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平均的な高齢者像では語れない「多様性と格差」の時代到来へ

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昨年、片山睦彦藤沢市福祉健康部長や川越 雅弘埼玉県立大学研究開発センター教授ら、有識者11名を集めて開催された「地域包括ケア研究会」の報告書が公開されている。

▶︎ 2040 年:多元的社会における 地域包括ケアシステム ―「参加」と「協働」でつくる包摂的な社会―

 

2040年、つまり今から約20年後(ぜひ、自分が何歳になっているのか計算してみてほしい)には「平均的な高齢者像では語れない多様性と格差の時代」「家族介護を期待しない・できない時代」がやってくる。

 

実際、2040年問題というと語られるのがネガティブな点が多いが、実は日本の高齢者の平均体力は年々向上しており、直近15 年間で高齢者の身体状況が5歳程度若返っていること、高年齢者雇用安定法の改正以降、65 歳以上の就労環境は継続的に改善されており高齢者の社会参加も進んでいるといったポジティブな変化も報告されている。

 

しかし、これはあくまで社会全体の平均値としての変化であり「多様性と格差」が生じてくる。すべての高齢者が75歳まで働き、地域の体操教室に通い、地域の助け合い活動に積極的に取り組めるほど心身状態が良好なわけはない。また、地域内の付き合いを好まない人や閉じこもる人もいたり安定的な職業人生を定年まで送ることが難しい人もいたり、社会はより多様化していることだろう。

 

2035年には、高齢者に占めるひとり暮らしの割合が2割近くになると推計されているし、男性の生涯未婚率も2040年には約3割に達すると見込まれている。つまり家族介護も期待できないようになる。今の団地暮らしのような、近隣の知人・友人との関係性の中で生活している人も少なることが予想され、つまりは共助よりも自助で課題を解決しなければならなくなるかもしれない。

 

そういった高齢者の暮らしの変化に、リハビリテーション職はどのように考えアクションを取るのか。ぜひ一読し、みんなでディスカッションしていきたい。上で紹介したのは報告書のごく一部であり、すべて読むには時間がかかるかもしれないが、必読の資料であると感じる。

 

 

平均的な高齢者像では語れない「多様性と格差」の時代到来へ

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