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FBSSのマネジメント~理学療法士の立場でできること~

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難治性の脊椎術後疼痛のマネジメントについてです。

週の真ん中水曜日の江原です。慢性疼痛の疾患分類の1つ、慢性手術後疼痛から脊椎術後の疼痛症候群FBSSについて書いています。1回以上の脊椎手術後に慢性的な背部痛、下肢痛、しびれなどが残存しますが、最も一般的な症状は慢性的な背部痛だと言われています。ペインクリニック科でも集学的診療を行いますが、理学療法士は痛みなどの症状に対してどのようなアプローチを行えばよいでしょうか?

保存療法が選択されます

前回の記事でFBSSの定義とされる論文を挙げましたが、基本的にこれ以上外科的治療を行っても効果が得られないと検討された脊椎疾患術後の症例が対象になるため、保存療法が第一選択になります。多面的な要因が関わり疼痛が遷延しているため原因が特定できないことが多く、各診療科がマルチモーダルで治療を行う症状に対する集学的診療が提案されています。

理学療法士の役割

リハビリテーションにおいて理学療法士は、その他の慢性疼痛同様に痛みの改善のみに注力しないプログラムを検討すべきです。レビューにおいては、患者の体幹筋力と脊柱可動域を向上させることを目的とした、理学療法や指導付き運動療法プログラムを常に実施すべきとあります。慢性腰背部痛の一般的な対応と基本的には同じですね。体幹筋力増強エクササイズや、柔軟性改善のストレッチ、有酸素運動による体力の向上を行います。脊椎術後に疼痛が残存している患者の第1印象としては、

・手術をしたのに改善しなかった
・その他に身体に悪い部分はどこにもない

という思考の方が多く、原因が患者自身以外に向いていることが多いと思います。前者に関しては、執刀医から手術には全く問題はないと説明されているにもかかわらず、原因は絶対に手術部位にあるという思考から抜け出せないでいたり、手術で改善すると期待していないのに非常にショックを受けている例があります。後者は、長期間疼痛に苦しみ活動性が低下し体力が著しく低下していたり、筋や関節の機能障害があることに気付いていないことが多く、運動療法を続けている中で取り組まなければいけないことに気付くことが多いと感じています。

認知情動面の評価

従って評価としては、認知情動面の評価(PCS、TSK、HADS、PSEQ)を行うと、疼痛や疼痛に対しる考え方や疼痛行動について把握でき、アプローチの負荷量や提供の仕方に反映できると考えます。破局的思考や運動恐怖は質問紙や問診で出てこなかったとしても、疼痛の変化により運動療法のペースが乱れやすいため、段階的に負荷を上げて行くとよいと思います。

FBSSのマネジメント~理学療法士の立場でできること~

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