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スクリーニングテストで腰痛リハビリテーションはどう変わるのか~STarT Back Screening Tool編③~

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SBSTで分類した各サブグループに対し、どのようにアプローチすればよいでしょうか?low risk編。

週の真ん中水曜日の江原です。引き続き、スクリーニングテストによるリハビリへの影響について書きます。腰痛患者(坐骨神経痛の有無は問わず)をリスクスクリーニングツールで層別化し、その結果に基づいた意思決定とマネジメントを行います。本日はサブグループ化したlow risk群のアプローチについて書きます。疼痛や腰痛により低下した身体機能の改善に対して具体的にどのようなことをすればよいのでしょうか?

low riskにはシンプルに伝え自己管理へ促す

全体の点数が3点以下でlow riskと判定された低リスク患者には、確認とアドバイスのための1回のセッションが提唱されています。 早期改善と良好な転帰が得られる可能性が高く、よりシンプルなマネジメントを行っていきます。基盤となるのが活動の継続、痛みの教育と保障です。特に活動の継続を中心に深めていきたいと思います。

 

急性期、亜急性期の非特異的腰痛の場合は、腰痛の原因がなく器質的な要因に治療する必要性が少ないこと、多くの患者が改善に向かう経過になることを説明します。医師の診察でも説明は受けているはずですが、リハビリが処方され理学療法士も同じ対応していれば、繰り返し説明をうけることで最も重要な安心・安全につながります。

 

これは患者教育の一環で、保証(reassuarance)と呼ばれています。活動の継続について強調する理由としては、患者は腰痛になると『やってはいけないこと』『気を付けた方がいいこと』などネガティヴな因子について考え易いと実感しています。動くと悪化するだろう、腰に悪いことをしない方が治るだろうという考えです。実際急性期の痛みは負荷をかけない方が痛みは出ませんが、FAB(Fear avoidance belief)の考えが強すぎて偏っていると、回避による悪循環でさらに痛みを強めてしまいます。

 

なので私は『痛みの悪化は十分気を付けた方がいいですが、やっていけないことはありません』『これまでやっていたことを痛みの範囲内で再開してください』とおいう言い方で伝えています。『何でもやっていい?こんなに痛いのにそんなはずはない』と患者は考えるので、あくまで『痛みの範囲内(疼痛自制内)』であることを強調します。この過程により、誰かに言われて行動を加減するのではなく、常に痛みと動きをセンサーしながら活動を上げていくことができます。不安がない状態で自分の痛みをコントロール下に置くことは、ADL向上の視点からも非常に重要です。その他痛みの教育では、所見との因果関係についてなど(患者にとって)自己決定につながる正しい情報を伝えていきます。

スクリーニングテストで腰痛リハビリテーションはどう変わるのか~STarT Back Screening Tool編③~

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