日本リハ医学会、整形外科学会、日本足の外科学会は2022年4月に改訂される「関節可動域表示ならびに測定法」を発表。1995年2月以来27年ぶりの改定となる。
1995 年改 訂の関節可動域表示ならびに測定法では、「内がえし inversion/外がえし eversion」を 3 平面での複合運動、「回外 supination/回内 pronation」を前額面での運動と定義していたが、英語圏及び英語文献では、「内がえし inversion /外がえし eversion」を前額面での運動、「回外 supination/回内 pronation」 を横断面と矢状面および前額面の 3 平面での複合運動とするものがほとんどで ある。そこで、この点を含むいくつかの問題点に対し、日本整形外科学会からの 要請を受けて、日本足の外科学会用語委員会が「足関節・足部・趾の運動に関す る新たな用語案」を作成し、日本足の外科学会が承認した(Doya H, et al. J Orthop Sci 2010,15(4):531-9.)
▶︎https://www.jspo.jp/pdf/rangeofmotion2022.pdf
詳細
1,足関節・足部における「外がえしと内がえし」および「回外と回内」の定義
外がえしと内がえし:足関節・足部に関する前額面の運動で、足底が外方を向く動きが外がえし、足底が内方を向く動きが内がえしである。
回外と回内:底屈,内転,内がえしからなる複合運動が回外、背屈,外転,外がえしからなる複合運動が回内である。母趾・趾に関しては、前額面における運動で、母趾・趾の軸を中心にして趾腹が内方を向く動きが回外、趾腹が外方を向く動きが回内である。
2,足関節・足部に関する矢状面の運動の用語
背屈と底屈:足背への動きを背屈、足底への動きを底屈とし、屈曲と伸展は使用しないこととする。ただし、母趾・趾に関しては、足底への動きが屈曲、足背への動きが伸展である。
3. 足関節・足部の内転・外転運動の基本軸と移動軸
基本軸:第2中足骨長軸とする(以前は第1,2中足骨の中央線)。