母親の深呼吸による心拍変動が乳児の心拍に影響するーー。
名古屋大学大学院情報学研究科の大平教授とユニ・チャーム株式会社共生社会研究所の共同研究グループは、母親と乳児の心拍変動を計測し、心臓活動の相互作用を検証した。
▶母親の深呼吸は乳児の安らぎに~母親との身体的接触による調整効果~
生後2ヶ月までは、母親と身体接触している間、母親の深呼吸によって母子の心拍変動が高まることが分かっていたが、運動発達や自律神経機能が急速に発達する3 ヶ月以降の生理的相互作用の発達的変化はこれまで明らかになっていなかった。
今回の研究は40組の母子(3~8ヶ月児)が参加し、心拍センサーを母子の胸部に付け、母親は座り、乳児は寝姿勢で5分間安静にした。その後、母親が乳児を抱っこした状態で深呼吸を15分間実施。そして、再度5分間安静に過ごした。
研究の結果、母親の心拍変動が増加し、高月齢児も母親の心拍変動の増加に伴って増加する結果となった。増加の傾向は低月齢児より高月齢児で大きく、乳児の迷走神経活動の指標となるHF成分の増加がみられた。