週の真ん中水曜日の江原です。セラピストにも身近な薬物療法ですが、本日は、慢性疼痛の鎮痛補助薬として治療に欠かせない抗うつ薬についてご紹介します。
抗うつ薬は、脳内の神経伝達系に作用してうつ病・うつ状態を改善させる効果をもつ薬剤の総称です。神経障害性疼痛などの慢性疼痛に有効性が証明されていて、臨床使用されています。
痛みに抗うつ薬を処方すると、よく患者さんは『うつ病でもないのに』と躊躇する場面が見られますが、抗うつ薬の鎮痛効果は抗うつ作用より早くかつ、低用量で出現すると考えられているので、使用量が異なることで納得される方は多いです。
抗うつ薬の種類
抗うつ薬の種類は、化学構造や作用機序の違いで、
・三環系抗うつ薬(Tricyclic Antidepressants:TCA)
・選択的セロトニン再取り込み阻害薬(Selective Serotonin Reuptake Inhibitors: SSRI)
・セロトニンノルアドレナリン再取り込み阻害薬(Serotonin Noradrenalin Reuptake Inhibitor: SNRI)
・ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(Noradrenergic and Specific Serotonergic Antidepressant: NaSSA)
に分類されます。