【中村尚人先生講演】側弯症に対する理学療法-腰痛予防を含めた戦略-はこちら
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飲んでばかりの学生時代
― 理学療法士になろうと思ったきっかけは?
中村尚人先生 高校生の頃、進路に悩んでいるときに、職業本で理学療法士を見つけました。「手に職」の仕事に就きたいと思っていて、母親が医療事務をしていたという理由もあり、私も医療関係の仕事を探していました。
その中でも理学療法士は、他の職種と比べ、仕事道具をあまり使わず場所を選ばないで働ける職業だと思い興味を持ちました。病院に一度見学にも行って、その時に働いている白衣姿の理学療法士さんの姿がカッコよく見えて、専門学校への進学を決めました。
ー 大学という選択はなかったのですか?
中村尚人先生 それも悩みましたが、早く実家を離れて働きたいという思いが強く、新潟を離れて東京にある3年制の専門学校に通うことにしました。高校は進学校だったので、当時、友人の中で専門学校に進む人は料理人や競馬場の調教師になりたい人など変わり者ばかりで本当に少なかったと思います。
― 学生生活について教えてください。
中村尚人先生 恥ずかしい話ですが飲んでばかりいましたね、何かあるごとに友人とよく居酒屋に行っていました。学校のテストの点数はどれも悪くなかったですが、特にビジョンもなく淡々と過ごしていました。
尊敬する先輩の背中を追いかけて
ー 1年目に勤めたのは病院ですか?
中村尚人先生 はじめは「大学病院か総合病院で働かないと使いものにならない」と考え、都内の大学病院に就職しました。
当時は1日30人くらい患者さんを診てました。そこには運動連鎖やインソールを熱心にやっている先輩がいたので、その先輩たちの背中を見ながら、私も必死に勉強していました。また、先輩方が研修から戻ってくるたび教えてもらうことが最先端なものばかりで、毎日がとても楽しかったのを覚えています。
ただしばらくして、その先輩方の一人が実家に帰るために退職してしまいまいました。その先輩がいなくなったリハビリ室は、自分にとっては刺激が少なく、重錘を付けてただなんとなく運動指導しているような状態で、お金を貰える専門職でいいのかと危機感を覚えましたね。
他にも人間関係や自分の技術を向上させたいという様々な要素が重なって、そこでずっと働き続けていくことに魅力を感じなくなり、保存療法を中心としたクリニックに移ることにしました。
ザ・理学療法士
ー なぜクリニックを選択したのですか?
中村尚人先生 大学病院に勤めているときに、母親から「腰が痛いからあんた見てよ」と言われたことがありました。
そこでレントゲンも何も情報がない状態では診ることができないという自分に気づき、コンサバ(保存療法)の方を診られるようになりたいと思いクリニックにしました。クリニックには4年間務めたのですが、そのうちにレントゲン上の問題がない腰痛患者さんでも診られるようになって、そこで学んだことは今でも活きていると思います。
― 徒手療法などの手技も学んでいたのですか?
中村尚人先生 新人の頃から、何か技術をもっていないと何もできないと思い、PNF、ボバース、メイトランドコンセプト、インソールの技術研修によく参加していました。「ザ・理学療法士」という感じでしたね。
ただ、だんだんその手技の限界も見えてきて、一つの手技だけではどうしようもないことが分かってきました。どこまで極めても、PNFやインソールなどの技術だけでは良くならない人が絶対にいます。それに気づいてから、全体的に身体を診る、障害の原因を考えるということにシフトしていったような気がします。
一般人が作った料理の方が料理人より美味しい状態
― ボディーワークの世界に目覚めたきっかけは?
中村尚人先生 幼少期より少林寺拳法や合気道を習っていたので、もともと身体を動かすことに興味がありました。あるとき友達にヨガに行こうと誘われて参加したのですが、全然出来なくて悔しい思いをしたことがありました。
自分の身体には自信があったのですが、ヨガのポーズ(アーサナ)をとるたびに「いてー」って叫んでいましたね。でも周りの女性たちは普通にポーズをとっていて、自分は身体の専門家なのに出来ていないことに危機感を覚えました。
料理の専門家が料理の方法を教えているのに、一般の人が作った料理の方が美味しいっていう状況ですよね。これはまずいなと思い、ヨガスタジオに通うようになったのがキッカケです。それからは、ヨガセラピーというものを学んでからは、ヨガの世界にどっぷりハマりました。ヨガは身体を整えるだけではなく、心も整えるんだということに気づきました。
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中村尚人先生 プロフィール
株式会社P3 代表取締役
身体と心の運動に取り組み、予防医学の実現を目指すヨガ講師
理学療法士として医療・介護分野にて臨床経験を積む中で、病気になってからよりも、病気にならないようにする事の重要性に気付き、予防医学の実現のためにヨガとピラティスのスタジオを立ち上げる。自らまとめ上げたピラティスメソッドやウォーキング法の指導者育成をはじめ、執筆活動、各種講演、日々の運動指導に携わる。