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【遠藤優先生|歯科医師になった理学療法士】顎関節のスペシャリストへの道

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昭和大学藤が丘リハビリテーション病院に行ったら人生変わった

 

遠藤先生 自分の人生を大きく変えたのは昭和大学藤が丘リハビリテーション病院での多くの先生方との出会いでした。大学では福井勉先生が助手(助教)をやられていたんです。


もともとPTを目指したのはスポーツをやりたかったからだったので、福井先生には学生時代から勉強会や名古屋のスポーツ研究施設などいろいろな所に連れて行って頂き、とても面倒を見てもらっていました。


臨床実習が昭和大学藤が丘リハビリテーション病院で、入谷先生の足底板の治療をみて、本当に凄かったのをよく覚えています。ただ入職してどう考えても入谷先生の治療は真似できないなって思いました。
 

動きを見ていても自分には分からないし、足の指がどうなっているかとかも難しかった。そのときバイザーでお世話になった山口光國先生が肩のCuff-Y Ex.などをやり始めていたときで、最初は肩とか肘を勉強していました。


当時の技師長の山嵜勉先生は「一つの関節をしっかりみることが、ひいては全身に繋がってくる。」とよく指導していただいていました。 そういえば、このクリニックにも山嵜先生が来たことがあってさ。
 

予約表に「ヤマザキ ツトム」とカタカナで書いてあって「あれっもしかして」と思ったんだけど。やっぱり先生の治療は緊張しますよ(笑)

 

「武器がほしい」、辿り着いたのは歯科の道


遠藤先生 当時の昭和大学藤が丘リハビリテーション病院は、自由でなんでも勉強させてくれて締め付けがないぶん、自分でプレッシャーを感じていました。人真似ではだめ。

オンリーワンにならなければいけない。自分はまず論文を書こうとしたときに統計学が分からなかったので、福井先生が卒業された東京理科大学第二経営工学部に通うことにしました。
 

当時は、顎を診るとかまったくしてなかったし気にしてもいなかった。もしかしたら症状として患者さんが訴えていたのかもしれないけど、やっぱりPTって体幹や下肢に目がいって顎関節がアプローチの対象にはなりにくいですよね。


人の顔をよく見ていると左右対称の人はほとんどいません。 「首が悪い人って口が開きずらい」というのは周りから聞いていたし、何か自分に武器がほしいと思っていて歯科って面白いんじゃないかと思うようになりました。

 

歯が痛いのは、鼻のせい?


遠藤先生 理学療法の可能性として、一つは顎関節症の筋肉の問題があると思います。摂食嚥下はもちろんのこと、歯並び(矯正)、スポーツ歯科も理学療法の可能性があると思います。


歯並びは子供の成長段階における唇と舌の関係で変わります。子供のときって身体がやわらかいから普段の噛む癖によって歯の方向が変わりやすいんです。例えばずっと鼻が悪くて口呼吸をしている子は上唇の力が弱くなりだんだん歯が前にでてきて出っ歯になってしまいます。



「顎関節が痛い」という訴えで患者さんが来院したら、まずレントゲン写真を撮ります。一般的には口の中の虫歯や歯周病、親しらずの状態を診るために使うことが多いのですが、下顎頭もうつるので下顎頭の変形度合いを見ます。動的な評価として口を開いた状態と閉じた状態でレントゲンを撮る方法もあります。


あれ、森田さん(インタビュアー)は右の鼻が悪いかもしれませんね。「ここを見ると、白くなっているのが分かりますか?ここは副鼻腔(上顎洞)で空洞なところなので普通は黒く写ります。


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もし仮にここが白く写っていて、「右側の奥が噛んだときに上の歯が痛むんですよね」と患者さんが訴えたり、あるいは「起き上がるとき・頭を振るとき・顔洗うときに歯が痛い」とか訴えているとここに膿が溜まっている場合が考えられます。


このように歯の痛みと勘違いしている場合には耳鼻科をすすめることもあります。長距離ランナーの選手なんかだと鼻が悪いと呼吸なんかにも当然影響しますよね。


顎関節をみるときはここです。森田さんの場合、骨格が細いから下顎頭も細いかと思いましたがすごくしっかりしています。通常、これだけ太いと顎の痛みは起こりずらいです。



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骨そのものが細いと、解剖学的な脆弱性があって症状がでやすい。あと、咬筋の付着部である下顎角部の骨の状態、金属の中の状態や、親知らずの状態などを診たりします。

 

顎関節のずれ

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ここをみるとほら、前歯の位置がずれているのが分かりますね。下顎がずれていて、ここが真ん中。(写真参照)

上顎がずれているのか下顎がずれているかの判断というのは難しいんだけど、基本的には上顎というのは頭についているからそれほど変位しないと考えます。下顎は浮遊してくっついているからずれやすい。ただ歯の生え方によって上顎がずれている人もけっこう多かったりするんだけどね。



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遠藤 優先生経歴

都立医療技術短期大学(現:首都大学東京)理学療法学科卒
東京理科大学第二経営工学部卒
昭和大学歯学部卒
歯科医師免許取得
西小岩歯科クリニック院長
文京学院大学兼任講師(口腔理学療法)

 

 

【遠藤優先生|歯科医師になった理学療法士】顎関節のスペシャリストへの道

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