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最終回:母親が笑顔でいることが元気な子供が育つ要素【一般社団法人FPランド 代表理事|理学療法士 辻陽子先生】

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ママの行動変容をサポート

— 先生が現在専門とされている活動内容を教えてください。

辻先生 ママサークルから始まり、様々な民間講座でお話しさせていただく中で、ママさんの行動変容のきっかけを作ることを行なっています。特に尿失禁予防を中心とした、産前産後のトレーニングをお伝えしていています。一般の方を対象にする場合「楽しい」と思ってもらうことが大前提で、講座内容を第一次予防の知識として持って帰ってもらうことが大切になります。その為に、自分自身の失敗例を多く伝えています。

 

女性にとって、障壁となる物事は多くありますが、母親が笑顔でいることが元気な子供が育つ要素なのだと思います。そしてそれが、家族の幸せにつながることを意識しながら、講座を行なっています。

 

ー 少し前になりますが、熊本で大きな地震があったと思いますが、その当時活動されていた内容はどんなものだったのでしょうか?

辻先生 正直、私もすぐに行動することができませんでした。当時、8歳と1歳の我が子の命を守るのに必死で周りに目がいきませんでした。そんな中、私が第二子を出産した前田産婦人科医院様が地震の影響で、出産の受け入れを一旦ストップしたことをSNSを通じて知りました。大変お世話になった病院でしたので、いても立ってもいられず、担当していただいた甲斐由香さんという助産師の方に「何か私にできることはないですか」と聞きにいきました。

 

甲斐さんのお力添えもあり、「何かの役に立てるのなら」と、院長もOKを出してくださり、院内講座を開催することになりました。ここでは、産前産後の骨盤底筋群の変化やバイオメカニクスを中心としたお話をすることになりました。これがきっかで、現在では熊本地震後に発足したNGOマザー&アースくまもと様と連携させて頂きながら、助産師さんからクライアントさまを紹介していただくまでになりました。

 

 

産前産後のサポートからわかった復職支援の重要性

ー 先生の今後の展望をお聞かせください。

辻先生 個人の活動では、約3年前に法人化してスタジオを持ち、4つのクリニックと連携しながらセルフコンディショニングを中心にスタジオレッスンを行っています。並行して熊本保健科学大学様と連携しながら産前産後のバイオメカニクスの研究にも関わらせて頂いています。

 

また、助産師さんから紹介いただいたクライアントさまの状況をみて、連携クリニックを受診して頂くこともあります。お子様連れでの受診は一苦労です。お気持ちが十分にわかるので、病院の空き時間や混み具合などをリアルタイムでリサーチし、より受診しやすい時間をコーディネートすることもあります。

 

このようなコーディネートをさせて頂いている中で、産前産後への対応に限界を感じている部分もあります。具体的には、育児休暇中に体の状態を整えたとしても、復帰し働くと、その業種によっては非常にバランスを崩してしまう方もいることが分かってきました。

 

現在では、そんな方々向けに復職支援として、市議会議員の方や、産業医、キャリアコンサルタントなどの他職種の方々とコラボレーションをしています。行政や企業の方からトップダウン方式でできる支援システムの構築を考えています。

 

ー これからこの分野に進みたいと考えている方へメッセージをお願いします。

辻先生 そうですね。かけるべき時間をじっくりとかけ、学んでもらいたいと思います。早く行動することも必要ですが、焦ることは禁物です。じっくり学ぶ中で、この分野を開拓されてきた先生方への敬意を忘れないで欲しいと思っています。

 

私が学び始めた10年前よりも技術的、知識的な情報は増えていますし学びやすい環境が整っていると思います。そうすると結局は、基礎的な部分の土台が物を言うと思います。土台を日頃から作っていくことをお勧めいたします。これは、私自身日頃から心がけていることでもあります。私は日に日に、自分の記憶力の衰えに怯えていますが。笑

 

 

ー 11月に開催されますウーマンズヘルスケアフォーラムin福岡でお話しされます内容をお聞かせください。

辻先生 熊本地震から1年3ヶ月が経とうとしている今、日頃からいかに正しい知識の中で体を動かせているのか、という事の重要性に改めて気がつきました。また、このような災害があると、自分自身が支援側に回るケースも個人が置かれている立場によっては出てきます。しかし、自分自身の家族をケアできていなければ、他人をケアすることは難しいです。

 

この考えは、日頃の中にも共通することです。例えば、自分が研修に行く時も、実は影で家族が支え、子供が我慢して成り立っているということを理解することです。このように、日頃から根本的な自分の考えを育んでいることが必要で、特に災害時にはそのウィークポイントが如実に現れます。

 

理学療法士が、一般の方に広く必要だと認識頂くためには、まず一人の人間として社会にどう貢献できるのかを考えること。その根本的な部分が、今後の理学療法士の必要性を高める土台となるということを熊本地震を教訓にお話しできればと思っています。

 

ー 先生にとってプロフェッショナルとは?

辻先生 自分自身もまだ道半ばですので、大きいことは言えませんが、常に「自分に何かが足りていないのではないか」と謙虚に思えること。また、継続すること。そして、時には一歩引いて、勇気をもって立ち止まり物事を見ることができる人だと思います。

 

ー完。

 

【目次】

第一回:離婚、うつ病、休職から得た教訓

第二回:第一子妊娠中に尿失禁を経験

最終回:母親が笑顔でいることが元気な子供が育つ要素

 

辻先生オススメ書籍

 

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 辻陽子先生のプロフィール

 熊本で病院施設勤務をしながら、約10年間の非営利団体での尿失禁予防の啓蒙活動を行う。開催講座は200回以上。延べ参加者数2500人以上。約3年前に家族で予防医学を軸にした一般社団法人を設立。会員制がん予防リスク評価事業と女性のヘルスプロモーション関連事業(病院・助産院・大学と連携。産前産後・尿失禁予防)を行っている。熊本地震をきかっけに産婦人科医院にて院内講座を開始。民間での他職種連携のもと第一次予防分野の普及に努めている。

【資格】
・理学療法士日本コンチネンス協会認定・コンチネンスリーダー
・APTA認定 骨盤底の理学療法Level1 修了
・ガスケアプローチ受講in Paris
・二児の母

【所属】
・一般社団法人FPランド 代表理事
・産後リハビリテーション研究会 副代表
・日本コンチネンス協会
・女性の為の異業種研究団体~with women~ 広報

 

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