第九回:会員を守るために“戦える集団”をつくる【半田一登先生】

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前回からの続き

理学療法士から議員を選出する意味

ー 結局は自分たちを守るために“政治力”が必要になると思います。その点に関して、半田会長のお話をお聞かせください。

半田会長:今、私に必要なことは「どうやって会員を守るか」ということです。そうしますと、官僚の力と政治の力を借りる必要があり、私がやるべきことです。私が会長になった時、かなり批判された言葉があって、「私はこれから“戦える集団”をつくる」と言いました。

 

あくまでも“戦う”集団ではなく“戦える”集団ということです。そういう力を持たないと、食いつぶされてしまいます。当然、政治力だけでなくエビデンスなどにおける、科学性、技術力も含めて、戦える集団をつくろうと思っていました。

 

そういう言葉を使いましたら、えらい勢いで怒られまして、誤解もありました。あくまでも、どんなことが起きてもいいように、準備をしておこうということです。そういう集団づくりのためには、政治力が重要です。

 

もちろん、私が非常に親しくしている政治家の方々も多くいますが、我々の意見だけを受け入れるわけにはいきません。そうなれば、我々理学療法士の意見をしっかり政治の中で発言する議員を、理学療法士の中から出す必要があるのです。

 

 ですから、2年前にも参議院議員小川克巳を誕生させるべく活動をしたのです。政治家になった後は、我々がどうその政治家を使うのか、ということです。我々組織が、政治家になれるよう万全のバックアップを行なったのですから、我々の要望を全て国に伝える義務が、その政治家にはあります。

 

それが小川議員に求めたことです。そして小川議員に続く政治家の活動も、我々理学療法士にとって大きな意味を持つということを知っておいてください。

130,101票

半田会長:少しその辺りの話をしますと、小川議員が公認をもらって活動を始めたころは、協会には9.5万人の会員がいました。それが選挙の結果会員数を大幅に超える130,101票を獲得したのです。

 

当時、小川克巳全国後援会の会長をしていた私は、政界関係者に呼ばれて「半田さんのところは9.5万人の会員なので、4万票くらいしか集まりません」と言われました。私は「そんなことない。私は10万票集めます」と、啖呵をきったのです。「私は会員を信じていますから」と。

 

理学療法士たちの力は安定的で、すごい組織だと政治関係者の方々も思いはじめています。それを決定的にするため、次に向けた活動はとても重要になってきます。理学療法士の資格を持った政治家が複数いるという事が「会員を守ること」になり、その存在は、我々の“戦える”ための武器となるのです。

 

ー 地域の仕事をしていても、その地域の有識者を押さえられるか否か、が非常に重要だなと感じます。

半田会長:結局は人間関係だからね。秘書からも「半田会長、人にツイてますね」って言われるけども、自分でもそう思っています。昨日もそれを感じることがあって、パラリンピックの話し合いで、障がい者スポーツ協会の方と話す機会がありました。

 

その方とは2年ほど前からお付き合いがあって、厚生省時代に北九州市へ着任したことがあったようで、その話に花が咲きました。

 

よくよく話していくと、その方が北九州市にいた際、女性の理学療法士の方から「厚生省のキャリアだったら障害者問題をもう少し考えたらどうだ!」と言われて、ご自身でもハッとされたそうで、東京に戻ってからも障害者問題に取り組むようになって、今のポジションについたという方でした。

 

「その時の理学療法士の名前も“ハンダ”さんだったんです」というので、「それは私の女房です」と。その一件以来、その方とも非常に近しい関係になることが出来ました。私はそういうご縁が非常に多いんですよ。なんだか、神様のお導きのような感じがしています。

 

ー 個人的に、認定理学療法士必須研修での半田会長のお話で、欧州と日本の身体と心に関する理解の違いについての話が、非常に興味深かったです。

半田会長:これを象徴としているのが、日本で臓器移植が広がらない理由にあるのですが…

続くー。

 

【目次】

第一回:PT養成校に入学するに至った不純な動機

第二回:聖域なき構造改革

第三回:理学療法士になって良かったとつくづく思う

第四回:世界の中心で理学療法と叫ぶ

第五回:開業権の話をしよう

第六回:PTが介護士になれば介護士不足は解消する?

第七回:競争社会を作る

第八回:理学療法士ライセンスの希少性

第九回:会員を守るために“戦える集団”をつくる

最終回:リハビリテーションの概念改革

 

半田一登会長のプロフィール

1971年、九州リハビリテーション大学校卒業 後、労働福祉事業団(現・独立行政法人労働者健康福祉機構)九州労災病院に入職。

1987年、社団法人日本理学療法士協会理事に就任し、2007 年より同協会会長を務める。  

日本健康会議 実行委員、チーム医療推進協議会 代表、一般財団法人訪問リハビリテーション振興財団 理事長 等 

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第九回:会員を守るために“戦える集団”をつくる【半田一登先生】