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第二回:効率よく人生を楽しむ【森ノ宮医療大学|工藤慎太郎先生】

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成績は社会では価値がない。でも、良い成績を取りなさい。

 

― 先生の時代の人たちは、やる時とやらない時のスイッチがちゃんと切り替えられている印象です。

 

工藤先生 そうですね。私も林先生の授業では、すぐに復習していました。例えば、テストで、過去問そのまんま出題する先生の場合ですと、それだけしかやっていませんでした。今の学生もそうでしょうけど、もう少し効率よく人生を楽しんだほうがいいのではないかと思うことがあります。学部生によく言うのは、「テストでいい成績を取るだけじゃダメなんだよ」と伝えています。「学校のテストでいい成績を取っていても、世の中に出ると通用しない人なんてたくさんいるんだから」と、よく言います。

 

「学校内で順番付けられて満足していると、それこそ価値観の狭い人間になってしまうよ」と。勉強しなくてもいいですが、成績が悪いかどうかは別で「成績はとりあえずいい成績を取っておきなさい」ということも同時に伝えます。私もすごく勉強はしませんでしたが、成績は悪くなかったと思います。

 

たくさん勉強していても「患者さんがあなたに成績をつけることはないよ、他のスタッフがあなたに成績をつけることもない」ということも伝えています。社会とは、そういった世界ですから100点を取ることを目指しながらも、そうはいかないのが当たり前でもある。例えば「歩きたい」という患者さんが、歩けるようになったら今度は、「こんなことがしたい」という要望を伝えてくる方がいます。患者さんのリクエストにこたえながら、患者さんのQOLを上げていくことも私たちの仕事です。80点の仕事をしたから合格、ということはこの世界にはありません。「自分に対して正当な評価を出来る人間にならないと、世の中に出てから厳しいよ」ということです。

 

理学療法士の給与面は極めて高いわけではありません。うちの学校で言うと、年間160万円くらいの学費を払いますから、4年間で600万円ちょっと払わなければなりません。それを理学療法士になって、回収すると考えると、今のご時世では結構ハードなことです。だからそれ以外の所でやりがいや、生きがいを見出したりします。それももちろん大事なことですが、やりがいだけでは食べてはいけず、特に若い人に多い傾向ですが、不安で少しでも給料の高い所にポンポンと転職しています。

 

そうなると、得られるものは減ってしまうように思います。両方のバランスを保つためには、自分の能力を上げることを考えなくてはダメです。考え方を変えていかなければと。そういうことを伝えると、響く子と全然響かない子といます。響く子にだけ響いてくれればいいかなって思って、学生には話をしています。

 

生き残る人材になるために

 

― 考えられない人はこれから変えが効きます。そうしますと、今後生き残っていきにくくなるでしょうね。

 

工藤先生 そうですね。「これから残ってほしい人材と、残らなくてもいい人材は早くに分けられる時代になるかもよ」ということも伝えています。「3~5年で30%くらいの人が辞めていく」ということを聞いたことがありますが、それで言うと経営者側も5年以内に辞めちゃう人と5年以上残る人の見切りを早くにつける必要が出てきます。「この人はローテーションしても大丈夫」という人と、「この人には病院を支えてほしい」という人を分けるのではないかなと思います(2:8くらいで)。そんな人には病院も投資しなくなりますよね。

 

長期的なビジョンを持ってやっていくことが大事ですね。就職活動を指導していても、昔のように総合病院に就職して、急性期でいろんな人をみて4・5年たったら別のところに移動して、ということをよく聞きます。

 

私たちの先輩の時代であれば、キャリアの積み重ね方として正解だったかもしれませんが、今は4・5年たってもそんなに患者数を診ていません。急性期ならまだしも、回復期ですと患者さんの数が一日1人に1時間くらいかけて、一日に5人診て、その患者が3か月入院していますとなれば、1年間では大した人数を見ることができません。卒業生の話を聞いていてもびっくりすることがあります。

 

3年たって、100人くらい患者さんをみて「成長しました」というのは大間違いだと思います。やはり技術職ですし医師だって、手術数を何例やったのかという数字を重要視していますが、そういう認識が低いと感じます。そうなると「何年目だ」というのは、特に関係ないですよね。言いにくいですが、「回復期で何年やってきました」という理学療法士が整形外科のクリニックに来ても全然使えない人もいます.見るペースが違います。自分自身が、どういうキャリアを描いているのか、というのがマッチングしていないと、変なことになっていきます。

 

【目次】

第一回:第一回:YouTubeだけで勉強できる時代

第二回:効率よく人生を楽しむ

第三回:考え方の教育

最終回:温故知新

 

工藤先生オススメ書籍

 

工藤慎太郎先生プロフィール

【学歴】

2003 年 平成医療専門学院 (現:平成医療短期大学) 理学療法学科 卒業 2005 年~2011 年 愛知医科大学医学部 研究員 在籍

2011 年 鈴鹿医療科学大学大学院 医療科学研究科 医療科学専攻 入学・在籍 2013 年 鈴鹿医療科学大学大学院 医療科学研究科 医療科学専攻 博士後期課程

 

【業績(著書)】

 

【業績(論文)】

Kudo S, Hatanaka Y. Comparison of the foot kinematics during weight bearing between normal foot feet and the flat feet. The Foot and Ankle Online Journal 9 (1): 2

 

Kudo S, Hisada T, Sato T. Determination of the fascicle length of the gastrocnemius muscle during calf raise exerciseusing ultrasonography. J Phys Ther Sci. 2015 Dec;27(12):3763-6.

 

・Reliability of the Transverse Arch of the Forefoot as an Indicator of Foot Conditions.

Journal of Physical Therapy Science. May Vol. 24 (2012) No. 4 335-337. ・コメディカル養成校における『解剖画像教材』を用いた授業とその効果.

形態・機能. Vol. 6 (2007-2008)No.2 135-141 他・多数

 

【業績(学会発表 【業績(学会発表)】

・A comparison of the kinematics and kinetics of overground walking and a functional mobility task in healthy subjects.

2013 2nd congress, International society of posture and gait research にて発表

・Does hallux compression force influences the gait? WCPT‐AWP&ACPT 2013 にて発表 ・The development of measurement methods for flexibility of the transverse arch of the forefoot.

4th Asia society of Sport Biomechanics(2012) にて発表 ・超音波画像診断装置による固有背筋の観察.第 47 回日本理学療法学術大会(2012)にて発表

 

【活動】

形態学と運動学に基づく理学療法研究会 代表

【その他】

O.G.I.G (Obserbational Gait Instructor group) Advanced Class 修了

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