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階段降段時に着目すべきポイントと評価方法

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今回は、階段降段時に着目すべきポイントと評価方法についてお話をしていきたいと思います。階段降段は大きく分けると、荷重応答期・単脚支持期・遊脚初期・遊脚終期の4つに分類されます。臨床上は特に立脚期である、単脚支持期で疼痛の訴えや跛行、代償動作を伴うケースが数多く見受けられます。よって今回は降段の中でも単脚支持期に着目をしていきたいと思います。

図1.荷重応答期

図2.単脚支持期

図3.遊脚初期

図4.遊脚終期

階段降段時の単脚支持期に着目するポイントと評価方法を以下に紹介していきます。

大きく分けて可動域制限・疼痛・不安定感のどれが問題となっているかしっかりと評価していく必要があります。

1.膝関節屈曲可動域が十分であるか

まずは大前提として階段降段を行うにあたって、膝関節屈曲可動域が確保されているかを確認する必要があります。背臥位にて膝関節を可能な範囲で他動的に屈曲させていき可動域を確認します。しかし、単脚支持期は股関節屈曲が少ない中で膝関節を屈曲していくことから、腹臥位にて股関節中間位での膝関節屈曲可動性(HBD:Heel Buttock distance)の測定も行うことで可動域自体に問題があるかがより明確になってきます。

図5.背臥位での膝屈曲

図6.HBD

実際に動作時に必要な角度ですが、論文等によって差はありますが

階段:昇段 85° 降段105°

が必要な角度であるとされています。     

しかし、膝関節屈曲可動域が105°確保されている場合でも、階段の高さがあると更なる角度が必要になってきます。この膝関節屈曲角度が十分にある場合には以下の項目をチェックしていきます。

2.下腿過外旋やKnee inが起きていないか

下腿過外旋やKnee inが起こることにより、膝関節の内側部では鵞足筋群(薄筋、縫工筋、半腱様筋)に伸張ストレスがかかることで疼痛が出現しているケースが多いです。また外側部痛では、腸脛靭帯周囲に圧迫ストレスがかかることで疼痛が出現する事もあります。膝関節屈曲可動域は十分にあるが、上記の部位に疼痛を生じている場合はしっかりとチェックしてみて下さい。そのような現象が起きる原因として下記の項目が挙げられる為、これらに対してアプローチすることで改善がみられることが多いです。

図7.下腿外旋を伴うKnee in‐Toe Out

3.足関節の背屈可動域の確保とヒラメ筋の遠心性収縮が適切に行えているか

まずは足関節の背屈可動域ですが、歩行時の足関節背屈角度についてはターミナルスタンスで最も大きくなり、背屈10°は必要であるといわれています。階段降段時には更なる可動性が必要であるため、まずは足関節背屈可動域が10°以上確保されているかを評価する必要があります。そのうえで、動作をみたうえで脛骨に対して過度に足部外転が起きていないかを確認します。加えて階段降段時には足関節の急激な底屈を防ぐために、ヒラメ筋の遠心性収縮が必要であるとされています。降段時に膝窩より遠位に疼痛や圧迫感を訴えている場合や足部の不安定感がある場合には、ヒラメ筋の過緊張や柔軟性不足、筋機能の低下があることがあります。ヒラメ筋とともに腓腹筋の筋緊張も亢進している場合が多い為、そういったケースではしっかりとアプローチする必要があります。

図8.背臥位での足関節背屈

図9.背屈時の足部外転の代償

4.大腿四頭筋の遠心性収縮が適切に行えているか

膝関節の急激な屈曲(膝折れ)防ぐために大腿四頭筋の遠心性収縮が必要になってきます。臨床上は、前十字靭帯損傷をはじめとして膝周囲の靭帯に緩みがあるケースでは特にこの大腿四頭筋の機能を向上させる必要があります。また、Knee inを呈している場合では外側広筋の筋緊張が高く、内側広筋の筋収縮がうまくいっていない場合が多い為、触診等でチェックする必要があります。よくある代償動作としては膝関節を過伸展、体幹を前傾位で接地することが挙げられます。こうすることで、床反力作用は膝関節の前方を通り、伸展モーメントが生じるために大腿四頭筋の筋力が低下した場合でも、身体を支えることができます。

その他の代償として、骨盤の前方回旋の減少や後方回旋が生じることもあります。

図10.大腿四頭筋不全での代償動作

5.中殿筋の等尺性収縮が適切に行えており、体幹中間位が保たれているか

Knee inを防ぐためにも股関節・体幹が中間位を保てているかが大切になってきます。そこで重要となる筋としては中殿筋が挙げられます。下記のような代償動作が起きている場合には、まずは中殿筋の筋機能を評価する必要があります。代表的な評価方法としてはMMTにて股関節外転筋力の測定を行い、荷重位での評価では片脚立位にて骨盤正中位を保持できるかを評価していきます。

図11.立脚側に体幹側屈

図12.遊脚側に体幹側屈

図13.MMTでの股関節外転筋力

図14.片脚立位での評価

今回は階段降段時に着目すべきポイントと評価方法ということで紹介をしてきました。

一般住宅の場合、段差の高さ(蹴上)は20㎝程度が多いことから、この高さをスムーズに降段できることがQOLの向上にも繋がるのではないかと考えられます。

階段降段時の中でも単脚支持期に着目をしてきましたが、その他の周期においても疼痛を生じるケースは勿論あります。しかし、単脚支持期での着目すべきポイントや評価方法を知っておくことで、その後の適切な介入を円滑に行うことができ、階段降段時痛の改善にも繋がるのではないかと思います。

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