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最終回:もっと違う世界を見てみたい【植草学園大学|理学療法士 上倉將太先生】

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PTじゃなくても生きていけるようになる

なぜ、教員になられたのでしょうか?

 

上倉先生 純粋にいうと、いろんな事がやってみたかったんですよね。船橋整形にいた時も「このまま病院にいても、PTとしては成長出来るけどもっと違う世界をみたいな」と思って大学院に行きました。大学院で修士が終わった時に、今の東京メディカルスポーツ専門学校から教員で来てくれませんか?と声がかかりました。これが6年目くらいの時でしたね。

 

自分の病院に学校の事務の方々がわざわざ挨拶に来てくれたんです。そういった経験はあまりない事なので「本当に自分でいいんですか?」という感じでした。当時は、あまりやる気はなかったのですが、修士が終わってこれから臨床にフルタイムで戻るという時に、上司に言われたんです。「今までフルタイムで臨床出てなかったんだから、主任の席はないよ」と。

 

それで「そうなんだ」と思ったのを今でも覚えています。「じゃあ、教員やろうかな」と踏ん切りがつきました。営業活動をやりたいというのもあったんだけど、別に研究がやりたくて教員になったわけではないです。

 

ただ、ここ5年くらいはPTじゃなくても生きていけるようにという想いが強いですね。「君はPTになるんだから、これだけの事をしなくちゃいけないんだよ」という事を言うのが専門学校ですよね。大学でそれ言っちゃうと「自分はPTにならなくても別の道で生きて生きたいんです」というような子もいるんです。中にはプロゴルファーになる子もいましたし、そういう子に「一年PTやったら?」というとすごく嫌がるんですよね。

 

PTになるカリキュラムとしては、PT学科はすごくいいと思うんだけど、そこを卒業して別の企業で働くには少し弱いんだよね。それが植草の課題です。どこの大学でもそれは課題なんじゃないかな。社会人教育をどうやって行くのかというのが、PT学科共通の課題だとおもいます。この間学生に「井の中の蛙って知っているか?」と聞くと、知りません。と言われて衝撃でした。

 

今の子たちをみていると、一年目で、残業代つかないとか、ブラックだなんて嘆く子もいるけど、「そんなの最初は当たり前なんだぞ」と、思います。教員間では、「これからこの子達が日本を背負っていく世代になった時本当に大丈夫なのか?」と心配になりますよね。教育機関にいるけど100%は教育出来ないから。

 

ちゃんと出来ているのは4割くらいじゃないかな?と思います。後の6割はベースがいい子は良くなるし、ベースが悪い子は駄目になるから、そこの効率を上げたいなと思いますね。PTだけのことを教えていても太刀打ち出来なくなってきていますね。

 

先生の研究で、大学生世代の健康増進に関することを調べられていたのですが、具体的に教えていただけますか?

 

上倉先生 今データ取っていて、学内では発表したんだけど、高校生までは文科省で体力測定しますよね。それを医療系の学生で比べています。理学療法に限らず、看護と比較してどうなのかということも含めて。PTって忙しいから、一年生の時は体育の授業あるけど2年生からめっきり減りますよね。

 

でも、実習行ったら「腰が痛いです」とか「ヘルニアです」みたいなこと言いますよね。それってただの運動不足が原因じゃないのかなと考えています。それを調べようと思っています。理想はそれとGPA(Grade point average)の関係を調べようと思っています。

 

仮説ですが、体力がある子は賢いんじゃないかなと思います。遊びが出来て、勉強もできる子が生き残りやすいのかなと思っています。それを論文で言えるかは分かりませんが、ずっとデータを取っていって何処かに出そうかと思っています。

 

ただ、面倒なのは倫理上未成年のデータは親の承諾を得る必要があるのが、面倒ですね。今どこの大学もブランディング事業といって、研究費を文科省からもらうためにやっています。大学それぞれでオリジナルの研究をやっているかどうか審査されます。そこで、私たちも高齢者の体力測定をブランディング事業としてやっています。

 

― 体力がある子は賢いデータが出たら非常に興味深いです。最後になりますが、先生にとってプロフェッショナルとはなんですか?

 

上倉先生 プロフェスというのは“宣言する”という意味です。なので、自分の仕事をしっかり説明できる人のことですかね。

 

【目次】

第一回:オリンピックに行く

第二回:18年目にしてバスケA代表のトレーナーに

最終回:もっと違う世界を見てみたい

 

上倉先生オススメ書籍

SHOE DOG(シュードッグ)
Posted with Amakuri at 2018.9.1
フィル・ナイト
東洋経済新報社
完訳 7つの習慣 人格主義の回復
Posted with Amakuri at 2018.9.1
スティーブン・R・コヴィー
キングベアー出版

 

上倉將太先生のプロフィール

1996年 4月 茨城県立医療大学入学

2000年 4月 船橋整形外科病院就職(理学療法士)

2006年 3月 筑波大学体育研究科修士過課程修了「体育学修士」

2006年 4月 東京メディカル・スポーツ専門学校 専任講師

2009年 4月 千葉柏リハビリテーション学院 専任講師

2014年 4月 植草学園大学 保健医療学部 理学療法学科 助教

2018年 3月 順天堂大学スポーツ健康科学研究科博士後期課程修了「スポーツ健康科学博士」

2018年 4月 植草学園大学 保健医療学部 理学療法学科 講師

2011年〜 運動器専門理学療法士

2012年〜 日本体育協会(現、日本スポーツ協会)アスレティックトレーナー

 

【トレーナー活動歴】

平成15年4月~ 柏市立柏高等学校女子バスケットボール部トレーナー担当

平成24年10月 高校バスケットボール部の専属トレーナーとして従事し、選手に対し、体調管理や応急処置、トレーニング指導を実施した。

平成18年度 千葉県バスケットボール国体チーム少年女子トレーナー担当

国民体育大会に参加する千葉県代表チームのトレーナーとして、選抜選手に対し、体調管理や応急処置、トレーニング指導を実施した。

 

平成21年3月~現在

柏市立柏高等学校男子バスケットボール部トレーナー担当

高校バスケットボール部の専属トレーナーとして従事し、選手に対し、体調管理や応急処置、トレーニング指導を実施した。

 

平成23年度~25年度

千葉県バスケットボール国体チーム少年男子トレーナー担当

国民体育大会に参加する千葉県代表チームのトレーナーとして、選抜選手に対し、体調管理や応急処置、トレーニング指導を実施した。

 

平成25年度〜現在
 

関東大学男子バスケットボール連盟強化部トレーナー部会員

平成29年度より関東大学男子バスケットボール連盟医科学部会に改偏

医科学部員として、関東大学男子バスケットボール連盟所属大学の公式戦での医務対応や、強化合宿・強化遠征、選抜大会等へのトレーナー帯同を行っている。

 

平成26年度〜現在

白鷗大学男子バスケットボール部トレーナー担当

関東大学バスケットボール連盟1部所属大学バスケットボール部の専属トレーナーとして従事し、選手に対し、体調管理や応急処置、トレーニング指導を実施した。平成28年度インカレ(全国大会)3位、29年度インカレ(全国大会)4位に貢献した。

平成27年度~現在 日本バスケットボール協会男子サポートトレーナー登録

平成27年度 日本代表男子U16チームのカテゴリー担当トレーナーとして活動

平成27年10月 男子U16日本代表チームトレーナーとして、第4回FIBA-ASIA U16男子選手権大会(インドネシア・ジャカルタ)に参加。

平成28年8月 男子U18日本代表チームトレーナーとして、第28回日韓中ジュニア交流競技大会バスケットボール大会(中国・寧波)に参加。

平成28年9月 男子日本代表チームトレーナーとして、2016 FIBA ASIAチャレンジ(イラン・テヘラン)に参加。

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