今年12月、早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構の藤枝俊宣研究員客員准教授らが、ピッチャーの投球時の手のひらの筋活動を世界で初めて計測することに成功した。
研究グループは、電子ナノ絆創膏をピッチャーの手のひら(短母指外転筋)に貼り、ストレートとカーブを投げた際の前腕と手のひらの筋活動を比較した。電子ナノ絆創膏とは、皮膚に貼ることで表面筋電図を計測できる極薄電極のことである。
また、投球での激しい運動時、電気的接続を可能にするために、ウェアラブル伸縮配線を新たに開発し、筋活動の計測を可能とした。
その結果、ストレートとカーブにて前腕では球種間でほとんど違いがみられなかったが、手のひらでは力を入れるタイミングにて若干の違いがあることが判明。
今後の展開として、電子ナノ絆創膏と伸縮配線を組み合わせたデバイスは、あらゆるスポーツにてアスリートのパフォーマンスを解析するためのツールとして利用でき、イップス改善法策定に向けた一助となることが期待できるとのこと。