皆さん、こんにちは。火曜日担当の藤本裕汰です。本日もよろしくお願い致します。ここ最近は膝関節の疼痛に着目して解説しています。本日は疼痛を生じる7つの組織1)の中の軟骨下骨に対して解説していきます。
関節軟骨の基礎
膝関節の疼痛の中で関節軟骨に対する理解は非常に重要になります。実際に患者様・利用者様との会話の中でも「膝関節の軟骨がすり減っていると言われました。」などよく聞くのではないかと思います。
まず軟骨組織は軟骨細胞、軟骨基質、軟骨膜により形成されます。組成の比率に関しては軟骨細胞が1%程度、コラーゲン・プロテオグリカンが20%程度、水が80%程度と報告されており2)、水分が多くなっています。そのため、関節の衝撃を吸収し関節を滑らかに動かすことが可能になります。
軟骨は硝子軟骨、弾性軟骨、線維軟骨の3種類に分類されます。特徴に関しては解剖学の復習になるので以下の図にまとめます。膝関節においては大腿骨・脛骨の関節面に硝子軟骨からなる関節軟骨で覆われています。
また軟骨の構造についてですが最表層、中間層、深層、石灰層の4層からなります3)。厚さは数ミリの組織であり、石灰層の下に軟骨下骨が連続しています。関節軟骨には血管や神経がなく疼痛を感じる組織がありません。軟骨がすり減り、軟骨下骨が露出している場合においては疼痛が生じると考えられています。
関節軟骨の障害
関節軟骨の障害の原因に関してはすり減ると考えられていますが、代謝異常を起こしていると考えられています1)。健常な軟骨に関しては骨の破壊と修復が繰り返され、正常な状態を保つといった特徴があります。そのため、この破壊と修復のバランスが崩れることで関節軟骨の障害に繋がると考えることができます。