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【UG】基礎医学シリーズ解剖学編―足部内在筋―|トレーニング5選

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皆さん、こんにちは。火曜日担当の藤本裕汰です。本日もよろしくお願い致します。先週は歩行の評価についての解説をしました。重要な知識になると思うのでぜひ参考にして頂けたら幸いです。本日は基礎医学シリーズの第17回として足部内在筋について解説していきます。

解剖学的特徴

足部内在筋は足部に起始停止を持つ筋であり、1~4層で形成されています。表層から1層と数え、1層は母趾外転筋、短趾屈筋、小趾外転筋が含まれ、2層は足底方形筋、虫様筋が含まれます。3層は短小趾屈筋、母趾内転筋、短母趾屈筋が含まれ、4層は底側・背側骨間筋が含まれます。

少し筋が多くて分かりにくいですが起始停止・作用・支配神経は以下の様になります。参考にしてみて下さい。

足部内在筋は小さい筋肉ではありますが、非常に重要な役割が存在します。1・2層は内側・外側の縦アーチに関与し、3・4層は横アーチに関与します1)。そのため、臨床の中でも非常に重要であり、評価する必要がある筋肉であると考えることが出来ます。

また、足部の安定化には①ニューラルサブシステム②アクティブサブシステム③パッシブサブシステムの3つの機能が必要であり1)、相互に作用しています。ニューラルサブシステムは感覚受容器が関与し、アクティブ・パッシブサブシステムのコントロールに関わります。アクティブサブシステムは筋・腱が関わります。パッシブサブシステムは骨・靭帯・関節包が関与し、伸張されることで制御するものになります。このシステムは体幹のコアに似ていることからフットコアシステムと定義されていま
す。

アクティブサブシステムの中には外在筋と内在筋があり、2つの筋群が制御に関わっています。外在筋は足部の動きに関わります。内在筋は足部の安定化やアーチの形成に関わり、役割が異なることが特徴になります。また歩行においても足部内在筋の収縮が非常に重要であり、立脚後期では足底腱膜に加え足部内在筋の収縮も関与していると報告されています。

足部内在筋の問題点

足部の内在筋の問題で非常に大きい要素としては筋力低下になります。それぞれの筋肉によって、筋力低下により生じる現象などは様々です。全体として筋力低下が生じると足部外在筋の過剰努力に繋がり疼痛にも繋がる可能性があります。

先ほどお伝えしたように足部内在筋はアーチにも関与しています。足部のアーチが低下することで内側縦アーチを構成する骨などの負荷が増加することや足底筋膜・足部外在筋に対する負荷にも繋がります。内側縦アーチの低下により疲労骨折や足底筋膜炎の発症に関与するという報告もあり3)、大きな問題になるため注意が必要になります。

また、足部の内在筋は姿勢制御にも関与します4)。そのため、疲労や疼痛だけではなく、足部内在筋の筋力低下により転倒リスクに繋がることもあります。そのため、筋力低下に関しては必ず評価・介入することが必要であると考えられます。

足部内在筋の評価

足部内在筋の評価に関しては確立されていません。実際の臨床の中での評価としては片脚立位により評価する方法が有効であると報告されています5)

片脚立位の際に足趾が過度に屈曲している場合は足部外在筋優位であり、内在筋の筋力低下が考えられます。そのため、片脚立位において足趾の状態を観察することが非常に重要になります。

また直接的に評価ではありませんが内側縦アーチの評価を行うことも有効であると考えられます。内側縦アーチの評価としてはNavicular drop testがあります。Navicular drop testとは座位と立位での舟状骨の位置を触診し、舟状骨の変化を評価します。正常は6〜8mmで10mm以上は異常であると判断します。

足部内在筋トレーニング5選

ここからは足部内在筋のトレーニングの紹介をしていきます。本日は5つのトレーニング内容について解説していこうと思います。

【UG】基礎医学シリーズ解剖学編―足部内在筋―|トレーニング5選

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