「終末期の患者に、リハで何ができるのか」――。回復が見込めない患者を前に、どんな目標を立て、どう関わるべきか迷った経験は、領域を問わず多くの療法士にあるのではないでしょうか。
終末期は、リハビリテーションの役割が終わる時期だと受け止められることも少なくありませんでした。その効果を裏づける質の高いエビデンスも乏しく、積極的な介入の対象として十分に検討されてきたとは言えないのが実情です。一方で近年、終末期であってもリハビリテーションが日常生活活動(ADL)の維持に寄与する可能性が、国内外で注目されつつあります。
2026年、米国がん協会の医学誌『Cancer』に、国内の緩和ケア病棟19施設・130人を対象とした多施設ランダム化比較試験(RCT)の成果が報告されました。構造化したリハビリテーションが、緩和ケア病棟入院中がん患者のADL低下を有意に抑えることを示した、質の高いデザインによる成果です。
本セミナーでは、この試験の研究代表者である西山菜々子先生を講師にお迎えし、終末期リハをめぐる現状と課題を整理しながら、RCTで分かったこと(とその限界)、そして実践に基づいた「関わりの作法」までを解説していただきます。「終末期がん」を入口としつつ、その核にあるのは、予後の限られた患者とどう目標を立て、どう向き合うかという、すべての療法士に通じるテーマです。緩和・がん領域はもちろん、回復期・生活期・在宅で「良くならない患者」に関わる療法士にとっても、今後の臨床を考える機会となる内容です。
*本セミナーのアーカイブ視聴はPOSTプレミアム会員(https://1post.jp/payments/premiums)のみ可能です。お申し込みの方は、当日のご参加をお願いいたします。
プログラム
- 終末期がんリハビリテーションをめぐる現状と課題
- 終末期リハにおける「目標設定」の考え方(QOL・ADLの優先度)
- 多施設RCT(Cancer誌)が示したこと ― 構造化リハの効果と限界
- 実践的な関わりの指針「Op-reha Guide」とは
- 終末期リハビリテーションのこれからと、現場への実装の可能性
このセミナーで学べること
- 終末期がんに対するリハビリテーションの基本的な考え方
- 予後が限られた患者における「目標設定」の捉え方
- 多施設RCTで示されたADL維持の効果と、その解釈(限界を含む)
- 構造化リハの指針「Op-reha Guide」の概要
- 緩和ケア・がん領域以外の現場にも応用できる関わりの視点
- 終末期がん患者に対して療法士がどのように関わることができるのか
- 今後の終末期リハビリテーションの可能性
このような方におすすめです
- 終末期・緩和ケアのリハビリテーションに関心のある理学療法士・作業療法士
- がん患者に関わる機会がある方
- 回復期・生活期・在宅で「予後の限られた患者」に向き合う機会がある方
- 「終末期にリハは意味があるのか」を一度きちんと考えたい方
- 予後が限られた患者の目標設定に迷うことがある方
- 緩和・がんリハの最新エビデンスを一次情報で知りたい方
- 国内外の取り組みや最新の考え方を整理したい方
概要
【日時】 10月8日(木) 20:00~21:00
【参加費】無料
【参加方法】ZOOM(オンライン会議室)にて行います。
西山 菜々子
所属:大阪公立大学 大学院リハビリテーション学研究科(特任助教)
資格:作業療法士、修士(保健学・広島大学大学院)
【主な業績】
・終末期がん患者に対する構造化リハビリテーションの多施設ランダム化比較試験(Cancer, 2026・筆頭著者)
・緩和ケア病棟のがん患者に対するOp-reha Guideを用いた専門的リハの多施設RCTプロトコル(BMC Palliative Care, 2020・筆頭著者)
・高齢がん患者における基本的・手段的ADLの優先度に関する横断調査(Supportive Care in Cancer, 2023・共著) 他
作業療法士として緩和ケア病棟での臨床に従事した経験から、終末期がん患者に対するリハビリテーションの有効性検証と質向上に関する研究に取り組む。多施設共同研究を主導し、近年は研究成果の普及・実装に注力している。






