打倒〇〇とはよく言ったもので、私が現役時代は円陣組んで「打倒〇〇」と連呼したことを思い出します。そんな平成の死語、もとい昭和の死語である「打倒〇〇」を感じさせる書籍が、この度三輪書店から発刊されました。
すでにSNSを賑わせている本書籍ですが、毎度お馴染み町田志樹先生の著書でございます。町田先生は、解剖学を専門としているためか、日々筋トレに励んでいることで、人一倍筋肉に覆われています。ミイラ取りがミイラになるとはよく言いますが、町田先生もそれに近い状態まで、筋肉が躍動しています。
さて、そろそろ書評に参りたいと思います。
明らかに狙っている
タイトルでも書かれていますが、明らかに例の書籍を意識した作りになっています。ただ違うのは、動画と音声がついているというところでしょうか。ん?音声?町田先生を知る多くの療法士は「町田先生=音声」と聞き、98%の方が“口角挙筋”に痙攣が生じたことと思います。
でもご安心ください。心地よい女性の声で、丁寧に起始・停止等を教えてくれます。
動画はスライド形式で、イラストによって丁寧に解説されています。さぁいよいよ中身を見ていきましょう。
いまさら聞けない解剖学改めやっぱり細かい解剖学
町田先生から解剖学の話を直接聞いたことがある方はわかると思いますが、解剖学マニアです。誕生日プレゼントには、筋肉に関連する何かをお渡しすれば120%喜んでいただけると思います。
本書籍は、比較的若い方、それも養成校1年生くらいの方が手に取っても十分理解できる解剖学書です。だらだら長い文章で書かれているものではないので、サクッと読めます。
また、国試にでるポイントが含まれているので、学生にはオススメしたい書籍です。だからと言って、臨床に生かされないというわけではありません。理由は解説にあります。
具体的に書きますと、上腕二頭筋腱膜、肘筋の解説、ここまで細かく説明されているのは、専門書ではあまり見ません。また、長掌筋、小腰筋に関する記述も注目です。
また、付録として筋の名称が書かれているのですが、英語読みをカタカナ表記してくれている点も、あまり見ないものだと思います。
ぜひ一度、目を通してみてください。