間を通常の更新(6年)とは異なる期間とする仕組みが導入されます。

示された標準的な期間は以下の通りです。

  • 初回指定および再指定:3年

  • 再々指定以降で勧告に従わない状態が続く場合:2年

期限付き指定を受けた医療機関は、いわゆる「みなし指定」の対象とはならず、更新時には改めて指定申請が必要となります。

この点について、国際医療福祉大学の伊奈川秀和委員は、みなし指定との関係や地方社会保険医療協議会での審議の扱いについて確認を求めました。事務局は、期限付き指定の場合はみなし指定の対象外となること、指定に当たっては地方社会保険医療協議会での審議対象となる旨を説明しました。

地域フォーミュラリを第4期計画に追記へ

第4期医療費適正化計画に関しては、地域フォーミュラリの推進を基本方針に位置付ける案が示されました。

令和7年5月に実施された調査によると、地域フォーミュラリの策定件数は全国で18件、1件以上策定している都道府県は12府県にとどまっています。

事務局は、都道府県単位での検討の場の設置を促すとともに、成分別使用割合データの提供、合意形成の支援、事例の周知などを通じて取り組みを後押しする考えを示しました。

まとめ

第210回医療保険部会では、医療法等改正に基づく制度運用の具体化が進みました。管理者要件の整理、外来医師過多区域における期限付き指定の運用、地域フォーミュラリの計画への位置付けはいずれも令和8年4月1日の施行を見据えた対応です。

医師偏在是正および医療費適正化の取り組みは、今後も部会および関係審議会で継続して議論されます。施行後の運用状況と地域医療への影響が注目されます。

▶︎第210回社会保障審議会医療保険部会 

医師偏在対策の運用ルールを整理──外来医師過多区域で「指定3年」へ

最近読まれている記事

企業おすすめ特集

編集部オススメ記事