ミャンマーのリハビリテーションについて

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リハビリテーション分野の歴史

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ミャンマーでのリハビリテーションの歴史は古く、私の配属先の国立リハビリテーション病院の前身である国立障害者病院は1958年に設立されています。ヤンゴン総合病院では1953年に理学療法科が開設され1955年に英国人PTが配置されています、1958年~60年頃には 英・米国などで教育を受けたリハ医、PT、OTによってリハビリテーション医療サービスが開始されており、日本とほぼ同時期に近代的リハ医療が導入されていました。

実は養成校のスタートは日本とほぼ同じ

1964年にヤンゴン総合病院内で理学療法士の養成が始まったのも日本での国立療養所東京病院付属リハ学院におけるPT・OTの養成開始とほぼ同時期です(同様にWHOからの支援を受けて)。大きく違うのはOTの養成が始まらなかったことと、その後の展開でしょう。実際、1960年台までは、東南アジアで経済的に最も発展していた国がビルマだったので、医療の面でもその当時は東南アジアの先進国だったようです。その後の軍事独裁政権による統制経済や実質的鎖国政策により経済・社会の発展が長らく停滞した時期においても、CBRの実施(1982年、東南アジアでは最も早くからCBR活動が開始されていた)や地雷被害者への義肢提供などが国際機関の支援により継続されるとともに、PTなどの医療職養成も大学学士課程(2000年)へと移行するなど一定の進歩がみられていました。

JICAによる支援が大きい

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ただし、リハを含む医療全般・障害者福祉などの面での大幅な立ち遅れは否めず、2008年から5年間、ミャンマー政府からの要請によりJICAのリハビリテーション強化プロジェクトが保健省をカウンターパート(Counterpart:C/P)機関として、2008年7月23日から2013年7月22日までの5年間の計画で、国立リハビリテーション病院(National RehabilitationHospital:NRH)を中心に基本的な医療リハビリテーションサービス機会の増大、サービス提供者の技術の向上などをめざして実施されました。

このプロジェクトにより、NRHにおける機材の整備やPTの知識や技術の向上、研修体制の構築、患者リファーラルの体制強化等が図られ、ミャンマーの医学的リハビリテーションは一定の質的・量的拡充が進みました。しかしながら、作業療法士や言語聴覚士等の専門職の養成開始にまでは至らず、理学療法の面でも物理療法偏重の傾向から抜けきれない状況にあり、その他の側面を含め総合的・包括的リハビリテーションが普遍化するには今後も多くの面で改革と発展を進める必要があります。

大塚進先生経歴

経歴

 国立障害者リハビリテーションセンター勤務を経て、7年間の大学教員の後、2010年10月からJICAシニア海外ボランティアの作業療法士としてタイに赴任。2年強の活動を終えて、2014年2月から12月までは、ミャンマーの国立リハビリテーション病院にJICAシニア海外ボランティアの作業療法士の短期ボランティアとして活動された。

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