理学療法士(PT)照屋一樹先生 -故郷沖縄の在宅医療を何とかしたい- 第一回

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なぜ地元沖縄ではなく大阪で学んだのか

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POSTインタビュアー:よろしくお願いします。まず、理学療法士になろうと思ったきっかけを教えてください。

照屋先生:一緒に住んでいたおばあちゃんが、介護が必要な状態になって、当事者の家族として経験したことがきっかけで療法士になろうと思いました。それが中学校3年から高校1年にかけての話です。

病院から帰ってきて、両親が共働きで、夕方家にいたのが僕で、そのタイミングでちょうどおばあちゃんの排泄のタイミングで、便失禁とか介護が必要な状態であったので、そこで関わりがありました。そんな中で、こういう分野の仕事をしたいと思いましたね。

それで、理学療法士を目指したきっかけに関しては、おばあちゃんがデイサービスに行きだして、元気になってくるのは良いことなんですが、家族としては、帰ってきてからが困ったんですね。

行く前と行った後での変化も感じにくいというか。それが一つありました。あと、たまたま送迎でうちに来ていた療法士さんがとても良い人で、その人がたまたま理学療法士だったことが目指したきっかけでもあります。

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POSTインタビュアー:なるほど。自分のおばあさんを介護していた時の思いを聞かせてください。

照屋先生:昔から四人兄弟の末っ子長男で、ほしかった男の子ということで、周りに自慢されるような子供でした。生活の中で、おじいちゃんおばあちゃんといる時間は長くて、怒られることも、応援されることもありました。

そんな中、元気で小さい頃はおんぶしてくれていたおばあちゃんが病気を経験して、まったく違う生活になってしまって、自分としては何が出来るのかというのは気にかけていました。忙しい傍、常に大丈夫かなと心配し、よく声をかけていましたね。

POSTインタビュアー:そこから大阪の方の専門学校に行ったということですが、大阪に行こうと考えた理由はなんですか?またその後の進路についても教えてください。

照屋先生:大阪に出た背景としては、沖縄以外のところから沖縄を見たいということが一番ですね。

そして行きたかった地域が近畿圏で、大阪がアクセス面や生活面で良かったり、養成校卒業後をイメージしたときに、どの地域で働きたいか、どのようなことが出来るのかを考えた時に、たまたま沖縄の市街地域と凄く似ている地域があったんです。

そこで働きながら、どういうことが予測されるか、沖縄に帰ったときに自分がどのような立場を担えるかを常に考えていました。

POSTインタビュアー:高校のときからそこまで明確にビジョンが出来ていたのは、何か背景はあるのですか

照屋先生:おばあちゃんが倒れたタイミングと、介護保険が出来たというタイミング、またそこが中学から高校へ進学するとうタイミング、さらに高校での授業で現在の社会情勢をクローズアップするようなものがありました。

それがきっかけで調べるようになり、職業についての具体的なことを知るようになりましたね。

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〇〇が出来たら故郷に戻ろう

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インタビュアー:就職先はどのように決めたのですか?

照屋先生:養成校でも臨床実習でも、”地域完結型”という言葉を聞くようになった時でした。最初の就職先は総合医療を行っている法人で、入院してきたら地域に返し、出来るだけ重度にならないような関わり方をしているところだったので、そこで何か学びたいと思いました。

さらに30歳までには沖縄に戻りたいというビジョンがあったので、逆算して5年くらいしたら全部所回れ、経験できるだろうという所から5年と区切って働かせてもらいましたね。

インタビュアー:「これが出来たら沖縄に戻れるな。」というような具体的な目安はあったのですか?

照屋先生:まず意識していたのは二つ。一つ目は時間をどう使うか。二つ目は療法士として何が出来るかと考えていました。

病院でリハビリテーションするのも悪くないと思いますが、早い段階で地域に返してあげることで、そこで足りない部分や必要としている部分を早く提供できるということで関われないだろうかと考えていました。

病院で働いている傍、病院外で、他の療法士はどのようなことを考えているのか、横のネットワークを持ちながら、自分たちが求められているニーズはどういうものなのかは、自分たちが置かれている地域以外にも目を向ける必要があると考えていました。

そして、その中で自分としては何ができるのか落とし込むことを意識して働いていました。

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<第二回に続く(9月10日を予定しております)>

照屋一樹先生経歴

沖縄県沖縄市出身の理学療法士

大阪リハビリテーション専門学校卒業後、みどりヶ丘病院、株式会社メディケア・リハビリ勤務を経て、現在は「株式会社まなざし」代表取締役として訪問看護ステーションを経営している。        

 

 

<照屋先生の施設紹介がされている「訪問リハビリテーション」>

第5巻第2号2015年6・7月:「整形疾患別の訪問リハビリテーション」  

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