検査値の具体的な解説
特定の障害に関連する検査値を療法士向けに分かりやすく解説しています。専門用語や複雑な概念を避け、明確で直感的な言葉で説明しているため、初心者から経験豊富な専門家まで、幅広い読者にアプローチしています。
例えば、中枢神経障害の検査値がどのように患者の日常生活に影響を及ぼすか、どういう治療プランを立てるべきかなど、具体的なケースに基づいて細かく解説しています。これにより、検査値の背後にある臨床的な意味を深く理解できます。
臨床的視点からの解釈
本書は理論だけでなく、現場での応用にも焦点を当てています。具体的な患者ケースに基づいた章が多く、それぞれのケースでどのように検査値を解釈し、治療に反映させるかが詳細に記述されています。
さらに、現場での挑戦や困難に対処するための具体的なヒントや、検査値の微細な変動に対する正確な解釈方法なども網羅されています。これにより、療法士が日々の業務で直面する課題への理解が深まり、より効果的な治療計画の策定が可能になります。
多岐にわたる障害の理解
中枢神経障害、運動器障害、内部障害の相互関係の理解は、療法士にとって非常に複雑です。本書では、これらの障害の機序から生じる様々な症状に対応するための総合的なアプローチを提供しています。
検査値を通して障害の進行度や特徴を把握する方法、それぞれの障害がどう相互に影響を与えるか、最適なリハビリテーション方法などが詳しく解説されています。この多角的な視点は、療法士が患者の全体像を把握し、よりパーソナライズされた治療を提供する上で非常に役立ちます。
▶︎https://www.medicalview.co.jp/catalog/ISBN978-4-7583-2076-4.html
【目次】
第1章 まずは検査値の基本を知ろう
1.臨床検査値の活用
第2章 炎症症状の原因と予後を予測しリハビリテーション治療に活かす
1.それぞれの検査値を知ろう
WBC,好中球,赤沈,CRP,PT,APTT,d-dimer,FDP,Fib
2.くも膜下出血 × 誤嚥性肺炎
3.人工股関節全置換術後 × 深部静脈血栓症
コラム:CRPと組み合わせて考える各種炎症疾患
第3章 一過性の意識障害を予測しリハビリテーション治療に活かす
【貧血】
1.貧血に関連するそれぞれの検査値を知ろう
RBC,Ht,Hb,MCV,Fr,Fe,TIBC
2.脳出血 × 大腸がん
3.腰部脊柱管狭窄症術後 × 慢性腎臓病
コラム:アドバンスド:こういう組み合わせも知っておこう
コラム:貧血のフィジカルアセスメント
【起立性低血圧】
4.起立性低血圧に関連するそれぞれの検査値を知ろう
Na,BUN,Cr,UA,尿比重
5.パーキンソン病 × 低栄養
6.大腿骨骨幹部骨折 × 血液透析
コラム:脱水のフィジカルアセスメント
コラム:自律神経のフィジカルアセスメント
第4章 浮腫の原因を予測しリハビリテーション治療に活かす
1.それぞれの検査値を知ろう
BNP,NT-proBNP,尿タンパク,AST,ALT,ChE
2.心臓弁膜症による心不全 × 一過性脳虚血発作(TIA)
3.慢性心不全,慢性腎不全 × 骨盤骨折
4.非アルコール性脂肪性肝疾患×アテローム血栓性脳梗塞
コラム:浮腫のフィジカルアセスメント
第5章 息苦しさの原因を予測しリハビリテーション治療に活かす
1.それぞれの検査値を知ろう
PaO2,PaCO2,HCO3−,pH,BE
2.血液ガスを知る前に酸塩基平衡を理解しよう
3.ギラン・バレー症候群
4.心不全 × 脳梗塞
5.慢性閉塞性肺疾患(COPD) × 腰椎圧迫骨折
6.間質性肺炎 × 関節リウマチ
コラム
第6章 栄養状態を予測しリハビリテーション治療に活かす
1.それぞれの検査値を知ろう
Alb,TP,A/G 比,TC,AST,ALT,ChE,Tf,TTR
2.肝硬変 × 脳梗塞
3.心不全 × 大腿骨転子部骨折
コラム:下腿周径について
第7章 倦怠感を予測しリハビリテーション治療に活かす
1.それぞれの検査値を知ろう
BS,HbA1c,CPR,尿糖,尿ケトン,PSA,Ca,ALP,PLT
2.糖尿病 × 慢性硬膜下血腫
3.変形性膝関節症 × 前立腺がんの脊椎転移