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学会発表で「理学療法士」の職業欄がない【田舎中真由美先生|産後の腰・骨盤の治療のスペシャリスト】

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学会発表で「理学療法士」の職業欄がない

ー 先生が女性分野や泌尿器科にフォーカスを当て始めたきっかけはなんですか?

 

田舎中先生尿失禁の治療がきっかけですが、尿失禁の勉強をするまでは、私も骨盤底なんて勉強したこともなかったし、解剖にも出てなかったよなという状態でした。最初に就職したところは、慢性期の片麻痺を見たくて、就職しました。ボバースでも体幹がとても重要だというけど、横隔膜などの話はあっても、骨盤底筋の話はあまりなくて。

 

その後オーストラリアの先生方の報告が出てきたり、インターリハに入りながら福井先生や柿崎先生に出会って、研修や勉強をしていく中で、骨盤底の重要性を更に感じました。姿勢による骨盤底の働き方の違いも興味を持つようになりました。

 

あとは、自分自身も出産をして、日本ではほとんどケアをされないから、必要性を感じたんですね。

 

変形性股関節症の方の骨盤底、片麻痺の方の骨盤底は、疾患があってですが、そうではなく妊娠や出産を経験した方は急に変化が起きてしまう。出産後は骨盤底の排泄機能の問題や運動器の問題などのマイナートラブルが多く出てくるのに、どこに行ったらいいかわからない。そこから体が変わっていく人が多いのかなと思いました。

 

息んで出産することで、体の使い方や腹圧のコントロールの仕方が変わってしまう人がいるので、そこをもうちょっと介入して体を変えられたら、お年を取られた時に体の使い方が違うのではないかと思ったのがきっかけかなと思います。

 

ー 出産後も大事だと思いますが、出産前の息み方や体の使い方も大事だと思いますが、先生はどのようなビジョンがありますか?

 

田舎中先生理学療法士がこういうことが出来るということを誰もわかっていないですよね。だから私たちが何ができるかをしっかりアピールしていかなければいけないのかなと思います。

 

婦人科の先生のところに行っても、本当に相手にされないですからね。理学療法士協会の中だけではなくて産婦人科や泌尿器科の先生にもっとアピールしたいと思っています。

 

泌尿器科だと、完全に外科の世界になってきちゃうので、手術で切った患者さんとかではない方を対象にしたかったので。産婦人科の方が、わかってもらいやすいのかなという思いもあり、産婦人科系の先生が集まる学会でやっている内容を発表することを考えています。

 

今は産婦人科系の学会に行っても、職業のところに”理学療法士”の名がないのね。だから”その他”に付けるしかない。悲しいと思います。

 

助産師さんが独自に整体という形でやっているんだけど、調整するくらいで終わってしまうようです。産婦人科医と助産師と連携して理学療法士が得意な妊娠・出産で弱くなったところを強化していく、更に体の使い方を変えていくことで、生活動作を改善していくことができるとアピールしたいですね。

 

自分たちで動いて領域を開拓していく

ー 学会発表から変えていきたいと?

 

田舎中先生そうですね。本当に地道なところなのですが、そういうところからじゃないとなかなか伝わらないのかなと思うので。勉強会をやらせてほしいと産婦人科の先生にお願いしたら、呼んでもらえる機会があったので、去年からそこに行き始めています。

 

なかなか待っていても来るものでもないし、自分で動いていくとか発表していくことで、興味を持ってもらえるようにっていう感じですかね。

 

もう少しなんとかしたいけど、現在の協会の中だけだとどうにもならない部分もありますからね。

 

ー 協会はそういう分野がないですもんね。

 

田舎中先生なかなかPT学会だけで発表してもどうかなと思って。逆に今、文京学院に授業をしにも行っているのですが、こういう科目を作ってくれることが学校側が凄いなと思います。選択科目なので私は気楽ですが。

 

ー 選択科目はとても楽しいです。女性の学生が多いですか?

 

田舎中先生この間は凄い女性の学生さんが多くてびっくりしました。いつもはもう少し男子学生がいて、なぜかわからないんだけれど、前を男子学生さんが占めているんです。

 

ー それは先生のファンですよ。絶対。

 

田舎中真由美先生経歴

平成7年 信州大学医療技術短期大学部理学療法学科卒業

平成12年 保健衛生学士取得 

<資格>

理学療法士・保健衛生学士・介護予防主任運動指導士・心臓リハビリテーション指導士  

<所属>インターリハ株式会社 フィジオセンター事業部

<職歴>

平成7年4月熱川温泉病院就職・平成10年9月米国にて尿失禁の理学療法の研修受講・10月~3月熱川温泉病院退職(非常勤勤務)・10月~3月信州大学医療技術短期大学部理学療法学科非常勤研究員・平成11年4月インターリハ株式会社就職

<執筆>  

1. アメリカにおける尿失禁プロジェクト:Carol Morodomi・他,田舎中真由美・藤原孝之訳.理学療法,16(4),261-265,1999.

 

2. 尿失禁の理学療法‐米国における尿失禁プロジェクトの紹介‐:田舎中真由美・藤原孝之.理学療法,16(8),640-645,1999.

3. いわゆる筋肉痛(筋原性疼痛)に対する電気刺激療法:田舎中真由美・藤原孝之.理学療法,18(5),507-512,2001.   

4. スリングエクササイズセラピーの理論と実際Ⅰ:田舎中真由美・山本泰三.理療,32(2),68-79,2002

5. スリングエクササイズセラピーの理論と実際Ⅱ:田舎中真由美・山本泰三.理療,32(4),52-60,2002 

6. 排泄障害の検査・測定,理学療法:田舎中真由美.20(1),181-188,2003

7. 企業内研究の仕事,理学療法士プロフェッショナル・ガイド. 田舎中真由美.細田多穂,半田健壽ら編集,文光堂,230-232,2003 

8. 医療機関のリハビリテーション戦略:田舎中真由美,イニシア,2003

9. 診療所のリハビリテーション戦略:田舎中真由美,イニシア,2003

10. 泌尿器系障害に対する理学療法:田舎中真由美,理学療法,21(6),2004

11. 尿失禁がある人への評価と運動療法:田舎中真由美,秋季号,No55,2004 

12. 尿失禁予防のためのトレーニング2008:田舎中真由美,月間デイ

13. 骨盤底筋群機能障害に対する評価とアプローチ:田舎中真由美,理学療法学,vol35,No4,212-215,2008.

14. 腹圧性尿失禁に対するコアスタビリティートレーニング:田舎中真由美.理学療法,vol26,No,10,2009.

15. 高齢者に対しての考え方 臨床上で心がけていること:田舎中真由美.理学療法MOOK10 高齢者の理学療法 第2版;森本榮編集,三輪書店,2011 

16. 排尿障害:腹圧性尿失禁に対する運動療法-骨盤底筋群へのアプローチ-;田舎中真由美,運動療法学,柳澤健 編集,金原出版,289-294,2011

17. 骨盤臓器下垂・脱に対する理学療法:田舎中真由美,理学療法ジャーナル,vol47,No.10,2013.

<教育・学術活動>   平成17・18・20・21・23年度日本理学療法士協会主催介護予防研修会(失禁予防特論講師)/ 文京学院大学にて選択科目:ウィメンズヘルス非常勤講師          

 

学会発表で「理学療法士」の職業欄がない【田舎中真由美先生|産後の腰・骨盤の治療のスペシャリスト】

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