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【書評】ポジショニング学 体位管理の基礎と実践(改訂第2版)

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今回は中山書店様の新刊を書評させていただきます。『ポジショニング学 体位管理の基礎と実践(改訂第2版)』は、初版発行から10年を経て、その内容を大幅にリニューアルした実用書です。本書は、特に理学療法士、作業療法士、看護師など医療専門職の方々にとって、重要な知識と技術を提供する一冊となっています。

本書の特徴

特に推奨する点は二つあります。まず、ポジショニングにおけるマイナス事象を未然に防ぐための超予防的視点が随所に盛り込まれています。これにより、実際の臨床現場でのリスク管理に役立つ知識が提供されています。また、スモールチェンジの概念について、具体的な例を交えながら丁寧に解説されている点も、実践的な視点から見て重要な特徴です。ほかにもオールカラーでの見やすいレイアウトが印象的です。体位変換の歴史や、2時間おきの体位変換がなぜ推奨されているのかを、最新のエビデンスを交えて説明している点は、知識の深堀りに役立ちます。さらに、現存するマットレスごとの特徴と体圧分散測定の結果が掲載されており、これにより臨床現場での実用性が高まります。また、疾患別、状態別のポジショニング方法が詳述されており、治療的介入だけでなく予防的介入にも役立つ内容となっています。

専門にすると面白い分野

この書籍は、リハビリテーションと看護の職種間での認識の違いを示し、特に看護師の視点での内容が豊富に取り扱われています。これにより、他職種連携のための予備知識としても有用です。2023年3月31日の日本理学療法士協会のデータによると、「褥瘡・創傷ケア」の認定理学療法士は21名と他の分野に比べて少ない分野です。ポジショニングの技術と知識が必要とされている中、それを専門としている療法士の人数が少ない点は、需要と供給の観点から面白い分野といえます。

高齢社会を迎え、医療従事者に求められるポジショニング学的な知識と技術の重要性は増しています。この書籍は、その必要性に応えるものであり、理学療法士、作業療法士、看護師など、多くの医療専門職の方々にとって、実践に役立つ知識と技術を提供する貴重な一冊と言えるでしょう。

▶︎http://rr2.nakayamashoten.co.jp/products/978-4-521-75047-7

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[待望の改訂第2版 超予防学的観点に立ち,ポジショニング学をさらに深化!]

書名:ポジショニング学 体位管理の基礎と実践(改訂第2版)

監修       田中マキ子(山口県立大学学長)

編集       市岡    滋(埼玉医科大学形成外科教授)

              磯貝  善蔵(国立長寿医療研究センター副院長,皮膚科部長)

              前重  伯壮(神戸大学大学院保健学研究科リハビリテーション科学領域准教授)

              栁井  幸恵(綜合病院山口赤十字病院皮膚・排泄ケア認定看護師)

B5判/4色刷/416頁/定価5,280円(本体4,800円+税)/ISBN 978-4-521-75047-7

(改訂のポイント):

・初版発行から10年ぶり,より深い理解を目指して項目の7割を改訂,90頁のボリュームアップ.

ポジショニングにおけるマイナス事象をそもそも起こさない超予防学的観点を随所に挿入.

・スモールチェンジの概念を丁寧に解説し具体例を盛り込んだ.

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【書評】ポジショニング学 体位管理の基礎と実践(改訂第2版)

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