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老いは劣化?僕が最高にイケてる高齢者の写真展をやるワケ【山田修平】

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華麗な加齢。

 

今年の8月、愛知県東海市にある公園内に、キャッチーなキャプションボードと共に、麗しいファッションを着た高齢者の写真、約20枚が展示された。

 

“最高にイケてる高齢者の写真展”を企画・実施したのは、23歳の理学療法士、山田修平さんだ。

 

「僕は、人間のビンテージってありだと思っていて。一般的な”老い”のイメージを変えたいんですよ。」

 

ピッコロが“不老不死”を求めて地球にやってきたように、アンチ(抗う)エイジング(加齢)という言葉があるように、多くの人は”老い”に対してネガティブなイメージを抱いているのではないか。

 

今回、写真展開催に至った経緯や、加齢に対する違和感について教えていただいた。

 

 

ケアする?される?

 

ー まず初めに、なぜ写真展を開催しようと思ったのか教えてください。

 

山田 歳を取ることとファッションを掛け合わせたいと考え始めたのは、だいたい去年の暮れぐらいからです。

 

理学療法士になるまでは、高齢者が好きとか特には考えたことはなかったんだけど。理学療法士になって、1年間回復期に配属されて、高齢者と接しているうちに、「歳を取ることって素敵なことなんだ」と、惹かれはじめました。

 

例えば、僕らは理学療法士としてサービスを提供する側なのに、逆に高齢者からケアされているような気分になることを経験したりとか、僕らが知らない豊富な経験知を持っていたりとか。

 

実際、恋愛のことで悩んでいて、認知症のおばあちゃん(患者さん)に会話の中で相談してみたことがあったんですね。そうすると、革新的な答えが返ってきて、そこには見返りのない無償の愛を感じて。「老い」って別に悪いことじゃないんだなと思いました。

 

それで、写真展をやろうと思ったのは、シンプルに自分がファッションを好きだったからですね。掛け合わせたら面白いんじゃないかと思って。最初は、高齢者をモデルにしたファッションショーをやろうと思ったんですけど、そういうことあちこちで話していたら、たまたま知り合いから「会場を無料で貸してあげられる」と、話しをもらいました。

 

ファッションショーというと色々準備がかかったりしてすぐにはできないので、それで、お洒落な高齢者の写真を展示したら面白いんじゃないと思って開催しました。

 

 

twitterでの呼びかけに多くのリツイート、イイねが集まった

 

経年変化、楽しもうぜ

ー “老いは悪いことじゃない”という話しがありましたが、山田さんは「老い」に対してどんなことを思っているのか、もう少し詳しく教えていただけますか?

 

山田 そもそも「老い」って、誰しもが経験する当たり前なことじゃないですか。いたって普通のことですよね。それをネガティブに捉えていることがおかしいと思っています。

 

シワが増えるとか、目が見にくくなくなるとか。それっていつか誰しもが必ず経験することですが、それが悪いイメージがある。当たり前なことを嫌がるというのは、なんか違和感ですよね。

 

写真を撮ってきて気づいたことは、みんな本当に生き生きしている。僕が思う「最高にイケてる高齢者」というのは、決してアンチエイジングを目指しているわけじゃなく「シワもあるし、白髪だけど、これが素敵でしょ」っていう感じです。

 

 

例えば、革の財布とか、デニムジーンズとかって、年を増すごとに渋みとか深みとか出るじゃないですか。僕は、人間のビンテージもありだと思っていて、「経年変化を楽しもうぜ」って思います。

 

「いいじゃん、シワとか最高じゃん。」「シワって経験詰まっていて、かっこよくない?」って。

 

今後は、若者と高齢者の接点を作りながら、世間の老いに対するイメージを払拭していきたいと思っています。歳を取ることを考え直すきっかけ作りをしていきたいと思っています。

 

来年の1月24から26日には、今度、原宿DESIGN FESTA GALLERYにて「最高にイケてる高齢者の写真展」を開催するので是非見に来てください。

 

最高にイケてる人生

ー 山田さんは、まだ理学療法士になって2年目ですが、とても活動的に動いていますよね?その原動力は何なんですか?

 

山田  病院で働いていて思ったのは、医療ってとても限定的だと思ったんですよね。人生の一部分しか関われない。もっと医療の外で関わる活動がしたいと感じて、でも無知だったからまずは、医療の外で動いている人の意見を、たくさん聞きに行きました。

 

どうせ参考にするなら、その道のトップの人たち、第一線にいる人がどういうことを考えているのか聞きたいと思い、あちこちのコミュニティーに顔を出すようになりました。

 

今は、ネット上には情報が溢れすぎているから、活動内容だけでは、その人が本物かどうかなんて分からないじゃないですか。口が上手ければ、いいように見せれてしまうので。そうではなく、自分の目で見て、喋って、オーラとかも含めて感じたいと思いました。

 

僕は、王道的な道を行くより、ちょっと外れて周りの草むらに飛び込んでみるというのが楽しいという価値観を持っていて。他の世界を知ることでもっと多様なものが見えてくるはずだと思っています。

 

同世代のセラピストにも「理学療法士はこうあるべき」という呪縛に囚われて欲しくないとは思っています。自分が好きなことやって、新しいものを創り出して、失敗したら「やばかったなー」って笑いあって、それでまたチャレンジする。

 

それが、自分にとっては最高にイケてる人生だと思っています。

 

 

老いは劣化?僕が最高にイケてる高齢者の写真展をやるワケ【山田修平】

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