阿部勉先生-在宅リハの未来を考える理学療法士(PT) -no.1-

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朝までコンビニでバイトしてました。多分もうすぐ来ると思います。

POSTインタビュアー土屋:学生生活はどのように過ごされていましたか?

阿部勉先生:学生生活はバイト三昧でしたね。いろいろな経験をしました。かなりやりました。市場の魚売りからコンビニのアルバイト、引っ越し屋、マラソン大会の誘導もやりました。北海道マラソンがあるのですよ。あとは塾講師や家庭教師、いろんなバイトをやりました。

インタビュアー土屋:いろいろなバイトを経験されたのですね。

阿部先生:バイトはたくさんやりましたね…うちの学校はみんなやっていました。苦学生が多かったですからね…。お金がなくてね。だから学校で、先生が朝点呼するときいないと、“あいつ朝までコンビニでバイトしてました。多分もうすぐ来ると思います”みたいな(笑) あの時だからOKなことですよ。あの時はね。遊びも結構やっていました。みんなでキャンプ行ったり、登山マラソンしたり、野球やったり、学園祭も泊まり込みで準備してやっていました。

POSTインタビュアー土屋:就職をしたのはどこですか?

阿部勉先生:学校の先輩が東京の病院にいくつか就職してまして、丁度東京都老人医療センターで働いていた先輩のところに見学に行ったところ、東京都老人医療センターは17時で上がれたので、そこに就職しようと思いました。病院勤務後、自分の時間を大切にしたり、別のことをやりたいなと思って。メリハリが大事かなと。それからやっぱり、高齢者が元気にならないといけないなと学生のころから思っていて、高齢者専門の病院に行こうとも思っていて、当時、高齢者医療に関して先端的に取り組んでいたところでもあったので、就職しました。10年間勤めました。

インタビュアー土屋:10年間勤めていて、どのようなことが勉強になりましたか。

阿部先生:そこは、産科と小児科以外はすべてある病院で、グループに分かれて、中枢、整形、呼吸循環、外来の4つのグループで分かれており、全部順番に回りました。 だから、すごい勉強になりました。外科だと手術後直後からICUに入って、いかに人工呼吸器を装着しないようにするのか、ドクターやナースと朝までやっていましたし、 日本で最初の、今でいう「通所リハ」を最初にやっていたのも勤めていた病院でした。教科書をみると載っていると思います。 「デイホスピタル」というのがあって、利用者さんは朝から病院にきて、PT,OT,STそれぞれやって、リハビリの合間に外来に行き、ドクターに診療してもらい一日過ごすというのが昭和47年からやって、昔はリハ職種は割と縦割りだったのですが、そこはもう既にいろいろな職種が協働で動いていました。それはそれで勉強になりました。

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デイホスピタルとは

POSTインタビュアー土屋:今でいうチーム医療のような形でしょうか。

阿部勉先生:そうですね。今は日本にデイホスピタルというものはないですね。通所リハという形に変わってきています。 こないだフランスに行ってきたのですが、向こうにデイホスピタルは結構あり、向こうは1日入院という形で、朝来て、PT、OT、STやって、夕方帰るという形です。 日本で捨ててきたものがあったって感じですかね。水治療法も盛んにやっていましたね。日本では水治療法は今ほとんどやっていないですからね。

インタビュアー土屋:なるほど。デイホスピタルはデイサービスの病院バージョンみたいですね。デイホスピタルは何が違うのでしょうか。

阿部先生:退院した後でも医療依存度が高い方がリハビリテーションを受けることができるという点ですかね。

POSTインタビュアー土屋:自宅で生活しつつ、病院で入院していた時のように集中してリハビリテーションが受けることができるということでしょうか。

阿部勉先生:そうですね。今後日本でも必要になるのではないかなとは思います。 フランスの場合は在宅入院というシステムがあります。「HAD」というのですが、自宅にいながら、病院と同じケアを受けることができるシステムです。 日本でも導入したいといろいろなところが考えています。厚労省などですかね。

朝、看護師さんが来てバイタルチェックして、そのあと理学療法士がきてリハビリテーションをやり、午後ドクターがきて診察して、また夕方に看護師さんが来てバイタルチェックという病院に入院していたらやっていることを自宅で行うという形です。 そうするとやっぱり医療コストがすごく下がります。 フランスはなぜ在宅入院を取り入れたのかというと、医療負担が大きくなってきたのでそれを解消するためです。 そのため、とりいれたところすごく効果があったということなのです。

POSTインタビュアー土屋:それはすごいですね。これから日本でも導入されるのでしょうか。

阿部先生:導入していかないと大変なことになるとは思いますがフランスとまったく同じ形を持ってくるというのはできないと思うので、日本版は?というのは前から言われていることなのですが、 まだまだというところですかね。やっと地域包括ケアシステムが始まるところなので。だんだん近づいていけばいいとは思います。 

今週末訪問リハビリステーションフォーラムが開催されます。

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「訪問リハビリテーションフォーラム2015」が、5月23日に東京で開催されます。
主催は日本理学療法士協会、日本作業療法士協会、日本言語聴覚士協会です。

今回のテーマは、『在宅リハビリテーションによる「活動」・「参加」へ向けた自立支援』で、講演とシンポジウムが開かれます。

医療・保健・福祉関連職種に限らず、一般の希望者も参加可能。定員は500名、参加は無料です。

日時
2015年5月23日(土) 9:30~12:30(受付開始8:45)

会場
東京ビックサイト(東京国際展示場)1階レセプションホールB 東京都江東区有明3-11-1

申込フォーム
https://fs219.xbit.jp/n954/form6/
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阿部勉先生経歴

平成4年 東京都老人医療センター理学療法科勤務
平成6年 東京理科大学 理学部物理学科卒業
平成14年 筑波大学大学院 教育研究科リハビリテーションコース卒業
板橋区役所前診療所勤務
東京都老人総合研究所 疫学部客員研究員兼務
平成15年 リハビリ推進センター株式会社代表取締役
平成20年 植草学園大学 保健医療学部 講師兼務
平成22年 首都大学東京大学院 後期博士課程 修了

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♯訪問リハビリ ♯デイホスピタル ♯理学療法士



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